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71日間の逃亡・・・シリア脱出に掛かったお金とその日々

2015/08/07
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歴史は完結した物語では無い。今も続いている物語だ。

なんていう台詞を、誰かが言っていたのをフと思い出しました。私がこの言葉を肌で感じて理解出来る様になったのは最近の事です。

もちろん以前から意味は当然分かっていましたが、生活を海外に移し、移民者として色んな国の人達と触れ合った事がきっかけで、その意味の重みを初めて知ったと言えば分かりやすいでしょうか。

いま私は留学中で語学学校に滞在してます。そしてそこで色んな人を知り合う事になりますが、そこでボスニアから来た青年と仲良くなりました。

恥ずかしながらそんなにその国の事を知りませんでした。ユーゴスラビアだった国、20年前くらいに紛争があった、程度の知識でした。

仲良くなった事がきっかけで調べていきますが、彼は私より年下なのにも関わらず戦争、戦後の話をしてくれました。(ふつう戦争の話は年寄りから聞くものなのに、です)

戦争が70年間無い日本に生まれたから、戦争や紛争は遠い海の向こうの話でしたが、彼と知り合った事で初めて、近くで起きている出来事の様に感じる事が出来ました。

そして戦後、日本はそれまでの歩みから一変するように平和な70年間を歩んできましたが、世界の多くの国が連なったような混乱した時代を歩んで来た事も知りました。

自分より若い年齢の人が、戦争の当事者という事実を知ると、これからも歴史の積み重ねの激しさは収まる事は無いのだろうか?と思ってしまいます。

アラブの地域ではこの数年で始まった紛争、戦争は過激さを一層増して来ています。当然そこにも子供や若者が犠牲になっていますし、将来の可能性を賭けて命がけで亡命して来る人は絶えません。過激な国の一つ、シリアでもそうです。

争いが止まないシリア

アラブの春の出来事から始まったシリア内戦。2011年に表面化したアサド大統領率いる政府軍と、反政府組織の争いはデモをきっかけに拡大。国連も仲裁にはいる大きな内戦となりました。

それから数年が経過して事態はさらに複雑化します。反勢力組織も細分化、派閥争いが発生。加えて同じ母体から派生し、仲間である反政府組織にすら攻撃を試みる過激組織も現れ、さらにイスラム国の関与も始まりました。

そこでは子供や若者が戦争の被害に遭っていて、命がけで隣国に家族ごと難民としてやって来る人達も多いのです。

命がけの難民

難民というと、手続きさえすればあとは機関が保護してくれると想像しがちですが、多くの人達は自力で危険地帯を脱出し、隣国などに入る必要があります。

アダムもそんな人達の一人。26歳である彼は、シリアからオーストリアへ亡命をしました。そのきっかけは2012年の秋にロケットが近所の家を破壊した様子を目の当たりしたとき、自分の将来はこの国には無い事を悟ったからだと言います。

それから彼の長い旅は始まります。2013年の春に一度、唯一旅行ビザが発行する事が認められたマレーシアへの滞在を試みましたが、違法の移民者として刑務所に送られました。

1年後の2014年にシリアに退去させられましたが、その一週間後には彼はヨーロッパへ出発を果たしました。

敵か味方か?人身売買のエージェント

多くの国の難民は、人身売買として人権団体から非難を浴びている非合法の難民のエージェントを利用します。アダムにとっては、エージェントはもはやヒーローの様に見えました。そこで彼はエージェントから幾つか、オトクなプランを紹介されます。

  • 15000~20000ユーロ掛かる、一番高額なプラン…偽造ビザとヨーロッパ行きの航空チケットに支払われる。命の危険が無く安全に脱出できるプラン。
  • 920~2300ユーロ掛かるプラン…アフリカ大陸で地中海に面する国のリビアから、海を渡ってイタリア半島に進むプラン。

 
facebookで募集されていたこのプランは、大勢の人をおんぼろの船に乗せて航海するという、一番水難事故が高い方法であり、地中海で沈没事故が多数発生しています。

本来は920ユーロだが、シリアからの人間はリビアまでの移動費に1400ユーロを払わなければいけなません。

  • 1200~2200ユーロ掛かるプラン…トルコの海岸からギリシャの島に渡るプラン。

 
航海時間は短いので少しだけ安全です。国境通過の為に270ユーロ、ギリシャから他のヨーロッパ国への移動に800ユーロ。ギリシャからアルバニア、ウルグアイを超えてオーストリア、ドイツ、スウェーデンと移動は続きます。

希望の目的地が離れれば離れる程金額が加算される仕組みです。

彼は3つ目のプランを選び、ダマスカスから目的地のウィーンまで71日かかりました。彼が亡命に使用した総額は3000ユーロ(約40万円くらい)で、必要なお金は道中の区間毎に両親から振り込まれる様になっていました。

道中の悲劇

道中では仲間の裏切りでお金を巻き上げられたりと大変な目にあったそうですが、一番堪えたのは、ボートでの移動の時だそうです。

全員がボートに乗り込み、出発。船長が船の進む方向を説明し、ある程度岸から船が離れたら、船長は水に飛び込んだのです。

そのまま船長は乗組員を見捨てて、泳いで出航したもとの港に逃げて行ったのでした。乗員達で船の操縦を試み、海や風による転覆の危機を回避しながらギリシャの島にたどり着く事が出来たそうです。

そして彼はいまウィーンで生活を行っています。ここでの生活は快適だそうで、唯一辛いのは、役所で手続き等を行う時だと言います。

彼はドイツ語は話せませんが、英語は話せます。役所では英語で説明をするのですが、そこの人間は英語を話せるのにも関わらず、彼の前で英語が出来ない振りをし、対応を拒絶する嫌がらせをうけるといいます。

しかし、それでもシリアでの生活に比べたら安全だと語っていました。

難民として保護されるまでここまでの行程が必要とは思いませんでした。国を離れてからの方が命の危険が大きいのかも知れません。

ちなみにこの話は、ドイツのニュースサイトで紹介されていたもの。ニュースにコメントが書き込まれていたのでこちらも紹介したいと思います。

この記事の海外に対する反応

もちろん彼は、このエージェントに感謝しているだろう。

故郷を離れるという事は、戦闘の参加をしないという事。となると家族を残すしか無かったのか・・・。

ここら辺の一番最初の安全な国はオーストリアしか無かったのだろう。

彼の行動は純粋な経済的思考に基づいていると思う。

なぜこういう人は、世界中じゃなくヨーロッパだけに行き着くんだ?

私は勿論難民に同情するが、ヨーロッパは夢の国という訳では無い事も知ってもらいたい。

ボートでの海難事故の多発はこうやって人が集まって来るからだ。

彼は何処からお金を手に入れたのか?

シリアだけじゃなく、イラク、リビア・・・・などなど。いろんな国が問題を抱えている。

恐ろしい金額だ・・・。

どうして独占的に男ばっかり難民としてやって来るのだ?女性の方が良くないか?

道中のエピソードが悲惨すぎる。

家族からの送金という事は、この男は比較的裕福だった可能性がある。

↑ 難民全てが極貧の状態にあるとは限らないという事だな。

たった数年でこの地帯は大きく変わってしまった。

スンニ派の虐殺、そしてヨーロッパへの洪水のような亡命。不公平な世の中だ。

信じられないかも知れないが、シリアは比較的裕福な国だったんだ。さらに信じられないのは、今のシリアの状況だよ。

2011年からシリアでは21万人の人が戦争で亡くなっている。

ますます多くの難民がドイツをはじめとした色んなヨーロッパに集まって来る事を意味しているな。

加速する悲劇

コメントにもあった、シリアは昔比較的裕福な国だった・・・という書き込みを見て、もはやどんな国でどんな酷い事が起きても不思議な事では無いんだなという事を知りました。

悲劇が始まってから止めるのは非常に困難な事です。平和を訴えるのは、悲劇が始まる前にしか出来ないのかも知れません。

遠い海の向こうの話ではなく、いま私たちが抱えている問題としてこれらの話を読んで頂けたら幸いです。

【参考URL】http://www.spiegel.de/politik/ausland/syrien-ein-fluechtling-filmt-seine-reise-nach-europa-a-1030908.html

船長すげ~w送る方も必死だな。船酔いも水難事故も絶対いやだけど、偽造ビザも旅客チケットもあるプランで270万くらいか・・・う~ん

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この記事に対するコメント
  1. 日本の名無しさん より:

    しかし中国人イスラム教徒にとっては、自国にいるよりもシリアで戦う方がマシというくらい中国国内での弾圧が酷いらしい。

  2. 日本の名無しさん より:

    脱出したくなる気持ちも分かるが自分の国を捨てるのではなく自分の国を作り変えていってほしい。そして脱出したならばその先の国の言語と文化をしっかり覚えてその国に貢献する義務があると思う。

  3. 日本の名無しさん より:

    米2
    作り変えてるだろ
    戦争で
    買った人間が富を得られるのだから

  4. 日本の名無しさん より:

    シリアの最大の問題は唯一にして至高の制度、民主主義じゃ無かった事です
    民主主義ではない=悪なのです
    一国の大統領フセインが何故あんな最後迎えたのか?…それは民主主義じゃ無かったからなのです

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