西暦前1世紀頃、自分が欲しいと思うものは何でも買える富裕な王様がいました。その王様は賢者としても有名で、知識・知恵の面でも名を馳せた方でしたが、そんな王様がこんな一言を残したとされています。
『お金を愛する者は収入に満ち足りることはない』
この言葉の背後にある意味が、相当奥深いものであることにお気づきになられたかもしれません。簡単に言えば、お金を含めた財産を追い求めても本当の満足は得られない、ということです。この王様は、本当の満足を得るための秘訣をも説いたと言われています。
なぜ、こんな昔の王様の話をしたのかと言いますと、この格言にこそ貯金の裏技が隠されているからなのです。お金を愛さず、物を買うことを愛さないこと、これと貯蓄が一体どのように関係しているのでしょうか?
貯蓄に対する一般的発想とは
上手にお金を貯めたい、その秘訣を知りたい!と考えているであろうあなたは、今までどのように貯蓄を試みてきましたか?様々な方法があると思いますが、一般的な発想はたいてい以下の通りです。
家計簿を見直し削減できそうな支出を頑張って削減することから始めることでしょう。例えば、娯楽費を節約したり、外食を減らして弁当持参にする、保険契約を見直すこと等々。
②買いたいものを買わない
新しいiPhone・iPadが発売になったけど我慢するなどなど、何か欲しいものがあっても買わずに我慢することで節約を試みます。
③生活必需品を買わない
買いたいものを買わずに我慢するだけでなく、相当な努力家は生活必需品さえも買わないように頑張ります。サランラップが切れたけど、無くても我慢できる!というように、日常の生活で必ず必要とされるものも買わずに貯蓄を試みます。
一般的に、上のような発想で節約し貯蓄を試みるわけですね。支出を抑え貯蓄を多くする。まともな発想のように思えますが、実は大きな落とし穴があります。②と③に注目して欲しいのですが、何かを買わないことに決めた時の精神、それは「我慢」です。
とにかく我慢、我慢、まるで戦時中の「欲しがりません、勝つまでは」のような精神で、買いたいもの・買うべきものを買わずに我慢するわけですね。その態度を貫ければ良いのですが、大きなストレスを抱えることになるのは間違いありません。ストレスを抱えると人はこのような行動を取ることになります。
ストレスが爆発する ⇒ ストレス発散のために浪費
今まで我慢していたものを買ってしまったり、最悪の場合、買わなくて良いものまで買ってしまうこともあります。小さいころ貧乏で苦労した子供が大人になって浪費家になるのは、そうした理由からなのですね。
つまり、我慢、我慢、我慢の精神で貯金をしても楽しくありませんし、満足感を得られず、最悪のケースでは貯金すらまともにできないというわけなのです。ですから、貯金に対する発想を根本的に変えなければなりません。
本当の節約術とは
冒頭で述べた王様の格言を思い出してください。お金を愛しても収入に満ち足りることはありません。ですから、お金に対する見方、物に対する見方を変えましょう。お隣の中国には、こんなことわざがあります。
「知足者常楽」
これは、「足るを知るものは常に楽しい」という意味です。つまり、満足する心を養うこと、これを培うだけで楽しく簡単に貯金ができるのです。満足する心をもっている人は、今あるもので満足できます。
一般的発想の②で、「新しいiPhone・iPadが発売になったけど我慢する」とありましたね。しかし、足ることを知る人は、新しいiPhone・iPadが発売になったけど、今持っているiPhone・iPadで満足できる、というわけです。そうすれば、余計な出費を快く抑えることができます。
生活必需品に関しても同じです。100円のもので満足できれば、何も500円、1,000円する商品を買う必要はありません。しかも満足して100円の安い商品を買うなら、余計なストレスを抱えることがないのです。
満足する心、これを抱くだけでストレスなく貯金ができますから、後々ストレス発散で余計な浪費をする…などということも無いでしょう。
先ずは自分の見方を変えることから始めよう!
こうして考えると、貯蓄の成功術はお金に対する見方が重要なキーポイントとなっています。お金に対して貪欲になり、お金を中心とした生活を送ると貯金はうまくいきません。
もう一度王様の格言を思いだし、肝に銘じておいてください。富裕な王様の格言ですから、説得力があると思いませんか?そう、お金を愛する者は収入に満ち足りることはありませんから、まずはお金に対する自分の見方を改め、今あるもので満足する心を養いましょう。そうすれば、いつの間にか、あれよあれよとお金が貯まっていくはずです。