太陽光発電システムを、自宅の屋根に設置する人が増えています。小さな子供がいる若い世帯なら、将来的なことを考えて設置するのもありなのかと思います。
しかし、子供が独立して夫婦だけの世帯の場合、長期のローンを組んでまで設置するのを躊躇する人が多いのも現実でしょう。一時は、太陽光発電について興味がありましたが、先のことを考えると結局のところ意味がないとあきらめていたのです。
しかし、この夏、実家に帰省してその考えが変わりました。田舎なのに、屋根には立派な太陽光発電システムが設置されていたのです。「太陽光発電をつけて売電したら、儲かるよ」なんて聞かされたのです。
設置には結構な費用が必要なのに、売電で儲かると言うのです。そこで、太陽光発電システムの設置費用と売電について改めて調べてみました。
太陽光発電システムの設置費用と補助金の関係
太陽光発電システムを導入する際の費用は、システム価格と工事費を合計した額が必要です。設置するパネルの数によって、システム価格は違ってきます。
一般的な価格として、1キロワットあたり41万円から50万円が現在の目安となっているようです。つまり、3.5キロワットの発電能力のあるシステムを導入する場合は、最大で175万円の費用が必要となるのです。
この費用には工事費も含まれています。目安となっているこの費用については、国の補助金と関連しているのをご存知でしょうか。
太陽光発電システムを導入する際には、国から補助金が支給されることになっています。この基準が、1キロワット当たり41万円以下、または1キロワットあたり50万以下であることに限定されているのです。(2013年度)
その金額以上に設置費用がかかった場合は、補助金の対象から除外されてしまいます。そのため、太陽光発電システムを販売するメーカーは、この点を考慮して費用を決めることになります。そうしないと、販売に大きな影響があるからです。
導入を検討する消費者は、もちろん補助金を受ることを前提するのは当然ですよね。この国の補助金交付制度は年々見直されているので、しっかりと確認しておくことが大切です。
一般的な設置費用はいくら?
一般的な住宅に太陽光発電システムを設置する場合は、3キロワットから5キロワットまでの発電能力を導入することになります。設置の費用の概算としては、太陽光電池モジュールと言われるパネルの数が20枚必要で、パネル代金は約140万前後となります。(3.5キロワットの場合)
他にも、パワーコンディショナーと言われる装置や発電モニター、リモコンやケーブル類、設置架代とその設置費用、太陽光モジュールの設置工事費、電気の配線工事費などを合わせると約132万円が必要となります。(業者による値引きも含む)
考えてみれば、普通車1台分位の費用が必要となるのです。大抵の場合、この費用を10年程のローンで支払うことになります。導入費用には国や自治体から補助金が支給されるので、さらに費用を抑えることができます。
ただし補助金制度には期限があり、将来的に存続するかどうかは不明ですので、早めに申し込みする必要があります。
月々のローンは売電で補えるのか
太陽光発電システムの費用を売電によって回収できる期間は、8年から10年かかるそうです。つまり、最短8年後にはプラスに転じることになるのです。
しかし、余剰の電力を売電できると言っても、自宅でも電力は必要です。自宅で使った電力を差し引いて、余った電力を買い取ってくれるシステムが余剰電力買取制です。
2013年度は、1キロワット当たり38円の買取価格となっています。太陽光が多くある夏季だと多く充電することができるので、売電収入が期待できます。また、節電に励むことで売電額はさらにプラスとなるため、節電対策としても注目されています。
10年のローンを組んで太陽光発システムを導入しても、月々の支払いは売電で補えてしまうかもしれません。費用を回収できる10年後まではプラスマイナスゼロでも、その後のことを考えると設置を検討してみてもいいのかもしれませんね。