資産運用って何?
資産運用という言葉から何を連想しますか?退職金の運用だから若い自分には無関係?お金持ちのすることだから資産がなければ必要ない?
終身雇用制度の崩壊、年金制度の破綻、長引くデフレ。国の公的債務残高は平成25年度末に750兆円に上ると見込まれ、これまでの国家負担部分が自己負担へと変貌する可能性がないとは言えません。
元々筆者もお金には疎い人間でした。筆者が子供の頃はお金の話はタブーという風潮があったせいか、お金について何も知らない子供時代を過ごし、そのまま一般企業に就職しました。
社会人となって仕事は覚えても、年金や税金などお金の知識は全く知らないまま退職。妊娠・出産を経た段階で、ようやく自分の無知ぶりを自覚し、一念発起してファイナンシャルプランナーの資格を取得しました。その後は資格を生かし、金融機関でお仕事をさせていただくことができました。
一般に資産運用はリスクを取る「投資」だけに注目されていますが、安全性を重視して確実に貯める「貯蓄」も含まれているものです。これからの時代を賢く生きるためには、資産運用を考えて損をするということはありません。ご一緒に一歩踏み出してみませんか?
適合性の原則
アナタは資産運用に興味を持たれて、金融機関に来られたお客様であると仮定します。筆者はアナタにご挨拶をさせていただいた後、資産運用についてのアンケートと称して、以下の項目が書かれた用紙をお渡しし、お話しをお伺いしていきます。
②運用に関する知識の有無
③投資経験
④資産状況
⑤投資に対するお考え
⑥為替リスク
⑦運用期間
資産運用を始めるための第一歩。それは『投資スタイルをご自身で確認すること』であると筆者は考えています。
事実、証券会社や銀行など金融商品取扱業者がお客様に金融商品の投資勧誘を行う場合、『適合性の原則』を確認することが金融商品取引法の第40条に規定されています。『適合性』とは、上記でご紹介したアンケート内容を加味した上で、お客様に適した商品をご提案するということです。
たとえお客様が希望されても、初心者の方に合わない商品は販売を禁じられています。投資商品は千差万別であり、商品の難易度もリスクも雲泥の差があります。ある方にとってはベストの方法が、他の方にとってもベストであるとは限らないのです。
自分はどんなスタイル?
では、皆さんもご一緒に①から⑦について考えてみましょう。①⑦の補足説明は不要だと思いますので省略します。②③はこれまで経験のある投資商品の種類(国内株式、外国株式、国内公社債、外国債券、仕組債、外貨預金、投資信託、個人年金保険など)と経験年数についてとお考えください。
④は不動産を除く金融資産のことです。尚、投資資金に生活資金を含まないことは鉄則です。⑤は「A:元本の安全性を重視」「B:元本の安全性と収益のバランスを重視」「C:収益を重視」の中から、自分に当てはまるタイプを選んでください。⑥は為替が変動することで影響を受ける商品を選ぶか選ばないかを選択します。
たとえば、①20代②③投資経験なし④給料から毎月5万⑤C:収益を重視⑥為替リスクあり⑦10年間という方の場合、長い時間をかけて購入することでリスクを分散できるメリットがある株式累投投資やETF、積立の投資信託などをご紹介します。日中仕事をされている方の場合、平日夜間の取引が活発なFX等もおススメかもしれません。
あるいは、①60代②③投資経験なし④500万円⑤B:元本の安全性と収益のバランスを重視⑥為替リスクあり⑦5年間という方の場合、まとまったご資金を複数通貨、複数商品に分散投資することでリスク軽減が可能であることをお伝えします。その上で円定期、国内公社債、外国債券、投資信託などをバランスよく組み合わせることをご紹介します。
また、ご自身に万が一のことがあった場合、ご家族に資金を遺すことができる個人年金保険もおススメかもしれません。