派遣というのは、人材派遣会社(派遣元)に登録している人を取引先(派遣先)に派遣することです。
雇用関係は派遣元と労働者の間にあって、指揮命令は派遣先が労働者に対して行いますが、この派遣にも日雇い派遣という形態があるのを、ご存知でしょうか。
日雇い派遣は派遣元から連絡を受けて、1日から短期間で働くことができ、その日のうちに給料が受け取れます。
しかし、このような働き方で生活している人がカードローンを利用することを考えたとき、実際に利用できるのでしょうか。
今では禁止されている?日雇い派遣とは何なのか?
日本での派遣労働者の分類は常用型派遣と登録型派遣があり、日雇い派遣は登録型派遣にあたります。
常用型派遣は仕事の有無にかかわらず、常に派遣元と雇用関係があるもので、多くの人がこの形態で働いています。
対して、登録型派遣は仕事があるときに雇用関係が生じるもので、日雇い派遣はその中でも雇用関係が生じる期間が30日以内のものです。
日雇い派遣は労働者派遣法第35条3項にその規定が記されていて、2012年の法改正によって、日雇い派遣は原則禁止となりました。
日雇い派遣には期間が1日のものがあります。それはスポット派遣やワンコール派遣などと呼ばれ、副業感覚で行う人もいます。
日雇い派遣には以下のメリットがあり、自分の都合に合わせられるなど、働く人にとって利便性があると言えます。
- すぐに賃金が受け取れる
- 自分の都合に合わせて働ける
- 様々な職場を経験できる
逆にデメリットは以下のような点があり、生活面においては若干不便になることが考えられます。
- 交通費が支給されないことがある
- 集合時間を拘束時間とすれば時給が割安になる場合がある
- 収入が不安定
問題点は何なのか?日雇い派遣は不利な形態か?
日雇い派遣を行う人には、副業感覚でやる人、正社員として働く意思はあるがやむを得ずその形態で働く人に分かれます。
後者はたびたび社会問題として取り上げられ、正社員と比べると、景気動向によって労働環境が変わることで雇用調整の影響を受けます。
リーマンショック後の2009年には、多くの日雇い派遣労働者が仕事を失ったことが大きな話題になりました。
(⇒バイトや派遣でもキャッシングはできるの?)
2013年9月に、政府の規制改革会議で日雇い派遣の再解禁を検討することになりました。意見書案をまとめ、翌月の規制改革会議に提出されましたが、議論は翌年に持ち越されました。
働ける人はいる!日雇い派遣禁止の例外
日雇い派遣が原則禁止となっても、業務の中にはそれの例外があり、これらの業種であれば日雇い派遣でも働けます。
- ソフトウェア開発
- 機械設計
- 通訳・翻訳
- 財務処理
- 秘書など
また次のような人も例外で、いずれかに当てはまれば日雇い派遣でも働くことができます。
- 60歳以上の人
- 雇用保険を受けない学生(昼間学生)
- 副業として従事する人(生業収入が500万円以上)
- 主たる生計者以外の人(世帯収入が500万円以上)
働き方はどうなっている?ワンコールワーカーの実態
日雇い派遣労働者の中にワンコールワーカーと呼ばれる人がいます。
1日単位の仕事を電話やメールなどで派遣元から指示され、直接派遣先へ出向くもので、名前の通り「電話一本で呼ばれる労働者」という意味で、労働条件の悪い派遣労働者を揶揄した表現です。
この雇用形態は2004年の労働者派遣法の改正で、人材派遣会社の業務が拡大したことで注目されました。
これには、低賃金労働者の需要や携帯電話の普及率の高さが生み出したと言われています。
世間では、ネットカフェ難民の増加、不安定な雇用の中に若者がいるといった批判が出て、さらにリーマンショックによる不況により、当時の民主党政権で法改正によりワンコールワーカーが禁止となりました。
問題がある中で再び実施?再解禁の動きと利点
民主党から自民党に政権が代わると、ワンコールワーカーを再び解禁しようとする考えが出てきました。
良いイメージがないと思われますが、次のような利点があるのです。
- 労働者が仕事を探す手間がない
- 従来の日雇い派遣の職業あっせん所に行く必要がない
- 賃金を速やかに受け取れる
などといったことが挙げられます。
関わる人・組織 | 問題点 |
---|---|
派遣元・派遣先 | 労働者への仕事内容の説明が直前まで不明なことがある。交通費や駐車料金などがほとんど補助されず、派遣元から派遣手数料を賃金から差し引かれる。 |
ワンコールワーカー | 仕事の選択や拒否ができず、場合によっては賃金が不明確なことがある。派遣元が労働者の見た目に関する条件を事前に説明せず、当日になって派遣先から、「ひげを生やしている」「髪が長い」「高齢である」などといったことを理由に仕事を断るケースがある。 |
日雇い全てに関係する | 安定した収入が得られず、給料の支払い日が統一されていない。給料の支払いが手渡しの場合、派遣会社に取りに行かなければならない。職業経験が身につかず、社会保険などの生活制度が不十分である。 |
こうした問題点があるので、もしワンコールワーカーが再解禁されるようなことがあれば、十分に気を付けて行動しましょう。
しかし、社内での不祥事をきっかけに問題が大きくなり、後に解散に追い込まれる事態になりました。
増えるとどうなる?日雇い派遣とネットカフェ難民
日雇い派遣が増えてくると、今度はネットカフェ難民と呼ばれる人が増えてきました。
ある時に自宅や量などを退去され、24時間営業のネットカフェや漫画喫茶などをホテル代わりにし、日雇い派遣で生計を立てる人たちの通称です。
かつてはカプセルホテルやサウナなどが主流でしたが、2000年代になると、低価格のナイトパック、シャワールームや個室を備えた複合カフェが普及、その結果これらで生活する人が増えました。
日雇い派遣で得た賃金では、家賃や光熱費、通信費などの数万円の費用は出しにくく、それだけでは生活が成り立たなくなります。
実際のところ、毎日仕事があるとは限らず、その日の賃金はその日暮らしのために使うことが多いです。
ネットカフェのほかにも、24時間営業のファーストフード店、深夜営業の個室ビデオ店を生活の拠点としている人もいます。
何が原因なのか?ネットカフェ難民が発生する要因
発生する要因には家賃の支払いができずに退去されるといったほかに、以下のようなことも挙げられます。
- 家庭の事情で経済状態が悪化、その後進学などができずに職のないまま社会に出た
- 家族との不仲、親や配偶者からの虐待・DVから逃れるため
- 高齢や持病などで働くことが困難
などといったことが要因としてあります。
こうしたことを防ぐために、店舗では本人確認を行うところが増えるようになり、中には写真入りの証明書や金融機関のカードの提示を求めるところもあります。
審査は難しい?日雇い派遣の人は借入ができないのか
日雇い派遣のように勤務先が安定していない人は、審査が難しく借入ができないのではないかと考えてしまいます。
しかし、現在の日本では職場が不安定な人が増えているので、消費者金融業者はその人たちのためにサービスを対応しています。
銀行で審査を行うと、こういう人たちはほとんど審査が通ることは難しく、ほとんどのローンが利用できないことがあります。
日雇い派遣は仕事が決まった人が空白期間を埋めるためにありますが、日雇い派遣のみで生活している人は少なくありません。
日雇い派遣で生活している人でも、キャッシングを利用したい人がいて、日雇いの給料だけでは生活しづらい現状もあるのです。
実際に派遣会社に登録しただけでは、審査に通ることはかなり難しいと考えられ、事実上無職とみなされます。
銀行や消費者金融は安定した収入を基準に審査するので、収入を証明する書類が提示される場合があります。
また、在籍年数も審査でチェックされる項目なので、日雇い派遣のように極端に短いと審査は難しいでしょう。
本当に利用できない?日雇い派遣でも貸してくれるところとは?
実際に日雇い派遣でもアルバイトでも融資をしてくれるところがあり、即日で融資が受けられ、保証人が不要であることから、利用しやすいです。
日雇い派遣は生活が不安定なことから申し込みを拒否されることを想像しますが、だからといって必ず拒否されるとは限りません。
日雇い派遣を理由に審査にすぐ落ちるということはなく、職に就かず不労収入で生活している人でさえも審査に通るのです。
日雇い派遣の人がさらに審査に通りやすくなるには、派遣元から定期的に仕事をすすめられて、ある程度収入があれば問題ないでしょう。
サイトから申し込んで、審査後に自動契約機でカードを受け取って、すぐにキャッシングすることができるようになっています。
申し込みから借入をするまではスピードが求められるので、即日融資は重要なものになります。
無利息サービスは返済するときの負担が抑えられるので、日雇い派遣の人でも返済しやすくなります。
日雇い派遣をはじめ、正社員以外の収入が不安定な人が利用するなら、消費者金融がいいでしょう。
そんな人でも一定の収入があれば借りられる消費者金融には、以下のようなところがあります。
サービス名 | 金利 | 限度額 |
---|---|---|
プロミス | 4.5~17.8% | 1~500万円 |
アコム | 3.0%~18.0% | 800万円 |
レイク | 4.5~18.0% | 1~500万円 |
日雇い派遣の人が審査に通過するためには、在籍確認がしっかりできるかどうかにあります。
派遣社員であれば、派遣先の会社名を申込書に記入し、派遣先に在籍確認の連絡が届くようにします。
【参考ページはこちら】
キャッシングを利用できる職業とは?
派遣元から定期的に仕事をすすめられるなどのことがあれば審査に通りやすくなり、在籍確認がしっかりできれば大丈夫でしょう。
利用すれば返済できるよう、しっかりと仕事に取り組んでいれば、問題なく利用できるでしょう。
いくつか仕事を掛け持ちしている人で、その中で500万円以上得ているものがあれば、その仕事が生業になるのです。