「食べる・飲む・住む・着る」といった、暮らしの基盤となるものすべてにはお金がかかります。ですから、お金を稼ぐために毎日働くのはごく自然なことですが、お金の稼ぎ方もいろいろです。
お金稼ぎのために一生を捧げ亡くなっていく人。それとは対照的に、お金は本当の幸せをもたらさないと感じ、お金稼ぎはそこそこにしてその他の活動に打ち込む人。生活するのにお金は絶対必要とはいえ、お金に対する見方は人それぞれですよね。
私たちの生活と切っても切れない関係のお金ですが、そもそもお金っていつから使われるようになったのでしょうか?お金は昔から硬貨と紙幣だったのでしょうか?意外に知られていないお金の歴史、ここで詳細を見てみましょう。
お金はいつから存在していたのか
ご存じかとは思いますが、世界4大文明はエジプト・インド・中国・メソポタミアです。注目したいのは最古のメソポタミア文明なのですが、メソポタミア文明の主要都市であるバビロンでは、当時から「金融システム」が成り立ち、実施されていたことが証明されています。
例えば、西暦前2270年ごろには経済体制の基礎が据えられ、品物を仕入れる、投機、様々な物品を通貨として使うこと、また銀塊を特定の大きさに彫り、且つ認証印を付けて使っていたことが調査で分かっています。それだけでなく、現代と同じような金銭の貸し借りや預金システムなども実施されていたのです。
西暦前3000年以降、以上のように現代と遜色ない金融システムがバビロンで構築されており、それと同時にお金がもたらす特有の災難がはびこっていたことは事実です。とりわけ「不正な取引」が蔓延しており、バビロンの商人を軽蔑していた人が少なくないのも確かです。
お金の歴史は意外にも古く、そしてお金にまつわる不正はどの時代でも同じなのだということが分かりますね。
硬貨と紙幣だけではない、お金の形とは
お金の形は、実は多種多様なことをご存知でしたか?硬貨と紙幣だけではないのです。以下、お金の形に関する歴史を見てみましょう。
- 塩
- 金属
- 硬貨
- 紙幣
- 小切手
- プラスチック
塩がお金の形をとっていた時がありましたが、それはローマの兵士に配給されていた給料が「塩」だったのです。その後、配給が塩からお金に変わっていきました。
上述の通り、メソポタミア文明では銀が主に利用されていましたが、古代エジプトでは金と銀と銅が、中国の明王朝では銀と銅が用いられていたと言われています。
西暦前7世紀にアナトリアのリュディア人によって作られた硬貨が最古のものであると伝えられており、金と銀の天然合金で作られた硬貨で「琥珀金」とも呼ばれています。それから約100年後にはギリシャでも硬貨の製造が行なわれるようになりました。
お金が紙幣の形をして登場したのは、1024年の中国でした。商業活動が拡大し、それまでに利用されていた硬貨が足りなくなったため紙幣が製造されたと言われています。
銀行を通して支払いを行なうための有価証券である小切手。登場は比較的最近の17世紀、イギリスの銀行家が発案したことで有名です。この小切手による取引は現在でも幅広く利用されています。
プラスチックのお金って一体何?と思うかもしれませんが、これはクレジットカードのことです。クレジットカードは1920年代にアメリカで導入されたシステムで、便利さなどの利点により、すぐに世界中に広まりました。
お金はなぜ価値があるのか?
以上のように、お金の歴史はとても古く、取っていた形もいろいろあったわけですね。でも、どの時代にもお金に関する共通点があるのをご存知ですか?
お金とは、利用する人が「価値がある」と思うからお金として利用するわけで、価値がないと思えば「お金」という形にはならず、ただの紙切れに過ぎないのです。お金って不思議な品物だと思いませんか?
価値があるお金は誰もが欲しがり、価値がなくなれば捨て去られます。それを著しく表すのが為替相場と言えるでしょう。世界の経済動向だけでなく、私たち一人一人の生活と密接な関係にあるお金。お金の背後にあるものを深く意識していくと、お金の魅力と怖さを再認識できるでしょう。