悲しいことに、年金を当てにして老後を迎えることに困難を覚える日本の現状ですが、弱気になっていても何も解決しません。自分にできることがあるなら早急に対策を立てるのが先決です。
そして、年金対策は早ければ早いほど良いわけで、まだ20代だし老後のことを考えるのは早すぎる、という考えは避けるべきです。
では、年金を当てにできない今の時代、20代からできる老後の為の資産形成方法を一緒に考えてみましょう。
ステップ1:家計簿作成し家計のムダ削減
最初に行うのは家計簿作成とムダ削減なのですが、その目的は貯金と投資のために活用する余裕資金を生み出すことです。そのことを意識しながら、以下のステップでムダ削減に取り掛かりましょう。
初めに考えたいのは、今のあなたの収入と支出です。月ごとの収入と支出を事細かに書き出してみることにしましょう。そうすると見えてくるもの、それは「ムダ」です。実際に書き出さないと無駄遣いがたくさんあったことに気付かない場合があります。意外なほどに余計な出費が多かったことに気付くこともありますので、まずは家計簿作成から始めてみましょう。
そして、家計のムダ削減に取り掛かります。例えば、現在加入している生命保険、健康保険などを徹底的に洗い出してみましょう。加入中の生命保険に代わるお得で安い保険があるかもしれません。また、最近では「少額短期保険」というものもありますから、それを含めて保険の見直しを図りましょう。
現在の住まいは如何でしょうか?もし、賃貸住宅に住んでいるなら、家賃が安くなる方法はないでしょうか?引っ越し代をかけずに家賃の安い別の賃貸住宅に引っ越すことは可能でしょうか?トータルで「ムダ」を削減できる何らかの方法を探し出すことで、さらに余裕資金を生み出すことが可能になります。
ステップ2:余裕資金を貯蓄&定期預金
余裕資金をつくり出すことができましたら、それをどのように貯蓄&運用していくかが大きなポイントとなります。仮に、毎月3万円の資金を活用することができるとしましょう。それを貯蓄していくのか、それとも何らかの方法で資産運用していくべきなのかを考えていく必要があります。
- 貯金
- 定期預金
一例ですが、3万円を毎月貯蓄していくと、どのくらいの資産を生み出すことができるのか計算してみましょう。仮に、あなたの年齢が25歳、貯金期間35年とすると貯蓄額はいくらになるでしょうか?
「3万円×12か月×35年=1,260万円」
あなたが定年退職する頃に1,260万円の資産を形成することができる計算になります。1,260万円を多いとみるか少ないとみるかは人によって異なりますが、貯蓄だけならこの金額になるというのが一つの目安となります。
35年後まで絶対使わないと決めているなら、定期預金を活用して低リスクで運用する方が効率が良いでしょう。景気によって預金金利は変動しますし、預入金額によっても金利は異なりますので、35年後の資産がどのくらい増加するかは言い切れないのですが、普通預金にただただ預け入れるよりは間違いなく資産増加を期待できます。
また、定期預金は資産運用商品の中で一番と言って良いほどリスクが低い金融商品で、ほぼノーリスクで資産運用が可能になりますから、老後の為の資産形成で定期預金を活用しない理由はありませんね。
老後の為の資産となると、リスクが高い金融商品に手を出すわけにはいきませんから、基本的に「貯蓄」と「定期預金」で資産形成することがベースとなることを覚えておきましょう。
ステップ3:低リスク金融商品で更なる資産増加を狙う
毎月3万円を貯金していくと、10年後には貯金額が300万円となります。このまま貯金或いは定期預金で資産増加を狙う方法が一番手堅いのは言うまでもありませんが、もうちょっとだけリスクをとって資産倍増を狙いたいと考える方もいることでしょう。
そのような場合、300万円のうち自分が失っても大きな損失と感じない程度の金額を、ほんのちょっとリスクが高くなる資産運用商品に回すのも一つの手段です。ちょっとだけリスクが高くなる金融商品とは、どんな商品が該当するのでしょうか?
これはあくまでも独断ですが、日本国債やMMF(投資信託の一種)、日本株式の中でディフェンシブ株と言われる銘柄(不景気に強いと言われる株式)で資産運用をすることができます。
とりわけ前者2つの金融商品、日本国債やMMFは元本割れを起こしにくいと言われる金融商品で、高い確率で資産増加を期待できる商品となっています。ちなみに元本割れとは、運用した元の金額よりもマイナスになって運用資金が返ってくることです。100万円を運用して返ってきたのが80万円ならば、元本100万円よりマイナスですから、その状況を「元本割れ」と言います。
老後の為の資産形成が大前提ですから、元本割れは絶対避けたいところ。そうなると、元本割れしにくいと言われている金融商品での資産運用が必須となります。リスクとリターンは比例するのがセオリーですから、元本割れしにくい商品は大きなリターンは期待できませんが、堅実に資産増加を狙うには必須の商品となるでしょう。
老後の為の資産形成、さっそく始めよう!
以上の3ステップをふまえて老後の為の資産形成を行なうことができますが、資産形成の目的が老後の生活費、言い換えるなら年金の代わりとなるものを自分で形成しなければならないということですから、リスクはなるべく小さくしなければなりません。
手堅く且つ賢明な方法で老後の為に資産を形成する方法、さっそく実践してみて下さい。今の生活だけでなく将来のための糧となることは間違いありませんので、早い段階で資産形成を始めることに損はありませんよ。