キャップ女子?ギャップ女子?
最近テレビの情報番組で『キャップ女子』なる流行語を耳にしました。野球帽をファッションアイテムとして着用するスタイルが若い女性の間で流行していて、そのスタイルの女性を呼称している用語だそうです。
なるほど。時代もようやく筆者についてきたようですね。何を隠そう、流行になるずっと以前から『ギャップ女子』でしたから。・・・文字の違いに気が付きましたか?『キャップ』と『ギャップ』。一文字違うだけで全然意味が違うものになってしまいますね。
筆者は人前ではクールなのに実は甘えん坊とか、見た目はゲテモノ系なのに食べたら超美味しいとか、ギャップに弱い女なのです。いわゆる『ツンデレ』好きなんですね。今回はそんなギャップの話をご紹介したいと思います。
お客様は神様です
お客様は神様です。某有名人の方が言われたように、営業職の人間にとって、すべてのお客様は神様です。お客様あっての商売ですから、親切丁寧な対応と感謝の笑顔でお客様に接するように心がけておりました。
ただし、まだまだ営業のプロになりきれていないのか、心の中は常にカオスな状態でしたね。「この見た目で70代なんて考えられない!どう見ても50代にしか見えない!」「笑うと芸能人の○○に似てるかも」「その服にそのバックはちょっと微妙?」「声がシブくて色っぽい。今度電話して受話器越しに聞いてみよう・・・」等々。にっこり笑顔の下で、色々な妄想を膨らませている銀行員でした。
皆さんの周りにも同様の人種が潜んでいるかもしれません。金融機関に足を運ぶ時も、ファッションチェックの目が光ってますよ。気を抜かないようにご注意ください!
畑仕事スタイル!?
脱線してしまいました。『ギャップ』の話に戻します。
皆さんも金融機関の窓口を利用されたことはありますよね。頭の中でイメージしてください。カウンター前のソファー。たくさんの呼び出し待ちのお客様。お昼休み以外の時間帯は、比較的時間に余裕があるご高齢者の方やお子様連れの方の割合が多くなっています。
その中でひときわ目立つ姿のご老人が座られています。作業着。地下足袋。首からタオル・・・さっきまで畑仕事していました、という風貌です。
最初にその方をお見かけしたのは、入行してすぐの頃でした。そのインパクトのある風貌が記憶に残っていたので、後から古株の同僚に話したところ、驚くべき事実が判明しました。
その方は地元の大地主さんで、支店の大口顧客のお一人であるとのこと。かなりの資産をお持ちで、歴代の支店長が必ず定期的挨拶に伺っているとのこと。いつもは趣味の畑仕事をされていて、時々窓口まで野菜を届けに来て下さる気さくな方なのよ」との同僚の言葉。
あの個性的なスタイルに納得できたと同時に、自分が銀行員として(人として?)偏った見方でお客様を見ていたことに気付き、心を入れ直した出来事です。
人は見かけによらぬもの
筆者とお付き合いのあったお客様でも、ギャップをお持ちの奥様がいらっしゃいました。いつもジャージ、リュック、スニーカーの行動的な姿で窓口に立ち寄られます。「さっきスーパーのセールでお一人様1つ限りの卵と豆腐を買ったのよ~」意気揚々と戦利品を見せてくださる気さくな奥様は、筆者の勤めていた支店だけでも数千万の資産を預けられている方なのです。
他にもお付き合いのある金融機関は複数あり、中には電話一本で支店長が現金を届けてくれるようなVIP対応のところもあるとのこと。その総額を合わせると・・・まさに『人は見かけによらぬもの』とは真実だ、と実感した筆者なのでした。