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病気に苦しみ薬代にも苦しむ患者たち…アメリカでもっともお金のかかる薬5つ

2015/10/26
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アメリカ国内における、処方薬の値段高騰がとんでもないことになっています。

全体的な医療費の高騰はここ十年、いくらか穏やかになってはいるものの、中産階級の家庭の家計を圧迫しているくらいの金額であることは間違いありません。

経済協力開発機構(OECD)の調べによると、2013年度におけるアメリカ国民一人あたりの医療費出費金額は1,000ドル近くにもなったとのことです。

この数字は二番目に医療費が高額なことで知られるカナダよりも、40%も大きな金額になっています。ECDの国々の平均医療費の約2倍もの桁です。

アメリカの薬はなぜ高いのか?

アメリカは他の国々に比べて、競合のジュネリック医薬品に対する創薬を守るための法的コストがとても高くつきます。

その他の主な要因は、研究開発費、高いマーケティングコストを回収する必要性を含むこと、そして保険会社です。

またその特化性を強調し薬の価格をあげさせるために、いくつかの製薬会社は希少疾患の薬の開発と販売に力を注いでいます。

5桁、6桁の数字が並ぶ金額の医薬品売上が実際の成果を上げてしまった(簡単にいえばバカ高い金額を付けた医薬品も上々の売上成果を見せてしまった)ことも忘れてはなりません。

よって非常に簡単に述べるのならば、これらの事情があるため、アメリカでは医薬品の金額が高くついてしまいます。(もっとも実際にはもっと複雑な事情が絡み合っているのですが、ここではもっとも高額な薬を紹介する記事なので、詳細は省略します。)

ではアメリカの薬がどれだけ高いのか、有名な高額医薬品ベスト・・・失敬、ワースト5を見ていきましょう。

5位:多発性硬化症(MS)治療薬 ― Acthar Gel

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患者一人あたりの年間コスト ― $205,681 (約2555万円)

多発性硬化症(MS)とは脳や視神経、脊髄等に病巣ができてしまう、未だに正確な原因が解明されていない病気です。

その多発性硬化症(MS)の救世主ともいえるのは、治療薬「アクサ―(Acthar Gel)」

アクサーの成分は脳下垂体腺から分泌される副腎皮質ホルモンですが、これが多発性硬化症(MS)、急性腎不全、幼児のてんかんに有効である、とみられています。

通常は多発性硬化症の患者にまずステロイドが投与されますが、その効果を見られない場合、アクサーが投与されるのです。

十年前に食品医薬品局(FDA)により認可されて以降、この15年もしないうちの急激な値上げが激しいことが問題です。

2001年にバイオ医薬品のクエストコア・ファーマシューティカルズQCOR.Oがサノフィ株式会社からアクサーのフランチャイズを買収した時、この薬は1バイアル当たり40ドルでした。

それが2007年になる前までに42,000ドルにも値段が跳ね上がりました!
価格のこの劇的な上昇を考慮すると、我々はその価格への規制調査がなされていない、と見なすべきかもしれません。

2014年には米専門医薬品メーカー、マリンクロットがクエストコア・ファーマシューティカルズQCOR.Oを約56億ドルで買収。これにより、マリンクロットはクエストコアの代表的治療薬アクサーをも手中におさめました。

その後、アクサーのありえないほどの料金値上げが問題になっているものの、マリンクロットはこの多発性硬化症薬から巨大な利益を享受し続けています。

アクサーの売上高は、2018年までに約19億ドルに達する見通しです。

遺伝性血管性浮腫(HAE)の急性発作の治療薬 ― Cinryze

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患者一人あたりの年間コスト ― $230,826(約2867万円)

遺伝性血管性浮腫(HAE)とは、簡単に言えば突然皮膚が膨れ上がってしまう病気です。10代、20代に多く、喉などが突然腫れてしまうと呼吸困難に陥り、大変なことになってしまいます。

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2013年度には、このHAEの治療薬のCinryzeは前年同期比37%増加。なんと1299億ドルもの売り上げを達成しました。

この薬を必要とする多くの患者が、米国における大幅な価格上昇の薬を服用してくれたおかげです。

3位:嚢胞性線維症(CF)の治療薬 ― Kalydeco

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患者一人あたりの年間コスト ―$299,592(約3720 万円)

これは嚢胞性線維症膜貫通調節因子(CFTR)遺伝子におけるG551D変異のある6歳 以上の嚢胞性線維症(CF)患者に対する治療薬です。

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膵嚢胞線維症(嚢胞性線維症)は、消化器や呼吸器における塩化物イオン(Cl-)の分泌が遺伝的にうまくいかないために、生まれて間もない時からこれらの臓器の働きが悪くなる病気です。

米国における約30,000人も患者がこの治療に熱心に取り組んでいます。

しかしそこに、その症状の対処だけではなく、嚢胞性線維症の根本的な原因に対処するファーストインクラスの治療を組み合わせられたとしたら、CF患者が得られるものは一体何になるでしょうか。

答えは約$300,000もの高い金額です!

Kalydecoは明らかに高額です。しかしそれ以前までの治療法よりも上を行ったものであり、以前の治療法より成果を出しているという結果が、この値段の正当性を訴える理由になっています。

2位:ムコ多糖症VI型治療薬 ― Naglazyme

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患者一人あたりの年間コスト ― $485,747(約6030万円)

ムコ多糖症VI型は、酵素の欠如によって起こる遺伝性疾患です。このムコ多糖症VI型治療薬「Naglazyme」は、米国バイオマリン社から国内での開発・販売権を取得した医薬品であり、世界で初めて適応承認を受けた酵素補充治療剤です。

EvaluatePharmaからのデータによると、2013年には米国ではわずか64人は昨年Naglazymeを処方されました。患者一人あたり年間約50万ドル近くもお金がかかりますが、ムコ多糖症 IVA型*1の治療薬Vimizim も年間38万ドルのコストがかかります。

1位:発作性夜間ヘモグロビン尿症治療薬―Soliris

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患者一人あたりの年間コスト ― $536,629(約6666万円)

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)における溶血抑制、という効能で知られる発作性夜間ヘモグロビン尿症治療薬のエクリズマブ(商品名:ソリリス)。

PNHは、造血細胞の後天的遺伝子変異により、補体による血管内溶血が起こる希少血液疾患です。

この症状としては、ヘモグロビン尿、貧血による全身倦怠感、動悸、息切れなどが生じる。20~60歳代まで満遍なく発症し、男女比はほぼ1:1である。1998年の調査では、わが国の有病者数は430人と推定されている。

ソリリスの薬はまた非定型溶血性尿毒症症候群、腎不全につながる希少慢性血液疾患を治療するためにも承認されています。

2007年にPNH治療薬として承認された時、これはアメリカで最初の阻害剤となりました。

そしてソリリスはPNHに苦しむ患者たちに長期間に渡り投与されるようになりました。これはビジネスの観点から見ると、PHN患者たちから10年以上にも渡り、毎年一人あたり50万ドル以上の利益を得る、ということにもなります。

画期的な薬ですが、この高額料金に苦しむ患者たちも中には大勢います。

症状と薬代の二重の苦しみ

薬価が高騰したのには、より多くの製薬会社がより高い利益率、高価格の薬に焦点を当てたという見方もあります。

保険会社、薬局や給付管理者、製薬会社との間のもめ事にも一任はあるかもしれません。無論、新薬開発には莫大なお金がかかるのは間違いありません。

しかし、普通に考えて難病と闘い苦しんでいる患者に、必要と思われる以上の金額…中産階級にとって手が出ないような金額の薬がこうも堂々と世に出回り、これが普通の状況となってしまっているのは何かが間違っているように感じるのではないでしょうか。

画期的な薬の作用により症状の苦しみから解放はされても、経済的負担で苦しむことになる…これに釈然としないアメリカ人たちは大勢おり、ネット上に彼らのコメントが数多く寄せられています。

この記事の海外に対する反応

ぼったくり金額の薬を買わなきゃいいわけなんだけど、拒否すると自分の命の危機にさらされる・・・酷い話だ。

カスタマーが誰かということを分かっているのか?治療を必要としている大変な状況の患者たちが利用者だということを分かっていて、こういう高額料金設定をしているのだろうか?

↑ 患者はカスタマーじゃないんだろう。患者は最大の利益をもたらす道具の一つにしかないんだろうな。

アメリカの医療システムそのものが壊滅的だ。

結局アメリカって「利益はいくらなんだ」しか頭にない国なんだよ。

郊外の豪邸に暮らすリッチな白人のアメリカ人たちが支払えればそれでいい、上流階級だけが病気を治療できれば十分だ、という考えがこの国の社会にはある。

カスタマーは患者ではなくて、ウォール街なんだろう。

米国は規制価格決定に一般の人々が口出しする権利を持っていない、世界で唯一の国よ。この国では価格決定をすることができるのは、企業と保険会社だけなの。

医療制度革命が必要だ!

ジュネリック医薬品はアメリカよりカナダの方が高いよね。カナダも色々問題ありだね。

薬の開発には巨大なお金と時間がかかる。それでも薬を安く売れ、というならどうぞご勝手に!

ノルウェーでは医薬品にも国民の税金50%が使われている。その見返りとして、ノルウェーの国民は無料で医療診断を受けられ薬も貰える。

アメリカでも国民の税金がこういうものに使われているが、その恩恵がない。

アメリカでは製薬業界はビジネスになっているからね・・・

薬もさ、広告宣伝費に費用をすごい使われているからさ、こういった広告を一切なくしたら薬販売価格も下げられるんじゃないかな。

↑ 広告費なんて関係ない。単純に利益を上乗せしすぎなんだ。患者に薬を提供するのを完全に「マーケット」としかとらえていないんだ。

「利益」を多くとるのはある程度仕方あるまい。ビジネスはビジネスなんだし、その利益が次の新薬開発に使われるんだから。

↑ しかしビジネスには「モラル」も必要だ。決して利益を乗せすぎることは美徳ではないよ。

そもそも薬を開発して創りだしているのはどういう人々なんだ?彼らはいくらの収入をもらってどんな生活を送っているんだ?

↑もちろんだよ。高額な健康保険と空気の綺麗な場所も手に入れることができる。おまけに年5回ほどの休暇付き。不幸な訳がない。

アメリカの製薬業界はヨーロッパ、カナダ、日本、中国に比べてドス黒いとよく噂されているよな。

アメリカでは「ヘルスケア」といえばまず「利益」が優先されているよね・・・。

【参考URL】http://news.nationalpost.com/health/worlds-most-expensive-drug-prescription-that-costs-up-to-700000-per-year-too-expensive-canada-says
http://www.npr.org/sections/health-shots/2015/03/19/393856788/why-is-u-s-insulin-so-expensive

おたか~い!アメリカの医療制度は日本と違い過ぎてビクビクだよ。確かに重病を患ってる人からお金をふんだくるのは申し訳ないけど、開発費とかからみてしょうがない部分もあるからまた悲しい。

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この記事に対するコメント
  1. 日本の名無しさん より:

    金豚は生きよ、痩せ狼はしね!か・・・
    酷い話だ、スクルージしかいないのか?、せめてジェネリックだけでも安くしてほしい

    そういえば、エイズ治療薬を13.5ドル→750ドルにした屑の話、別の会社が1ドルで同じ効果の薬を出そうとしているらしい
    金と権力で潰されなければいいけどね

  2. 日本の名無しさん より:

    日本もTPPでどうなることやら

  3. 日本の名無しさん より:

    正しい資本主義国家w

  4. 日本の名無しさん より:

    ※1
    インドは薬事法ユルユルのグダグダですからw
    アメの医療制度って国民皆保険じゃないし、会社で保険に入るけどホームドクター制がねぇ。
    他所から来た人達に厳しいよ~。
    診察は○日後ならオッケーです。とか普通に言われるし。今、具合悪いんだよ!アホか!と何回か思ったわ。

  5. 日本の名無しさん より:

    ドラッグストアで売ってるジェネリックは日本よりはるかに安い
    消炎鎮痛剤、睡眠薬はアメリカで買っておこう
    インド、パキスタンは要処方箋の類も店頭で購入可能、ばら売りもOK
    というか、よい医者はみんな海外行っちゃう事情もあるが…
    シートに○○ルピー以上で売ってはいけない、と印刷されてるから
    ぼったくられる心配もない

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