近年、テレビなどで頻繁にコマーシャルをしているということもあり、キャッシングのような個人向けの借り入れサービスが以前に比べてかなり身近になってきています。
まだ利用したことはないけれど、機会があれば借りてみたいと考えている人も案外いらっしゃるのではないでしょうか?
ですが、キャッシングには独特のサービスやシステムも多く、いざ実際に利用するとなるとやはり不安な部分もありますよね。
例えば、お金を借りると言えば気になるのが《保証人》の問題です。キャッシングを利用するにあたって、もし保証人を用意しなければならないのであれば、とても気軽に借り入れ…という感じにはなりませんよね。
ここではキャッシングにおける保証人というシステムの正しいあり方について、詳しく解説していきたいと思います。
意外な事実!キャッシングは保証人いらず
テレビドラマなどの影響もあり、《借金=保証人が必要》というイメージがあるかもしれません。しかしキャッシングにおいては、その法則は当てはまらないことの方が多いのです。
実は、キャッシングを利用するにあたっては基本的に保証人を立てる必要はありません。さらに言えば、不動産や物品などの担保も不要です。
無担保・保証人不要で利用できるという手軽さが、キャッシングの最大の特徴と言ってもよいでしょう。
とはいえ、保証人や担保と言うシステムは借金の貸し倒れのリスクを軽減するためのもので、けっしてなくしても問題ないと言えるような無意味な存在ではありません。
そこでキャッシングの場合は、保証人の代わりとして保証会社の保証をすべての利用者が受けるようにするというシステムをとっています。
《保証会社が保証人の代わりになる》ってどういうこと?
保証会社とは、文字通りキャッシングの利用者に対して保証人の代わりになる会社です。
ちなみに、保証会社の保証を受けるにあたっては本来であれば利用者が保証料を支払わなければならないのですが、大半のキャッシング業者では保証料は利息に含まれているものとみなしています。
代位弁済というシステムがあるのなら、もし返済できなくなっても借金が帳消しになるかというと、それは全く違います。
代位弁済をした時点で借金の債権はキャッシング業者から保証会社に移り、それ以降は保証会社が債務者に対して取り立てを行うことになるのです。
つまり、代位弁済が行われても借金を返す先が変わるだけで、金額が減ったり、完全になくなるということはありません。
むしろ、保証会社はキャッシング業者に対して《利用残高プラス未払いの利息》を支払っているので、債務者に対してその金額に利息を加算して請求してきます。したがって、借金の総額はかえって増えることになる可能性が高いのです。
キャッシング審査の基準を決めるのは保証会社だった!?
キャッシングと言えば、必ず事前審査があります。
実はこの審査の基準が決まるにあたっては、保証会社が少なからずかかわっていることが多いのです。
キャッシングの利用条件の中に、《指定の保証会社の保証を受けられる》という項目があるのを目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
保証会社は万が一借金の踏み倒しが起こった時に、代わりに借金を支払うという小さくないリスクを背負うことになります。債務者に対して支払いを請求できるとはいえ、全額確実に回収できるかと言えば、なかなかそうはいかないのが現実です。
したがって、キャッシングの審査においては《保証会社が保証しても問題ないと判断できるかどうか》という条件がかなり重要になってきます。
実際に借金が踏み倒されたときに損害を被るのは保証会社であるという事実を考えると、これは至極もっともなことと言えるでしょう。
知っておきたい保証人不要のメリットデメリット
保証人を付けずにお金を借りられるということには、もちろん多くのメリットがありますが、一方でデメリットが全くないわけではありません。
- 思い立ったときにすぐに利用できる
- 誰にもお金を借りることを知られずに利用できる
- 万が一返済不能になった時に周囲の人への影響が少ない
●デメリット●
- 保証料が含まれる分、金利が高くなる傾向がある
- 返済難に陥った時に周囲の人の助けを得にくい
- 条件によっては保証人有の融資よりも審査に通りにくくなる
保証人を誰かに頼まなければならないとなると、家族や親せき、親しい友人などの近しい人にお願いするケースが大半だと思います。
それはすなわち、お金を借りるために大切な人を巻き込まなければならないという意味でもありますよね。万が一の時には保証人を頼んだ相手に迷惑がかかることも想定されます。
保証人がいらないキャッシングであれば、基本的には自分だけの責任でお金を借りることができます。もちろん、誰にも内緒で借り入れをすることも可能です。
しかしそれは裏返せば、何らかの理由で借金によって追い込まれてしまった場合でも、自分から打ち明けない限りは周囲の人の助けを得られないということです。
手軽に身軽に利用できるのは保証人不要であることの最大のメリットですが、それが思わぬトラブルを招くこともあります。
保証人が要らないから気軽に利用できる…と簡単に考えではいけません。
すべてが自己責任になるからこそキャッシングを利用する際には慎重さが大切なのです。
しかし、保証会社の保証料を含む分、金利は高くなりがちですし、こっそり利用していれば何かトラブルが起こった時にも周囲に相談しにくいというデメリットがあります。
慎重さを忘れず、借り入れをする前によく考えましょう。
キャッシングで保証人が必要になるかもしれない2つのケース
キャッシングでも保証人を付けるなど、本人以外の第三者の存在が必要になるケースがないわけではありません。
- 未成年
- 収入のない専業主婦
この2つのケースに関しては、キャッシングを利用するうえで保証人が必要であったり、それに近い状況になる可能性があります。
《キャッシング=契約行為》だから未成年は要注意
原則として、20歳未満の未成年にはキャッシングを利用することはできません。
ほとんどのキャッシング業者が未成年の申し込みを受け付けておらず、利用可能な会社があったとしても必ず保護者の同意書を取るか、保護者が連帯保証人となることが条件になります。
(⇒未成年の大学生がお金を借りるには?)
ただし、未成年でも結婚をしている場合には、法律上成人とみなされるので自分の意思でキャッシングを利用することも、あくまで法律上ではありますができることになります。
大学生を対象にした学生ローンというのもありますが、これに関しても未成年が本人のみの名義で利用することができる可能性は低いでしょう。
(こちらもご参考に→学生におすすめのキャッシング情報)
専業主婦でも夫の収入基準で借りられるかも?
キャッシングで借り入れをするためには、仕事について安定した収入を得ていることが前提条件となります。
《収入がない=返済能力がない》とみなされてしまうことに加えて、個人の借入総額の上限は年収の3分の1までと貸金業法の中の総量規制という項目で取り決められていることが大きな要因です。
したがって、状況として無職・無収入になってしまう専業主婦のキャッシングは法律上できないということになってしまいます。
しかし、総量規制にはいくつかの例外となる貸し付けがあります。その1つが配偶者貸付けです。
ただし、配偶者貸付けの形でキャッシングを利用するためには、以下の2つの書類を提出する必要があります。
- 配偶者の同意書
- 配偶者との婚姻関係を示す書類(住民票または戸籍謄本)
配偶者貸付けはあくまでも配偶者の同意を得なければならないというだけで、厳密に言えば配偶者が保証人になるというわけではないのですが、イメージとしてはかなり近いものがあります。
1つは未成年です。未成年は法律によって契約行為が制限されているため、キャッシングの契約をすることも原則できませんが、保護者の同意書を取る、保護者を連帯保証人につけるなどの方法でキャッシングを利用できる場合があります。
また、専業主婦も収入がないため法律上はキャッシングで借り入れをすることはできません。しかし、こちらも配偶者の同意書を取ることで配偶者貸付けとして借り入れが可能になることがあります。
《保証人をつけたら借りやすくなる》はウソだった!?
《保証人を付けたら、不利な条件の人でも審査に通りやすくなる》と言われることがありますが、実はキャッシングに関してはまったく当てはまりません。
キャッシングにおいて原則として保証人が必要ないというのは、裏を返せばこちらの都合で保証人を付けることはできないということです。
上述の通り、キャッシングには保証会社と言う保証システムがありますから、そのうえにさらに個人的に保証人を付けたいというのは難しい話です。
審査に落ちたから、あるいは落ちそうだからという理由で、保証人を付けたいという申し出をしたとしても、それが通る可能性はまずないと言ってよいでしょう。
キャッシング業者が提示する条件をクリアできない以上、どんな方法でも審査の結果を覆すことは不可能なのです。
キャッシング審査に落ちる2つの理由
キャッシングの審査に落ちる主な理由は以下の2つです。
- 経済的に返済ができる状況ではない
- 信用情報に事故がある(ブラック)
キャッシングというサービスは、貸したお金が利息も含めて全額完済されてはじめて成立するものです。
したがって、経済的に返済が難しい状況であるとキャッシング会社が判断すれば、審査には通りません。
収入の総額も大事な要素ではありますが、それよりも仕事や家計の状態を全体的にみて、長期的に安定して返済ができる余裕があるかどうかということが重要視されます。
また、過去の借入歴に問題があるいわゆるブラックの場合は他の条件に全く問題がなくてもそれだけで審査に落ちる原因になります。
ブラックになるトラブル内容としては、以下のようなものがあります。
- 3か月以上の長期延滞
- 任意整理・自己破産などの債務整理
- 保証会社による代位弁済
《ブラック=返済できなかった実績がある、今後もそうなる可能性が高い》と評価されてしまうので、キャッシング業者からは非常に敬遠されます。
ブラックでも借りられるキャッシング会社は皆無と言ってしまってもよいくらいです。
ただし、信用情報上の事故記録は一定の年数が経過すると消去されるものなので、そうなればまたキャッシングを利用することもできるようになります。
キャッシングでは審査に落ちそうだからなどといったような利用者の都合で保証人を付けることはできません。
経済的に返済不可能であったり、ブラックになっているなど審査に落ちる理由があるのであれば、キャッシングでの借り入れはあきらめた方がよいでしょう。
間違えないで!キャッシングと保証人の正しい関係
それでは最後に、キャッシングと保証人の正しい関係についてまとめておきましょう。
- キャッシングでは原則として保証人は必要ない代わりに、保証会社による保証を受ける
- 未成年や専業主婦の場合、保証人など第三者の存在が必要になることもある
- キャッシングでは不利な条件でも審査に通りやすくするために保証人を付けることはできない
キャッシングと言うただでさえわからない部分が多いサービスに、さらに保証人と言うシステムが絡んでくると混乱してしまいがちですが、正しい知識を持っていないと損をしてしまうこともあります。
保証人不要で利用できる手軽さはキャッシングの魅力の1つですが、自分自身にすべての責任がかかってくることを忘れてはいけません。安全に無理なく借り入れできるよう、常に意識をしておくことが大切です。
【参考ページはこちら】
審査不要でお金を借りられる3つの方法とは?
保証人が要らないことで、手軽に利用しやすいのが魅力である反面、未成年や専業主婦などで先方から保証人や第三者の同意を求められない限り、利用者の方から自主的に保証人を付けることはできません。
経済的に余裕がなかったり、ブラックになっているなどキャッシング会社の提示する条件をクリアできない場合には、借り入れを諦めるしかないのが実情です。
保証会社は万が一借金が返済されなくなった時に代位弁済と言って代わりに残債を支払うのですが、それで借金が帳消しになるわけではありません。債権がキャッシング会社から保証会社に移って取り立てが行われることになります。
このように保証会社が背負うリスクは決して小さくないので、キャッシングの審査には保証会社の審査基準が少なからず影響します。