新聞やニュースによくでてくるので、何となくわかった気になっているけど、人に説明するにはちょっと…という経済用語はありませんか。インターネットで調べればすぐにわかるけど「後で調べればいいや」と思っていると、案外忘れてしまうものですよね。
そんな用語を日常会話で自然に使って「あの人って実は頭いいんじゃ!?」と思わせるのに役に立ち、なおかつ投資に役立つ経済用語を5分でわかる大雑把さでご紹介していきます。今回は『FOMC』についてです。
FOMCって何のこと?
「日本時間○時に発表されたFOMC声明の影響で、日経平均は朝から全面安の展開が続いています。先ほど前日比○○円の下落で午前の取引を終えた模様です」
…耳にしたことがあるような、ないような架空のニュースです。「え!下落したの!?」なんて、うっかり株価チェックしないでくださいね。フィクションですから。ただし、FOMC声明が株価や為替に大きな影響を与えるのは本当のことです。さて、この「FOMC」って何のことでしょう?
FOMCとは『連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee)』の略称です。アメリカの中央銀行にあたるFRB『連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board)』が定期的に開催する、アメリカ国内の金融政策を決定する最高意思決定会合のことです。
日本の場合は日銀の金融政策決定会合、ユーロ圏の場合はECB理事会にあたるものです。会合メンバーはFRBの理事7名、地区ごとの連邦準備銀行総裁5人の計12人で構成されています。
FOMCの影響力
このFOMCは年に8回開催されます。『FOMC、日程』というキーワードで検索すると、年間の開催スケジュールを確認することができます。会合の最終日(日本時間午前2~4時頃)には、会合で決定したことが声明文として発表されます。
この声明文が市場関係者にとって想定内の場合、市場の値動きは限定的ですが、サプライズな内容が含まれている場合、市場の流れを一変させるような影響力をもっています。
市場関係者は、FOMC声明に関連した要人の発言に対しても注目しています。最近では、5月22日にFRBのバーナンキ議長が量的緩和政策(QE3)の規模縮小を示唆したことで市場の様相が一変し、急激な円高および株価の下落傾向が続いていることは記憶に新しいことでしょう。
安定して供給されていたお金が減る→市場に入ってくるお金も減る→株価が下がる→下がる前にいったん売却する、という流れが広がった模様です。
今後の人選による影響は
一番発言が注目されているといっても過言ではないのは、FRBのバーナンキ議長だと個人的には思っています。聞き覚えのある方も多いのではありませんか。日銀の白川前総裁、ECBのトリシェ前総裁とともに、リーマンショックから世界経済を導いた立役者さんですが、来年1月の任期満了時に退任が囁かれています。
日銀が黒田総裁になってから政策が変更されたように、バーナンキ議長の後任人事も市場に大きな影響を与えることになりそうですね。