ロナルド・パレルマンという人物をご存知でしょうか。
日本ではあまり知名度が高くないかもしれませんが、投資会社であるマクアンドリューズ&フォーブズ社の代表取締役として成功し、現在140億もの資産を保有しているアメリカの中でも屈指の大富豪です。
フォーブズ誌では「アメリカで最もリッチな人々」の特集には20位以内に常連ランクインしており、その地位を確固たるものにしています。
しかし、そんな成功したビジネスライフと裏腹に、とても厳しい父親のもとで培ったビジネスの基礎の下積み時代や、プライベートでは度重なる結婚・離婚も経験します。
ビジネス面では投資会社のマクアンドリューズ&フォーブズ社でどんどん新しいビジネスに投資し、成功しているパレルマン氏。彼の成功の秘訣を見ていきましょう。
パレルマン氏の生い立ち
パレルマン氏はノースカロライナのグリーンソボロという小さな町に1943年の1月1日に生を受けます。母親はロス・パレルマンで父親はレイモンド・パレルマン。ユダヤ系の家族として、厳しいしつけを受けながら育ちます。
パレルマン氏は成功したビジネスマンであった父からビジネスの基礎を学びました。
11歳の頃には父親の会社で働いていました。父親のレイモンド氏はとても厳しい上司で、11歳のパレルマン氏が犯すどんなに小さなミスでも許しませんでした。
高校卒業後、ハーバーフォード大学に進学し、その後ペンシルバニア大学のワートンスクールに進学します。父親の足跡をたどって、ビジネスを専攻し、1964年には学士号、1966年には修士号を取得します。
そしてその頃、ちょうど取得したばかりの知識をふんだんに活用して彼の父親のシート鉄鋼製造のビジネスを手伝い始めるのです。
パレルマン氏のキャリア
パレルマン氏の一番最初のビジネスキャリアは1961年、彼がまだ大学1年生の時に始まります。彼と、彼の父親共にビールの製造会社を売買し、約100万ドルもの利益を上げるのです。
そして、1978年には父親の経営しているベルモント社の重役として就任しますが、父親のビジネスを手伝いながら成功し始めた彼は、自分自身のビジネスを始めたいと思い始めたパレルマン氏は父親の会社を辞め、ニューヨークに移り住みます。
ニューヨーク行きの父親の反対を押し切って移住したパレルマン氏。その後、二人は六年間もの間ほとんど話をしなくなるのです。
ニューヨーク移住後、パレルマン氏はコーヘン・ハットフィールド社という宝石店に莫大な価値を見出し、1900万ドルで購入します。父親の影響を受け、この時も投資家の手助けなく、自分の資金で購入します。
そして一年もたたないうちに、利益率の高い宝石業界で1500万ドル以上の利益を生み出すのです。その後マクアンドリュー&フォーブズ社を買収し、これが彼に莫大な富をもたらすことになるのです。
宝石業で成功したパレルマン氏。次のターゲットは、投資会社として有名なマクアンドリューズ&フォーブズでした。
この会社はパレルマン氏の父親が十年前に買収しようとしていた会社だったのです。しかし、経営層や投資家たちは、すぐにパレルマン氏の購入意欲をはね返します。
しかし、会社のM&Aのシステムがしっかりとしておらず、結局パレルマン氏が勝つことになるのです。
その後パレルマン氏が完全に独占オーナーシップを持ち、重役兼CEOとして就任します。マクアンドリューズ&フォーブズは多くの、市場でも価値の高いほかの起業への投資をし始め、そのブランドと潜在的な成長を市場に示し始めます。
現在、マクアンドリューズ&フォーブズが保有している株はコスメ、エンターテイメントからバイオテクノロジー、軍関連用品などまで幅広く展開しており、レブロン、SIGAテクノロジー、トランステックファーマなど市場で活躍している会社ばかりです。
パレルマン氏の素顔
パレルマン氏は五回の結婚と四回の離婚を経験しています。1965年にスターリング銀行の重役であるフェイス・ゴールディングと結婚しますが、1984年には24年の結婚生活に終止符を打ちます。
その後一年もたたない1985年にはゴシップ・コラムニストであるクラウディア・コーヘンと結婚し、9年間の結婚生活を送った後1994年に離婚。
その後1995年にはパトリシア。ダフと結婚し、一年後にはすぐに離婚してしまいます。
2000年から2006年には女優であるエレン・バーキンと結婚し、また離婚。その後はアナ・チャップマンと結婚し、現在はアナと幸せな結婚生活を送っています。
パレルマン氏の最初の妻であるフェイス・ゴールディングは不動産と銀行への投資で成功した女性で、パレルマン氏とのジョッシュ、スティーブン、ホープという三人の子供を設けています。
彼らの結婚は24年間と長く続きますが、フェイスがブルガリのブレスレットの請求書を見つけ、それでパレルマン氏の地元の花屋で働く女性との浮気を発見し、それが離婚へとつながります。それ以来、何度も結婚と離婚を繰り返しているのです。
パレルマン氏はユダヤ教を信仰しており、ユダヤ教はパレルマン氏の人生に大きく影響を与えてきました。彼は共和党・保守主義の家庭に育ち、彼の父親は保守派の活動に多額の寄付を行っていました。
パレルマン氏は、彼が八歳の時に家族で行ったイスラエル旅行で、ユダヤ教に目覚めたといいます。彼は現在ユダヤ教の安息日を厳格に実践しており、毎週土曜日には祈りを行い、ユダヤ教のグループや活動に多額の寄付を行っています。
慈善事業
そして多くの他の成功者達同様に、パレルマン氏はビジネスマンでありながらも慈善事業家でもあります。
彼の経営しているマクアンドリューズ&フォーブズ社ではUCLAと共同して女性がん県空プログラムを設立し、乳がんや子宮がんなどのための研究を行っています。
そのほかにもニューヨーク大学メディカルセンターへの寄付や、自身の母校であるペンシルバニア大学への寄付など医療分野への貢献や母校への寄付も積極的に行っています。
更にパレルマン氏はアートや教育にも関心を持ち、カーネギーホールやワールドトレードセンター・メモリアル、ニューヨーク大学やプリンストン大学、ゲッヘンハイム美術館などにも何百万もの寄付を行っているのです。
パレルマン氏はこれまでに581もの非営利団体に1600万円もの寄付を行っており、社会のために役立てています。2010年の8月にはゲイツ・バフェット誓約という、自分の収入の半分を寄付に回す誓約にサインし、多くの慈善基金への寄付を行っています。
また、社交的な性格を生かして、パレルマン氏は自身の寄付だけでなく、多くのチャリティのためのパーティーなども開催し、ジョン・ボン・ジョヴィやジェイミーフォックス、アリシアキーズ等の多くのセレブ達から募金を募っています。
まとめ
成功したビジネスマンでありながら、プライベートライフは父親との関係がうまくいかなかったり、結婚生活が長続きしなかったりと波乱万丈のパレルマン氏です。
しかし、彼のビジネスの成功の秘訣の一つは、厳しく、一つもミスを許さなかった父親のおかげでビジネスの基礎が構築できたことにあるのではないでしょうか。
大学生の頃に父親のビジネスを手伝い、巨額の利益を出すほど小さいころからビジネスセンスに長けていたパレルマン氏。
現在でもマクアンドリューズ&フォーブズ社での投資で様々な会社のプロジェクトを助けています。これからも、その強気な姿勢でどんどん色々な会社に投資し、景気を良くしていって欲しいですね!
【参考URL】http://en.wikipedia.org/wiki/Ronald_Perelman
http://www.bornrich.com/ronald-perelman.html