ノスタルジックな感傷に浸るのは、決して後ろ向きなことではありません。なぜなら楽しかった子ども時代を思い出すことは、今後生きていくための大きなエネルギーになるからです。
80年代、90年代に子どもだった方は、非常に幸運だったと言えます。むろん、当時の世の中もいろいろありました。しかしこの頃の子どもたちは、インターネットに支配される、がんじがらめになることはありませんでした。
日が暮れるまで外で身体を動かしのびのび遊んでいませんでしたか?SNSのメッセージやコメント、「いいね!」の数を気にすることもなく、ママが呼びに来るまで、はつらつと駆け巡っていませんでしたか?
また文房具屋で好みの日記帳やカラーペン、ステッカーを選ぶのにわくわくしていませんでしたか?
それに、ビデオゲームも今よりもっとシンプルで、もっと純粋に楽しめるものでしたよね。
ネットでゲーム攻略や裏側を検索したり、SNS上の仲間と対戦することもなく、ただひたすら、目の前のゲーム機を夢中になっていじっていたことでしたでしょう。完全に自分の世界に入り込み、最高にスカッと遊べた!こんな経験ありませんでしたか?
今回は、90年代アメリカの、レトロ子どもアイテムのいくつかをご紹介したいと思います。日本でも大流行したものも、もちろん含まれています。
また、これらの懐かしいグッズを再度手に入れたい場合、お金はいくらかかるのかもあわせて見ていきましょう!
昔は手書きだった!・・・図書館の貸出カード
図書館で本を借りる時、本の最後のページに貼られたポケットに入っている図書館貸出カードを取り出さなければなりませんでした。このカードに借りた日にちと名前を記入し、図書館員に手渡し、本を持ち帰っていたのです。
カードに記載されてある、前にその本を借りた人々の名前を眺めたことはありませんか?読むつもりがなかった本でも、貸出カードリストの中に好きな人の名前を見つけて、興奮して借りてしまった!なんて思い出ありませんか?
また10、20年前の日付から止まったままのカードもある!なんてことも。つまり自分の前に貸し出されたのは遥か昔のことで、10、20年間もその本は誰にも借りられることはなかった!という事が伺えますね。
カードに記されている、各名前の字の上手さ下手さも気になりました。
貸出日付と返却日付を見て、
「この人はたった1日しか借りていない!速読したのか、それとも読まないですぐに返したのか・・・」「この人は3週間も延滞して借りていたんだ!」「この名前は他の本の貸し出しカードでも目にしたことがあるぞ」と、あれこれ思いを巡らすことができます。
そして、当時はスマホ等でその場ですぐ本のレビューをチェック、といったことも出来なかったので「この本は面白いのかどうか」分からないこともよくありました。
そういった時、後ろ表紙のポケットの中のカードを見て、古めかしい年寄りの名前ばかりが書き連なってあると「つまらない真面目な本なのだな」などと判断したものです。
そんな図書館貸出カードももはや懐かしいものとなってしまい、今ではすべてコンピューターで記録されています。
ですが、もともと値段のない図書カードの価値は、今も昔もプライスレスです!
史上初の手間がかかる玩具・・・たまごっち
たまごっちは、90年代後半に大流行したおもちゃペットです。間違いなく、この時代のおもちゃの代表といえるでしょう。
当時画期的だったのは、たまごっちを可愛がるのに、重大な責任を課せられたことでした。
それまでのおもちゃペットは、触ったり撫でたりしたら、音を出したりしっぽを揺らしたりするだけでした。ところがたまごっちは、本体そのものは何も動かないものの、画面のペット(たまごっち)が成長していくのです。
そして食べ物を与えたりいろいろ面倒をみてあげないと、画面の中のたまごっちは途端に病気になってしまうのです!よって四六時中、たまごっちを気にかけていなければなりません。まさに人間の赤ん坊の世話と同じです。
学校にたまごっちを持って行き、クラス中に机の下でぴこぴこ触っていると教師が注意します。すると生徒は「たまごっちの食事時間だから・・・」と言い訳するなんてことがあり、これはアメリカでも社会的問題になりました。そして偽物も数多く出回りました。
たまごっちブームが廃れた時大勢の大人たちは「これでようやく、子どもはたまごっちを気にせず勉強や食事、遊びに集中できる」とほっとしました。
スマホのアプリ中毒になる子どもたちが問題になるのは、それからもう少し先の未来のことです・・・。
amazon.comをみると、現在日本のバンダイから輸入されたたまごっちが約60ドル~150ドル(約6000円~1万5000円)で購入できるようです。
女の子は夢中になった!・・・スパイスガールズのバブルガムステッカー
90年代のアイコン的アイドルガールズグループといえば、間違いなくイギリス出身のスパイスガールズでしょう!彼女たちのバブルガムポップ(ティーンエイジャー向けの軽快なポップ・ミュージックジャンル)は、世界中のティーンたちを夢中にさせました。
バブルガムポップを歌っているということで、シャレからスパイスガールズのバブルガムのお菓子も発売されていました。
よくある手法なのですが、ガムを購入する時点ではおまけのシールがメンバーの誰の写真のものなのか分かりません。好きなメンバーのシールじゃなかった時、またすでに持っているシールにまた当たった時はとてもガッカリしたものです!
当時、スパイスガールズのCDをディスクマンで聴いていたと思いますが、彼女たちのグッズは数多くありました。
もしかしたら当時ティーンだった女性の方はバブルガムを買い集めただけではなく、スパイスガールズのバービー人形、映画ビデオ、Tシャツ、バッチ等々、いっぱい持っていたかもしれませんね。
現在ebayにて1枚1.49ポンド(約195円)で販売しているようです。(※売り切れている可能性あり)
“Hello”と打ったらすぐに“Hello”と返ってきた!・・MSN メッセンジャー
90年代の小学、中学、高校生が夢中になり、大ヒットになったものの1つがMSNメッセンジャーです。
覚えていますか?PCの画面上に、同じ部屋にいない誰かから「HELLO」のメッセージが飛び込んできたときの驚きと感動を。特に海外の人とのリアルな会話のやりとりには、みな驚嘆したのではないでしょうか。また全て無料、というのも衝撃的でした。
文章をタイピングすると、遠くにいる相手からすぐにぽんぽんと返ってくる楽しさがありました。コメントがきたときの通知音にも胸を躍らせたものです。
MSNメッセンジャーは、フェイスブックの到来まで非常に人気があり定番なものでした。しかしフェイスブック、スカイプ、ツィッター、ハングアウト等の登場で、とたんに影が薄くなっていきます。
では再ブームを期待しますか?・・・R.I.P.(rest in peace)「安らかにお眠りください」。
マックのハッピーミールのおまけ・・・ファービーミニチュアフィギア
90年代のおもちゃのアイコンのひとつは、間違いなくファービー人形でしょう。バービーではありませんよ、ファービーです。
90年代、大概の国の空港の免税店や現地の土産店では、ファービー人形が売られていました。
イタリアではけたたましくイタリア語をしゃべるファービー、ドイツ語を話すファービー、スペイン語、フランス語、英語、日本語・・・ファービーの声を聞くたびに、自分が今どこの国にいるのか再認識させられたものです。
1998年、マクドナルドのハッピーミールを注文すると、ミニチュアのプラスチック製ファービーミニチュアフィギアがおまけについてきていました。
子どもたちはミニチュアファービーが欲しくてハッピーミールをおねだりしました。そして手に入れたミニチュアファービーを、自分の寝室のベッドの頭元の棚に並べていったものです。
ちなみに2003年に再度ファービーのおまけつきハッピーミールが発売されました。
ebayでは当時のオリジナル・マクドナルドハッピーミール版ファービーコンプリートセットが出品されているようです。値段は18ドル(約1800円)。人気が殺到しているようなので、恐らくすでに落札されているでしょうね・・・。
たばこを吸う真似をしていた・・・ポパイのタバコ型キャンディスティック
ポパイのキャンディーシガレットキャンディ。日本にもこういうキャンディはありましたね。
かつての子どもたちは、ポパイのイラストが描かれている真っ赤なタバコの箱をポケットに忍ばせていたものです。ふと気が向くと、1本“吸って”(※実際には舐めて)いたものです。
しかしタバコをモチーフにしているということが問題になり、現在ではカナダとアメリカでは製造中止になっています。
ebayでは日本円で1000円~5000円で販売されている模様です。
さあ、アラサーになったスモーカーのあなた!1000円を出して本物のたばこを買うのか、それともポパイキャンディスティックを買うのか・・・どうしますか?
子供をトリコにしたペン・・・ミルキージェルペン
Milky & Gel Pens
90年代の小学生たちは、みんなミルキージェルペンの虜になっていました。
アメリカのいくつかの小学校では、高学年に上がるまで鉛筆しか使用してはならない、という校則があったものですが、それでも低学年の子どもたちまでもが、ペンケースにこのペンを忍ばせて通学していました。
ebayでは、8本セットで19.49ドル(約1970円)で購入できるようです。この手のペンは進化を遂げており、アーティスト向けのものも多く出ています。また今でも多くの場所で入手できるようです。
自転車でレンタルビデオ屋に通った・・・ブロックマスター
ブロックバスターはアメリカのくビデオ・DVDのレンタルチェーン店です。90年代、アメリカの10代の若者たちは、近所のブロックバスターで見たい映画のビデオを借りていました。
その帰りに食品店に寄りポテトチップスやポップコーン、またはピザ屋でピザを買いました。見終わるとレンタル店の返却ポストにひょいっと返したものです。
そんなブロックバスターは、2010年に倒産します。ネットフィリックスなどの、ネットの動画サイト出現が大きなその原因でした。
ブロックバスターも企業努力をしました。お客さんが見終わったDVDは郵送代ゼロ円にし、郵便ポストに入れて送り返すだけでいい、というシステムを導入したのです。日本のツタヤでも行っているサービスですね。
わざわざ返却のためだけに来店しなくてもよいとしたのですが、自宅で寝そべってパソコンをいじりクリックするだけで映画やドラマが気軽に見られてしまう時代の流れには敵いませんでした。
また、せっかくわざわざ出向いたのに自分が見たい映画のビデオがまたもやない・・・なんてガッカリを経験している人ならば「ブロックマスターだけは倒産を覆されてもなあ」と思えるのではないでしょうか?
余談ですが、もしネット配信もされないような世界各地映画のDVDを揃えれば、「他店とは違って、ここはイタリア映画作品がたくさんある!」となどと感謝されることでしょう。
問題は・・・ヨーロッパ、南米、アジアなどのマイナーな映画好きは、そんなにいないということですが。
ちなみにブロックバスターと共に消えたものは、公衆電話と言っていいかもしれませんね。
原始家族フリントストーンもサプリ!?・・・子どもマルチビタミン
原始家族フリントストーン(Flintstones Vitamins)子どもマルチビタミン。鉄、ビタミンB6、ビタミンB12、チアミン、リボフラビン、ナイアシンなどの子ども用ビタミン剤です。
朝食をとった後、このマルチビタミンを飲むようにと親に言い渡されることはごく普通のことでした。
錠剤によって色や味が異なっており、中には甘くておいしいものもありました。宝石のように見えるので、飲み込まないでキープしておく子どもたちもいたものです。
いまだに売られていますが、80、90年代の子どもたちの間では本当に非常によく知られて、大人気でした。マルチビタミンを見ると1箱7800円で手に入るようです。(アメリカで購入すると10ドル以下のようです)この日本値段の価値はあるのかはてさて・・・。
人気シリーズの絵本作家・・・マーサ・メイヤー氏
1987年に発売された「おしいれおばけ」(今江 祥智/翻訳 偕成社)の絵本を覚えていませんか?夜、暗闇の恐怖を払拭させてくれる、素晴らしい絵本です。
「おしいれおばけ」の原作者のマーサ・メイヤー氏の絵本は、アメリカの図書館には必ず置いてありました。本当にとてもとても人気でした。
現在「おしいれおばけ」はamazon.comにて2498円~(中古)購入できる模様です。(※値段は変動する可能性あり)
移動式アイスクリーム屋を追いかけろ!?・・・ディッキ―ディーアイス
Dickie Dee Ice Creamは1959年から2002年まで存在したカナダのアイスクリーム会社です。人気ピーク時には1500人ものアイスクリームマンを雇い、自転車やカートバイクでカナダ・アメリカの各地を走らせ、アイスクリームを子どもたちに販売していました。
ベルをチャリンチャリン鳴らして現れ、バイクを止めると子どもたちが一斉に駆け寄ってくる・・・夏の風物詩でした。
今現在のアイスクリーム屋とは“温度”が違います。今のアイスクリームバイクはなんだかかっこよくお洒落です。
しかし当時とは違い何かが異なるため、現在ではアイスクリーム屋が街中にやってきても、目を輝かして本気で走ってくる子どもたちがいるのでしょうか・・・。
この当時に実際に使用されたディッキ―ディーアイスバイクのトレーダーはcanadianlisted.com/のサイトでは、中古で1800ドル(約18万2000円)で売られています。引退した元アイスクリーム屋さんが使用していたものなのでしょうか。
ところでディッキ―ディーアイスは2002年に終了したものの、その後も別の会社が同様のアイスクリームマンたちをカナダとアメリカ全土に派遣させています。ノスタルジーたっぷりの風景はいまだに残っているのです。
思い出の詰まった懐かしい品々・・・ノスタルジーはお金で買える?
さあ、いかがでしょう?この中で懐かしいものはありましたか?アラサーではなく、もっと若くても、更に上の年代の方でも、思い出のあるアイテムが今回ご紹介の中でいろいろあったことでしょう。
おじいちゃんおばあちゃん世代には図書貸し出しカード、40歳過ぎの大人にもMSNメッセンジャーなどは、はっとさせられるものではないでしょうか。
たまごっち、ペン、絵本あたりなら、ネットオークションやアマゾンで探せば、当時のものがすぐに出てきます。
しかし同じものを手にしても、あの頃とは何かが違うかもしれません。SNSでアップされた、こういうレトロアイテムを眺めているだけのほうが意外ときらきらした気持ちは失われないのかもしれませんね。
ネットに寄せられたコメントのいくつかを見てみましょう。
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(たまごっち)
もし自分に子どもがいるとして、その子たちが犬猫を欲しがったら、絶対にたまごっちを渡すわね。25日間ちゃんとたまごっちの世話をできるかどうか、宿題を課すわ。
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(たまごっち)
ああ懐かしい!これが流行ったのは、あたしが4歳の時!姉と一緒になって夢中になったなあ。
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(たまごっち)
あたしは今12歳だけど、たまごっちを持っているわ。
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(スパイスガールズのバブルガムステッカー)
集めたなあ。それでもってスパイスガールズのCDケースにぺたぺた貼っていったなあ。
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(スパイスガールズのバブルガムステッカー)
箱も可愛かったわね。
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(スパイスガールズのバブルガムステッカー)
これをみると自分が12歳だった時を思い出すなあ。
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(MSNメッセンジャー)
懐かしいなあ。あの音が恋しいよ。
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(MSNメッセンジャー)
わたしの子ども時代の思い出。ああいろいろ懐かしい!
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(MSNメッセンジャー)
スカイプのチャットのやりとりより使いやすかった。
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(ハッピーミール版ファービー)
4つ持っていたな。
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(ハッピーミール版ファービー)
ピンクのが欲しかったけど、なかなか当たらなかったなあ・・・。
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↑(ハッピーミール版ファービー)
ピンクはいくつかあるわよ。あたしはブルーのが欲しいの。交換する?
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(ポパイのキャンディーシガレットキャンディ)
メキシコには、たばこの形をしたキャンディはまだあるはずだよ。
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(ポパイのキャンディーシガレットキャンディ)
ほうれん草味がしたら最高だったな!
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(ポパイのキャンディーシガレットキャンディ)
90年代の子どもだけではなく、80年代の子どもにとっても思い出深いキャンディだよ。
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日記帳やプリクラシールノート、VHSテープなんかも90年代の思い出だわ。
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90年代の子ども向けアイテムはとてもクールだったよなあ。
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インスタグラムもそのうち懐かしの子どもアイテムになるのかしらね。
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CDプレーヤーは古いものになってしまうなんて、当時はまったく予想していなかったわ。
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(原始家族フリントストーン子どもマルチビタミン)
ああ、ぼくの爺さんから聞いたことがあるよ。
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(原始家族フリントストーン子どもマルチビタミン)
あまり美味しくなかった記憶があるなあ。
【参考URL】http://www.therichest.com/expensive-lifestyle/lifestyle/13-throwbacks-that-will-make-all-90s-kids-nostalgic/
https://en.wikipedia.org/wiki/Dickie_Dee
https://www.youtube.com/watch?v=NTCcrXf2buQ
https://www.youtube.com/watch?v=UajriGwWxpI
https://www.youtube.com/watch?v=a_hGqF_GNV4
https://www.youtube.com/watch?v=ojLKYAH-Im0
https://www.youtube.com/watch?v=q65REKiSVkA
https://www.youtube.com/watch?v=vMxGMm4qN9g
ヒュー懐かしい!90年代はこれからどんどん新しいものを作っていこう!っていう活気があったからサプライズも多かったね。
外国もんはミュータント忍者タートルズのアクションフィギュアくらいかな
亀の状態から変形させるやつ
>文房具屋で好みの日記帳やカラーペン、ステッカーを選ぶのにわくわくしていませんでしたか
大人になった今でも同じことしてる・・
メッセンジャーは10年前ネトゲやりながら
使っていたな~
90年代だと、中古に出回ってるのか付加価値が付いてるのは少ないね
90年台のMTVやカウントダウンを見るとあの頃はよかったと感激してしまう