缶コーヒーのCMに出ておられるこの紳士、皆さんご存知でしょうか?
「知っていますよ。宇宙人ジョーンズでしょう。」と答える方も多いと思います。もちろん、宇宙人では、ありません。アメリカの映画俳優の、トミー・リー・ジョーズです。
彼の無骨でまっすぐな雰囲気が、宇宙人ジョーンズのキャラクターとマッチしていて、見ていて、思わず笑ってしまいます。
このCMの「宇宙人ジョーンズの地球調査シリーズ」は、2006年の4月から始まり、2014年4月で9年目を迎える長寿シリーズCMです。
日本でも、すっかりお馴染みになっているトミー・リージョーンズについて、今回はお話しさせていただきます。
生い立ち
子供時代と家族
トミー・リージョーンズは、1946年9月15日にアメリカ、テキサス州、サン・サバで生まれます。父親は、クラウド・C・ジョーンズという名前で油田で働いていました。
母親の名前は、ルシール・マリー・ジョーンズと言います。彼女は婦人警官や、教師、美容室のオーナー等をしていました。トミー・リージョーンズの両親は、2回結婚し、2回離婚しています。
彼の父親は暴力をふるう人だったので、彼はとてもつらい思春期を過ごしたそうです。父親は自分のために尽くしてくれるような人物ではなかったと後に語っています。
そういうつらい境遇の中彼は、悲しみに打ちひしがれるのではなく、自分の人生をより良くしようと努力していました。
学業もスポーツも極めて優秀
トミー・リーは、学業に優れ、フットボール選手としても素晴らしい実力の持ち主でした。
高校を卒業後、家計を助けるために油田で働いていたり、建設現場で働いたりしていました。また、奨学金を得ようと勉強にも励んでいました。
えらいですね。自分の人生は自分で切り開いていくものだと、彼はそれを実行に移していったのです。
思いがけず、フットボールの素質が認められ、ハーバード大学の奨学金を手にします。本当に優秀だったんですね。
彼は、大学で英語とアメリカ文学を専攻します。学生時代のルームメイトには、当時、テネシー州の上院議員だったアルバート・ゴアの息子であり、後に上院議員や、副大統領になるアル・ゴアがいました。
また、フットボールチームでは、攻撃的ガードとして活躍しました。アイビー・リーグの選抜メンバーに選ばれた経験もあります。ちょっとすごすぎません?
学業優秀と言うだけではなく、スポーツの分野でもこれほどの華々しい活躍をしています。スポーツも学業もずば抜けている人って、なかなかいないですよね。
さらに演劇を愛し、学生時代たくさんの演劇に出演しています。シェイクスピアのコリオレイナスでは、主役を演じたこともあります。様々な分野で活躍したトミー・リーは、ハーバード大学を1969年に優等生のランクで卒業します。
一人前の役者になることを目指して
ニューヨークへ
大学を卒業後、彼は、役者になることを目指してニューヨークへ引っ越します。ニューヨークヘ引っ越して10日後、ブロード・ウェイの「A Patriot for me」で、デビューします。
この時、トミー・リーはアメリカの権威ある劇場で、出演することがいかに困難なことかを思い知ります。
間もなく彼は、オフ・ブロードウェイでたくさんの作品に出演します。しかし、彼の演技に対して批判されたり、時には演技を否定されたりしていました。役者への道は険しい物でした。しかし彼はあくまで役者であることにこだわり続けました。
例え、それが困難な道であろうと、反対に容易なことであっても演じることは、いつも楽しい。と彼は感じていました。心からこの仕事に惚れていたんでしょうね。そうじゃないと簡単にあきらめるところです。
映画デビューおよび、1980年代までの活動
1970年、彼は「ある愛の歌」で、映画に初出演します。主役のオリバー(ライアン・オニール)のルームメイトのハンクを演じます。映画そのものはヒットしましたが、トミー・リー自体はあまり注目されませんでした。
1971年から1975年まで、彼はABCテレビの昼ドラ「ワン・ライフ・トゥ・リヴ」に、医師マーク・トーランド役として出演します。当時、ブロードウェイでの出番がだんだんと少なくなっていったので、彼は1975年にハリウッドに引っ越してきます。
彼はすぐに人気テレビシリーズの「チャーリーズ・エンジェル」に、しかも重要な役どころで出演します。また、映画では、1976年の「Jackson County Jail 」や、1977年の「ローリング・サンダー」等に出演していきます。
1980年代に入り、彼の演技は注目を浴びるようになってきました。1983年のテレビドラマ「The Execution’s Song」に出演してエミー賞、主演男優賞を受賞します。また、1989年には「Lonesome Dove」に出演して、エミー賞にノミネートされました。
ブレイク
逃亡者
1993年映画「逃亡者」に出演します。この映画は、ハリソンフォード演じる主人公リチャード・キンブルが妻殺しの無実の罪で、逮捕されますが、脱獄し真犯人を捕まえるというストーリーです。
トミー・リーは、キンブルを捕まえようと追跡する刑事、サミュエル・ジェラードを演じます。
ジェラード刑事は、キンブルを追跡していくうちに、彼が本当は無実ではないかと思うようになり、独自に捜査を進めていくという設定になっており、トミー・リーの実直で無骨な雰囲気が、敏腕デカ、ジェラード刑事にぴったりとはまっています。
こんな腕利きの刑事を演じるには、トミー・リーのように頭が良くてタフな人じゃないといけません。この映画でトミー・リーは、アカデミー賞、助演男優賞を受賞します。
脇役で受賞するって、主役以上に難しいことだと思います。だって、主役より目立ったらダメなんですもの。
メン・イン・ブラック
1997年の「メン・イン・ブラック」は、世界中で大ヒットしてシリーズ化されます。この映画の中でトミー・リーは、エイリアンを取り締まる組織「MIB」に所属する捜査官Kを演じています。捜査上の相棒は、捜査官Jです。(ウイル・スミス)
実直でベテランの捜査官Kと、新米で快活な捜査官J,二人はお互いに相反するキャラクターで、
この二人の掛け合いがとてもよくかみ合っていて、見ていて楽しくなります。
告発のとき
トミー・リーの作品の中でも、彼の人間性がにじみ出ている作品です。この映画は、2007年に公開され、彼は、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。実話をもとにしたこのストーリーは、戦争のむごたらしさを伝える問題作と言えます。
イラク戦争に参加し、行方不明となり謎の死を遂げた息子マイク、事の真相を探ろうと奮闘するマイクの父親役(ハンク・ディアフィールド)を、トミー・リーは、演じています。
息子が亡くなり、涙するトミー・リーの顔は本当に打ちひしがれて、絶望した父親の姿を自然と表現しています。
収入
映画やテレビで活躍しているトミー・リーの収入は、いかほどのものでしょうか?映画「メン・イン・ブラック」の出演料が700万ドル、日本円にして7億円です、この時の全米での興行収入が250.7億円、全世界興行収入が589.4億円です。
また、2007年の「ノーカントリ」では、1000万ドル(日本円で10億円)の収入を得ています。彼の総資産は8500万ドルと言われています。
彼が成功したわけ
これほど、頭が良くて、運動神経に優れているトミー・リー、彼なら他の仕事でも、きっと成功したに違いありません。
しかし、恵まれた才能以上に、周りから批判されても、役者という仕事に惚れて惚れぬいていたからこそ、今日の成功をおさめたと言ってもいいでしょう。
収入も少なく、周りから批判をどんなに受けようと、自ら愛した仕事を継続して頑張る姿に映画の神様が応援してくれないわけがありません。
幼いころからつらい目にあいながらも、忍耐強く頑張り続けた彼の実直なキャラクターは、国際的に人気があります。
結局、こつこつと頑張り続ける人間にはかなわないってことですかね。これからも映画にテレビにどんどん出演して、活躍していってください。
【参考URL】http://www.biography.com/people/tommy-lee-jones-9542352#pursuing-acting&awesm=~oHnr9GcgewZRvE
http://en.wikipedia.org/wiki/Tommy_Lee_Jones
http://www.aceshowbiz.com/celebrity/tommy_lee_jones/biography.html
http://www.celebritynetworth.com/richest-celebrities/actors/tommy-lee-jones-net-worth/
苦労人かもしれないけど、スペックが高い人ですね