前払いして納めている所得税
サラリーマンなどの給与所得者は、所得税を源泉徴収という形で前払いしています。源泉徴収されている所得税は、1年間に支払われる予定の給与を前提として計算されます。
前もって、予想して徴収されているということです。実際に得た所得と照らし合わせて所得税の調整をおこなうのが年末調整です。先払いして納めているので、国にとっては徴収漏れの危険性がない制度なのです。
サラリーマンの所得控除
個人事業者などは、後払いで所得税を納めています。年度末に行われる確定申告で、年間の所得に応じた所得税を納めるのです。その際には、収入から必要経費を差し引いた金額を所得として申告します。サラリーマンなどの給与所得者の場合は、必要経費などの控除が認められていないので、不公平だと思った事はありませんか?
その必要経費にあたる控除が、給与所得者控除です。収入に応じて、必要と思われる経費を概算して控除する制度です。ちなみに、給与収入が180万円以下の場合は給与収入の40%。180万円を超え360万万円以下の場合は給与収入の30%+18万円が給与所得者控除額となります。
給与収入から給与所得控除額を差し引いた金額が給与所得となります。所得税は、この給与所得により税額が決まります。
年末調整で還付される所得税
年末になると、すでに前払いしていた所得税が年末調整によって改めて計算されます。実際に受け取った給与所得に対する所得税が決まるのです。
年末調整とは、所得税の調整を行う制度のことです。前払いで源泉徴収されている所得税には、扶養控除や医療費控除などは反映されてからです。本来は、課税の対象外になるべき所得を、改めて調整することで正しい所得税額を決めるということです。
サラリーマンと所得税
毎月の給与から天引きされている所得税は、会社が代わりに納税しています。所得税の調整も会社が行ってくれるので、サラリーマンなどの給与所得者は納税の意識が低いと言われています。税務署に行って毎回申告しているわけではないので、仕方のないことなのかもしれません。
確定申告の時期になると、事業者はその申告の手続きに忙しいようです。しかし、サラリーマンも同じ納税者です。自分がどのくらいの税金を納めているのか確認することも大切です。
年末に給与明細と一緒に渡される源泉徴収票には、年間の収入と所得、納めた税金などが詳しく記載されています。改めて見るてみると、納めた税金の額に驚いてしまうかもしれません。
国税の中の所得税
所得税は国の税金の中でもっとも大きな国税です。私たち国民が働いて得た収入を、所得税として納めることで国を支えているのです。その税金は、私たち国民のために使われている事を忘れてはならないのです。また、その税金を国民のために有効に利用してくれることを心から願いたいものです。
サラリーマンの所得税は不公平だ!