世の中は非常に危険に満ちあふれています。まさかこの数年で、国同士の緊張がこんなにも高まっていくとは考えもしませんでした。
個人的にはウクライナ危機に驚きました。クリミア併合後、混乱が始まったときのウクライナの様子を映したドキュメンタリーを見ましたが、そこで語られていたある言葉が印象的でした。
“この間まで平和な日々が続いていたのに、急にあの日から危険な日々が始まってしまった。”
ウクライナは、東ヨーロッパの中でもあまり豊かな国とは言えない経済状況でした。しかし、日本と同じ様に戦争が起きないのが当然、と言えるような日々を送っていたのではないか?と考える事ができるでしょう。
ウクライナのほかにもロシアの脅威を感じている国はあります。どうやらEUは地域全体でロシアに危機を抱いているようです。
話題になっていたギリシャのユーロ離脱問題。これがきっかけでギリシャがロシア側に組して、勢力図の変化が起きる事を危惧している政治家も多いとか。
かくいうロシアも、ちょっと強引とも言えるクリミア問題で、EUをはじめとした多くの国から経済制裁を受けている為、厳しい状況にあります。
またルーブルの急落で国民生活にも大きな変化が起きて、生活用品の値段も倍になったり、制裁により安価だったEUからの食料品が入ってこなくなったりしています。
そんな状態が続く中、フランスがロシアとのある契約を破棄したというニュースが話題になっています。それは空母の契約を取り消したというものです。
一体どのような話なのでしょうか?今回はこの問題を取り上げてみたいと思います。
フランスが止めたロシアとの空母輸出
その空母というのは、フランス海軍が誇る戦艦ミストラル級強襲揚陸艦(以下ミストラル)というものです。軍事、人道救援など様々な用途に使われる航空母艦で、海洋汚染対策も施されているとか。
2万トンを超える巨大な船体であるため、素人考えでも恐ろしい金額が想像できます。国同士以外の取引はまず無いと言っていいでしょう。
そんなミストラルを、ロシアはフランスに対して注文しており、2011年に契約が行われました。1台につき12億ユーロ(約1640億円)するミストラルをロシアは2台購入。フランスは、ロシアの認可を受けて製造を開始していました。
しかしウクライナ東部の危機をきっかけにEUからのフランスに対する圧力がいっそう高まり、フランスはロシアに対して空母の輸出を取りやめる事を発表しました。
両国の言い分
ロシアのプーチン大統領は、ミストラルの輸送を要求し、メディアに以下のように発表しています。
「きちんと法的根拠がある契約を行った。この契約違反に対して、フランスはロシアに10億ユーロ台の違約金を支払う必要があるだろう。ロシアはこの違約金をフランスに請求したいと考えている。」
一方、フランスのフランソワ・オランド首相は、ロシアに対して戦艦の代金を返還する事を明らかにしました。
「私たちは輸出する事は出来ない。それはこれからも同様だ。こうなってしまえば、私たちは費用を返金しなければいけないだろう・・・。」
とコメントし、ウクライナのポロシェンコ首相と共に開いた記者会見で意向を述べました。
この問題の大きさとは?以前からあった戦艦契約問題
フランスの外交官によると、現在もこの件についての交渉が行われているそうです。勿論フランスも10億ユーロを超える巨額な契約違約金の支払いを避けたいのは当然です。
ちなみに10億ユーロは日本円で換算すると約1353億円です。
ロシアとフランスとの戦艦契約では、実はこれ以前から問題が起きていました。本来なら昨年末の時点で完成し納品されている予定だったのが、ウクライナ問題によりずっと納品が見送られていたのです。
半年以上納品が先延ばしにされた挙げ句の解約なので、ロシアの憤りは決して小さい物ではないでしょう。
これは少なからず溝を深めるきっかけになるのは間違いなさそうですね。すでに納期の問題でロシアも待たされていた訳ですし。
この事件を読んで海外の人はどのような感想を持ったのか非常に気になる所です。ニュースに寄せられたコメントを一部抜粋して紹介してみたいと思います。
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まあそんなに議論する事ではないでしょ。輸送なし、そして費用は返還!
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より国同士のやり取りに注意した方が良いね。
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これでウクライナ政府は1つ悩みが無くなりましたね。
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ヨーロッパは長い間、凶悪なモンスターを飼育していたんだね・・・。
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ドイツ人はフランスのボイコットを支持すべきだろうし、この船を購入してあげるべきだな!
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一番のやっかいはこの返金問題だろうね。
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まあフランスは酷い仕打ちをしたね。
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プーチンの「これは法的根拠がある契約。」・・・クリミアには該当する法的根拠はあったかい?
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なんて面白い話だ!
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TTIPの書面への反対の一例だね。
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数年前のロシアによる南ウクライナのクリミア併合は確かに侵略だったね。
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ロシアへの制裁として非常に価値が高い!
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億単位のペナルティはロシアだけじゃなくEU自体もダメージ喰らうんだけどね!
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これはドイツの軍備を強化するチャンスが巡って来たんじゃないか?
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↑ そうだ。ドイツはこの軍艦を買うべきなのである。
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これはヨーロッパ全体の問題であり、ロシアへの武器輸出はヨーロッパへの脅威に変わるのであった・・・。
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↑ そう考えるとフランスは正しい判断をした様に思えるな。
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フランスは10年来のロシアとの軍備の商いを止めてしまった。これによりロシアは自身で製造をするようになり、この産業で競争力を付ける様になるんじゃないか?
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この軍艦はおそらくトルコや中国に販売するんじゃないかな。
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払い戻し?この契約違約金は非常に高く感じるなあ。
この先にどう繋がるか?
まだこの交渉が結果を出した訳でないので、これからの状況を知る事は出来ませんが、ロシアとEUの関係に大きな影響を与える事はまず間違いないでしょう。個人的には、傷が伴いますがフランスはよく決断したなと思いました。
コメントにもありましたが、EUによるロシアへの武器輸出は、結果的にヨーロッパへ危機という形になって帰ってくる事を考えると、素人見解ですが少しばかり不安の芽を摘む事が出来たのではないでしょうか?
【参考URL】http://www.spiegel.de/politik/ausland/mistral-kriegsschiff-hollande-kuendigt-rueckerstattung-an-a-1030046.html
おそろしあ~プーチンさんイケイケっすね。ロシアとEUのバチバチはけっこう興味あるよ。コメントにもあったけどドイツが買っちゃっていいんじゃない。
これは日本人の俺からもロシアに空母を売るのはやめてほしいと思うね
その空母で日本に攻めてこられたら困るし
フランスは良い決断をしたと思うよ
強襲揚陸艦は航空母艦ではありません
強襲揚陸の際に航空支援を行うヘリコプター(回転翼機)の離発艦機能と揚陸艇等を発進させるウェルドッグを備えたものを一般に強襲揚陸艦と言います
航空母艦とは「固定翼機の運用を行う艦」であり、その他の機能は艦隊指揮程度しかありません
全通甲板以外は全く異なる艦種です
訂正を求めます
半年以上前の話だね。
同時期にドイツのラインメタル社もロシアとの契約を破棄したんじゃなかったかな
仕方ないよな
クリミア問題は落しどころが無いから
ロシアが諦めるまでは続くだろうね(諦める可能性はほぼ0と言う事で落としどころが無いけどさw)
おフランス様は、流石に今回は自国も危険になると思ったみたいだが、中国にも兵器輸出する節操の無い国だからな。
日本が中国に兵器を売らない様にお願いしても商取引だと一蹴された。
そもそもロシアなんかに危険なオモチャを売ろうなんてするからだ。フランスの自業自得。
空母というから、別の要件なのかと思ったらミストラルの話なのか
揚陸艦だけどね
まーロシアも始めの全乗組員数百人をフランスに派遣して訓練させたり
実際に費用がかなりかかってるからそう簡単には引かないでしょう
もともと、ロシアは購入をしたら、当初はウラジオストック辺りに配備をする計画だったみたいで、日本も懸念をしていたから、日本にとってもこの流れは歓迎で、
むしろ日本が買ってしまえば、とかいう話も英のマスコミなんかも言っていたみたいだけれど、ロシアはロシアで、中国に頭を押さえられがちになりながらも、
一方では中国と領土紛争をしている、ベトナムには潜水艦を六隻も売ろうとしているし、同じくインドにもいろいろ売り込んでいるし、この分野の関係は複雑。
いい加減な訳だな
戦艦じゃねーし空母でもない
軍艦なんだから1台じゃなくて1艦
トラックとF1カーをごっちゃにするような違和感
つか売ろうとはしていた訳だ。この死の商人国家フランスは。
その空母買うアルよ!
なんかアメリカ人とかが日本が買えばいいとか偉そうに言ってたが
こんな足の遅い艦なんていらねえよ
空母(注、戦艦ミストラル級強襲揚陸艦!)
写真も米軍空母の古い写真だし何なんだよこれ・・
>EUによるロシアへの武器輸出は、結果的にヨーロッパへ危機という形になって帰ってくる
んな事、フランスが考えてるわけないじゃんw 中国にだってどこにだって
金払えば売るよ。今回はEUに圧力かけられただけ。
船舶の単位は 台 じゃねーよ
フランス「ロシアじゃなく中国に売るわ!」
ドイツ「ナイス!」
イギリス「グッドアイディア!」