「せーかいはひーとつ、せーかいはひーとつ」・・・イッツ・ア・スモール・ワールドを聴いてどこか興ざめしてしまう・・・そんな事を思ってしまう時、ありませんか？

おなじみのキャラクターで溢れるおとぎと魔法の世界や、計算されたアドベンチャースリルやメルヘンの世界、お金のかかったSF世界になんとなく違和感を覚えてしまう・・・。

幸せそうな家族連れやラブラブのカップル、楽しそうなお友達グループの光景もみたくない。澄んだメロディの明るいBGMも耳障りだ。色とりどりの花壇も風船も花火にも眩暈がする・・・！

そんな、（屈折した）あなたにちょっとした朗報が飛び込んできました。昨年の2015年に、イギリスで期間限定で「Dismaland（ディズマランド）」がオープンしたというニュースがありました。

まるでミッ○ーマウスのような耳の被りものをしているうつろな表情のスタッフたち、廃墟のようなお城・・・。従来のきらきらした夢あふれる遊園地を反転させたかのようなホラーテイストのテーマパークの様です。

ディズマランドに興味を抱いたあなたには悪夢のテーマパークがおすすめです。世界各地にはディズマランドの上をいく、どうしようもないテーマパークこと悪夢ランドがいくつもあります。

本当に危険で、真のスリルが味わえて、閑古鳥が鳴くわびしさだけが漂っており、大半のアトラクションは動いておらず、スタッフはかったるそうに働いている。そんな場所ばかりです！さあ早速、厳選された恐怖のテーマパークにご案内しましょう！

① 農耕機は楽しいアトラクション！「ディガーランド」（イギリス）

子どもだけでなく大人も楽しめる、夢の農作業テーマパークです。案外、生まれてから一度も農作業をしたことのない、都会っ子や海っ子には心底楽しめるテーマパークかもしれません。

ここでは特に運転免許を持っていなくても、様々な農業トラックを運転することもできます。

海賊船もどきやメリーゴーランド、ジェットコースター、異次元体験のできるアトラクションといった定番やフィクションものはもう結構！というあなたには最適です。

「農作業機、農機具にチャレンジしてみたい」と思っているなら、ディガーランドに行きましょう！

イギリス国内の数カ所にあります。何だかイロモノのテーマパークのようですが、イギリスでは非常に有名で大人気です。

おそらく「テーマパーク」と言うときょとんとしてしまいますが、ディガーランドを「農業体験ランド」と最初から呼んでいれば、別段、最悪ランドとは思わないかもしれませんね。

アメリカのニュージャージーにもディガーランドは存在します。日本に上陸する日も遠くない？かもしれませんね。

トリップアドバイザーに寄せられたコメントのいくつかをご紹介します。楽しかったというコメントもありますが、どうやら大人たちが書き込んでいるもののようです。

② 開園している廃墟ランド「ファンタジーランド」（エジプト）

場所はエジプトのアレキサンドリア。アレキサンダー大王、クレオパトラ七世、カエサル・・・ヘレニズム文化を生み出し、ある時代では世界の中心であり、哲学数学等の学問がどこよりも進んでいた歴史とロマンと情緒あふれ、地中海に面したエジプト第2の大都市。

アレキサンドリアには、

1. グレコ・ローマン博物館
2. ポンペイの柱
3. カタコンベ
4. ローマ劇場の遺跡

など様々な観光地があります。

しかし断言しますが、今回のファンタジーランドは間違いなくどの観光ツアーにも絶対に入っていない観光スポットでしょう。なぜなら、とにかくサイアクなテーマパークだからです！

せっかくお金を払って入場をしても、大半のアトラクションは動いていません。全部止まっている、といってもいいかもしれません。テーマパークです。遊園地です。閉園しているわけでもありません。

チケット窓口だけはしっかり営業をしており、ちゃんとチケット販売をしています。しかもちゃっかり外国人からは多めの入場料を請求してきます。お金の受取りだけは機能しているといっても過言ではないでしょう。

ですが、くどいですがほとんど全部のアトラクションが故障中か休止中で動いていません。

アトラクションだけではなく、ショップも閉まっています。そもそも従業員の姿すら見かけません。

怒りも呆れも通り越して、ただ唖然としてしまいます。ある意味、一生記憶に残るテーマパークになります。ゾンビ映画や地球滅亡系の内容の映画撮影ロケ地を探し中の映画監督には、ぜひこのファンタジーランドをお勧めします。

入場料（外国人料金）は30ポンド（約4660円）。ただしこれは約10年前の料金です。現在の正式値段はいくらネット検索をしても出てきません。とことんやる気がないようです・・・。

もしかしたら実際には窓口で300ポンドくらいとられるかも！？しれません。

以下、テーマパークレビューより抜粋です。

③本当に子どもが喜ぶの？「The Republic of Children」（アルゼンチン）

The Republic of Children（子どもの国）が民主主義を子どもたちに教えたい、といった高尚な目的を持ってオープンしたのは1951年のこと。アメリカのディズニーランドのオープンより4年も前のことです。

テーマパーク全体すべてが、小さめのサイズに作られています。しかもヘンゼルとグレーテルに出てくるようなお菓子の家や、おとぎ話のお城があるわけではありません。

1. ミニ裁判所
2. ミニ国会議事所
3. ミニ銀行

などといった政府関係の建物ばかりです。いかにも子どもたちがわくわくする？テーマパークですよね。

民主主義国家のこのテーマパークでは、訪問者はここに議会を選出、さらには融資問題で銀行と戦うことができます。子どもたちも大喜びする楽しいテーマパークです・・・よね？

ネット上にあげられたくのコメントに「楽しめた」というものもありましたが、これもすべて親、つまり大人が書き込んだものです。肝心の子どものコメントは見当たらなかったため、主役の子どもたちは実際のところどう思ったことやら、いささか疑問です。

以下トリップアドバイザーより抜粋です。

④リアルな危険がいっぱい！？「アクションパーク」（アメリカ）

ニュージャージー州にあるアクションパークは世界で一番危険なテーマパークとして知られています。

しかしそれは決してこのテーマパークが「スリル溢れ、面白くてクール」ということではありません。実際に何度も危険な事故を起し、何人もの入場者が亡くなった過去があるからです。

あまりにも安全性の低いこのテーマパークは、多くの訴訟問題や高額賠償保険代請求問題などを抱え、1996年に一度閉鎖されました。再オープンは1998年だったそうです。

名前は「New Jersey’s Action Park」だったのですが。2014年にアクションパークに改名。とはいえいくら名称が変わろうが、このテーマパークで多くの事故が起きて人々が亡くなった、ということで未だに有名です。

もっとも今ではぐっとアトラクションの安全性が高まり、まったく心配はないということです。

それでも、過去の痛ましい事件について、多くの人々がいまだに鮮明に覚えており、ここに訪れると、つい「いっぱい事故を起こしたんだよなあ」と思い出さずにはいられません。

いっそうFULL ACCIDENTS PARK（事故がいっぱいの遊園地）という名前に変えればよかったのに！と個人的に思います。

yelp.comに寄せられたコメントです。総じてアトラクションの安全性はよく分からないものの、スリル満点で楽しめるのは間違いないようです。

しかし「パーク内のすべての食事がまずい」という意見が多く目立ちます。あのアメリカ人たちでさえ「まずい」と言うなんて一体どのくらいまずいのでしょうか！？それも気になります・・・。

⑤薄汚れた時代を忠実に再現！？「ディケンズワールド」（イギリス）

チャールズ・ディケンズ（1812－1870年）の名前はどこかで一度は耳にしたことがあると思います。彼の書いた小説は、

1. オリバー・ツイスト
2. クリスマス・キャロル
3. デイヴィッド・コパフィールド
4. 二都物語
5. 大いなる遺産

などがあります。

イギリス人なら誰ひとりとして知らない者はいない、ヴィクトリア朝時代を代表する大作家です。日本人の作家にあえて例えるなら夏目漱石といったところでしょうか。

しかし日本で夏目漱石テーマパークをやろうとすることはまずないでしょう。せいぜい博物館止まりでしょう。しかしそこはさすがイギリス。発想が違います！

ヴィクトリア朝時代の作家をテーマパークにしちゃえ、とディケンズワールドなるものがケント州に存在しているのです。そう、ずばりチャールズ・ディケンズの生きたヴィクトリア朝時代の街を再現したテーマパークなのです。

きっと日本が同じことをやれば、当時のリアリティを出すことよりもノスタルジーやロマンを演出することをするでしょう。しかしディケンズワールドはそうではありません。

もちろん、ガス灯の明かりの「街」を歩いていると、あちらこちらにディケンズの小説の登場人物たちに遭遇する、という「正統派」演出もあります。

しかし一方で、アトラクションの乗り物に乗ると、ネズミたちがいるロンドンの下水道を通る、という当時を忠実に再現した演出もされているのです。

スリだってもちろんいます。街の匂いも、当時の「臭さ」を醸し出す演出をしています。陰気な感じ、不衛生さ、イヤな匂い・・・どうです？行きたくてうずうずしてきませんか？

薄暗いガス灯とネズミの下水道と悪臭の漂ったヴィクトリア王朝時代の街が、あなたを待っています！

ネット上に寄せられたコメントを見ると、まじめな感想が目につきます。なるほど、そもそも大作家のテーマパークに行こうと思うくらいなので、そういうちゃんとした人達が多いのでしょう・・・。

トリップアドバイザーより、一部抜粋です。

⑥社会主義もKGBも娯楽ビジネスだ！「Isgyvenino Drama」（リトアニア）

テーマパークをご紹介する前に、簡単に世界史の話をしておきましょう。

リトアニアという国があります。日本では美女が多い国ということで有名ですね。それはさておき、リトアニアは今でこそ共和国ですが、ソ連に併合されてリトアニア・ソビエト社会主義共和国だった時代があります。

リトアニアの人々にとって辛くて苦々しい過去なのですが、それを忘れてすっかり消してしまいましょう！とはしませんでした。

「嫌な悲しい時代を逆手を取って、ユーモアとビジネスにしてしまえ！」といわんばかりに、首都ビリニュスに「社会主義国家ソ連の疑似体験テーマパーク（http://sovietbunker.com/en/）」をオープンしたのです！

中に入ると、入場者はボロボロのコートを着用し、本物のソ連の市民のように、財産（所有物）を放棄しなければなりません。

そしてソ連の国歌を学び、KGBのエージェントに尋問もされます。もちろん彼らは本物の元尋問官たちです。ガスマスクも装置します。

当時実際に行われたことを一通り体験し、そして最後にはザ・ズダローヴィエ！ウォッカが振る舞われ乾杯！します。

ちなみにここでは全員で「インターナショナル（ソビエト連邦国歌）」を合唱したらより最高！？かもしれません。

dailymail.co.ukのサイトにこのテーマパークが紹介された時に寄せられたコメントの一部です。当然といいますか、皮肉なものが多いのが笑えます・・・。

⑦聖書の世界を悪夢体験！「ホリーランド」（アメリカ）

フロリダと聞くと、行ったことがなくても、太陽、海、きらきら、さわやか、クールといった単語が次々に浮かんできませんか。

言わずと知れた観光地で、実際にフロリダには世界的に有名なテーマパークがいくつもあります。わくわくドキドキハラハラいっぱいの、本当に面白くて感心してしまう完成度の高いテーマパークだらけです。

ところがそんなフロリダにも、なんと・・・悪夢ランドはあるのです！それはホリーランドというテーマパークです！ホリーHOLLY（聖なる）、というくらいなので、聖書の世界をテーマにしています。

聖書の中の平和な個所、感動的な個所、神秘的な個所にフォーカスを当てていれば、まだ眉をひそめられるテーマパークにはならなかったでしょう。しかしこのホリーランドの忌々しい点は、イエス・キリストの十字架はり付けに焦点を当てていることなのです。

全身血まみれのイエスが、テーマパーク内を歩きます。しかも1日2回もです！

十字架に釘づけにされて、見物人の群衆の前で死に、拷問されるのをどうして面白がってみることができるでしょうか？例えそれを見学していなくても、パーク内の他のアトラクションを楽しんでいる間でも、イエスの叫び声が聞こえてくるのです。

かつて「ジーザスクライスト（イエス・キリスト）スーパースター」というミュージカルがNYのブロードウェイで公開した時、「キリストをミュージカルにするのか！」と非常に驚きました。しかしこのホリーランドに比べれば随分可愛いものだったかもしれません。

ホリーランドでは確かに素晴らしい聖書の世界を学べることもできますが、ここを訪れれば、その後十字架を目にする度にあのキリスト（を演じた役者の）悲鳴を思い出してしまうことでしょう・・・。

トリップアドバイザーより抜粋です。

インパクト大！記憶に残ること100％保証します！

約束します。例えあなたがへんくつで辛気臭い人間でも、根が素直で今でも心のどこかでサンタや妖精を信じている人間でも、従来の王道テーマパーク（ディズニーランドやUSJ）が大好きでもそうでなくても・・・。

これらの、一風風変りで独創的な悪夢のテーマパークに行けば、必ずや一生忘れられない思い出になります。それだけは間違いありません。

尚、今回悪名高き中国のテーマパーク等をご紹介していないのは、アジアの悪夢ランドはすでに日本でもよく知られているため、あえて外したからです。決して今回の7選よりマトモだから、というわけではないのであしからず・・・。

さあ、あなたはどの悪夢ランドに行ってみたいですか？ちなみに自分はKGBに尋問されるテーマパークに行ってみたいです（笑）。

【参考URL】http://www.themeparkreview.com/forum/viewtopic.php?t=24518
http://www.therichest.com/rich-list/poorest-list/the-10-worst-theme-parks-in-the-world/
http://www.fundacionvalorar.org.ar/republica2008/Actividades.asp
http://waterparks.wanderbat.com/q/238/5788/What-is-the-price-for-tickets-to-the-waterpark-Mountain-Creek-Action-Park-in-Vernon-New-Jersey
http://www.buzzfeed.com/marianolake/fantastic-images-from-the-argentine-disneyland#.rn01rOoNY

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