郵政民営化によって郵便局の業務が細分化され、ゆうちょ銀行が発足したのはご存知の方が多いですよね。
郵便局が窓口になっているので、わざわざゆうちょ銀行と意識したことはないかもしれませんが、立派な銀行です。
全国の市町村、日本国内なら郵便局の無い村は存在しないと言われているくらい多くの窓口があります。
実はそんな郵便局でキャッシングが利用できるってご存知でしたか?
(こちらもご参考に→キャッシングをするなら銀行?)
身近な郵便局でのキャッシングについて調べてみました。
郵政民営化に伴いキャッシング業務はゆうちょ銀行が担当しています
郵便局がもともと国営だったとご存知の方も多いですよね。
それが2007年郵政民営化により、国が経営にかかわっていた郵政三事業でもある郵便業務・郵便貯金業務・簡易保険業務をそれぞれ株式会社を設立して民間企業として再スタートすることになりました。
郵政民営化により郵便局も民間企業の一員になりました
郵政事業は細分化され、それぞれで株式会社が設立されることになりました。
大きく日本郵政株式会社を設立し、そのグループ企業として、3つの事業はそれぞれ郵便事業株式会社・株式会社ゆうちょ銀行・株式会社かんぽ生命保険となり、それらの業務を行う窓口として郵便局株式会社も設立、郵便局を運営していました。その後、郵便事業株式会社と郵便局株式会社は会社統合し、日本郵便株式会社となりました。
以前は日本郵政株のその株式をすべてを政府が保有していましたが、今は、東京証券取引所第一部に上場され、一般の企業と同じように民営・民有の企業となりました。
銀行業務は株式会社ゆうちょ銀行が担っています
株式会社ゆうちょ銀行はその窓口が郵便局となりますことから、2016年時点では、全国で234の営業所があります。
これは大変多い数で、まさにゆうちょ銀行が目指す、「最も身近で信頼される銀行」と言えるのではないでしょうか。
郵便局の中で、銀行の部分を担っておりますので、個人向けには、預貯金の管理、給与・年金の受取、海外送金サービス、各種カードサービス、ローンサービスなど通常の銀行と同じような営業を行っています。
郵便局を利用してキャッシングする方法が知りたい!
郵便局を利用して借り入れをするには2つの方法があります。
JP BANKカードに申し込むかカードローン「したく」に申し込む
郵便局でキャッシングしたいと思ったら、ゆうちょ銀行が取り扱っている、2種類の商品のどちらかに申し込みをすることになります。
- クレジットカードであるJP BANKカード
- カードローンの「したく」
ここで注意してほしい点があります。
JP BANKカードというのはクレジットカード一体型のゆうちょ銀行のキャッシュカードで大きく分けてVISA/マスターとJCBの2種類あります。
カードローンの「したく」はゆうちょ銀行が受付窓口を行っていますが、実際はスルガ銀行のカードローンとなっています。
ゆうちょ銀行とスルガ銀行はローン事業の提携を行っています
通常の銀行でカードローンといえば、自分の銀行のカードローンですよね。
しかし、ゆうちょ銀行は少し違います。
ゆうちょ銀行が提供しているカードローンサービスは、ゆうちょ銀行の商品ではなく、スルガ銀行の商品なのです。
つまり、ゆうちょ銀行はスルガ銀行の一部ローンの代理業者として顧客とスルガ銀行を媒介しているということになります。
そのため、ゆうちょ銀行で申し込みを行うことができるカードローン「したく」も、実はスルガ銀行のサービスということになるのです。
ゆうちょ銀行では、他にもスルガ銀行の住宅ローン、教育・マイカーなど目的別に利用できるフリーローンも取り扱っています。
これらは、ゆうちょ銀行を通して申し込みを行いますが、最終的な契約はスルガ銀行と行うことになりますので、注意しましょう。
それでは、次から詳しく商品内容についてご紹介していきましょう。
また、郵便局のクレジットカードであるJP BANKカードのキャッシング枠を利用してキャッシングすることも可能です。
JP BANKカードを利用したキャッシングの内容とは…
まずは、JP BANKカードを利用したキャッシングについてです。
JP BANKカードにはVISA/マスターとJCBの2種類があり
クレジットカードとキャッシュカードが一体型となったJP BANKカードですが、クレジットカードのブランドがVISA/マスターとJCBの2種類あります。
郵便局に口座を持っていることが前提となります。口座開設と同時に申し込みを行うことも出来るようです。
それぞれのカードで更に種類が分かれていて、ご自分に合ったタイプのクレジットカードを申し込むことができるのです。
■VISA/マスターカード
学生・若者向け (VISAのみ) |
一般カード | ゴールドカード | |
---|---|---|---|
発行形態 | ・キャッシュカード一体型 | ・キャッシュカード一体型 ・クレジットカード単体 |
・キャッシュカード一体型 ・クレジットカード単体 |
申し込み対象者 | 満18歳以上29歳以下 (高校生不可) |
満18歳以上 (高校生不可) |
満25歳以上でかつ安定した収入がある |
■JCBカード
学生・若者向け | 一般カード | ゴールドカード | |
---|---|---|---|
発行形態 | ・キャッシュカード一体型 | ・キャッシュカード一体型 | ・キャッシュカード一体型 |
申し込み対象者 | ・満18歳以上29歳以下で、かつ本人ないしは配偶者に安定した収入がある ・満18歳以上29歳以下の学生 (高校生は除く) |
・満18歳以上で、かつ本人ないしは配偶者に安定した収入がある ・満18歳以上の学生 (高校生は除く) |
・満20歳以上でかつ本人に安定した収入がある |
これらのクレジットカードを申し込むときに一緒にキャッシング枠についても申し込みを行うことになります。
このキャッシング枠を利用して借り入れを行うのです。
しかし注意点もあって、JCBカードの学生・若者向けカードでは学生がキャッシング枠を利用することができない旨が記載されています。
学生の方でキャッシングを考えている場合は気を付けておきましょう。
では、キャッシングの内容について詳しく見ていきます。
キャッシング内容はVISA/マスターとJCBで少し違います
先ほど、JCBカードの学生・若者向けカードの場合、学生について借り入れができないということをご紹介しましたが、それ以外にもVISA/マスターカードと、JCBカードでは違いがあるのでしょうか?
キャッシングについての内容をまとめてみました。
VISA/マスター | JCB | |
---|---|---|
限度額 | 学生・若者向け:0~30万円 一般:0~30万円 ゴールド:0~50万円 |
学生・若者向け(社会人のみ):0~50万円 一般:0~50万円 ゴールド:0~50万円 |
金利 | 実質年率15.0% | 年利15.0% |
担保・保証人 | 原則不要 | 原則不要 |
保証会社 | 三井住友カード株式会社 | 株式会社ジェーシービー |
返済方式 | ・一括返済 ・リボ返済(毎月元利定額返済) |
・一括返済 ・リボ返済(毎月元金定額払い) |
限度額が、JCBの方が高めに設定されています。
また、返済方式ですが、一括払いとリボ払いをキャッシング時に選択することになります。VISA/マスターでもJCBでも、一括払いを選択していてもあとからリボ払いに変更することが可能です。
金利はともに15.0%となっていますので、むちゃくちゃ高いというわけではないようです。
また、キャッシングの方法ですが、ATMを利用したり、電話から申し込んで振り込んでもらったり、インターネットを利用して借り入れをすることも可能です。
また、審査の基準ですが、一般のクレジットカードのキャッシング枠に対しての審査と同じような内容だと思っておいてもよいのではないでしょうか?
保証会社の審査を受ける必要がありますので、当然審査はあると覚悟しておきましょう。
(こちらもご参考に→キャッシングの審査基準とは)
郵便局から申し込めるカードローン「したく」の貸し付け内容は?
では、次に、郵便局を通して申し込みを行うことができるカードローン「したく」についてご紹介しましょう。
ゆうちょ銀行が独自でカードローン商品を取り扱っていることはありません。基本的には担保型のローン商品を取り扱っています。
ゆうちょ銀行で申し込みができるカードローン「したく」は、ゆうちょ銀行を窓口として申し込みを行うことができますが、最終的にはスルガ銀行との契約となりますので注意しておきましょう。
ゆうちょ銀行利用者向けのカードローン「したく」の商品詳細は?
それではカードローン「したく」の商品内容についてまとめてみましたのでご確認ください。
年齢制限 | 満20歳以上70歳以下 (利用は75歳まで可能) |
---|---|
対象者 | ・継続して安定した収入がある方 ・保証会社の保証が受けられる方 |
限度額 | 10~500万円 (ただし初めてご利用の方は300万円まで) |
金利 (実質年率) |
固定:7.0%~14.9% |
担保・保証人 | 原則不要 |
保証会社 | SDP株式会社 |
借り入れ方法 | ・ATM・CDから借り入れ |
返済方法 | ・ATMでの返済 |
借り入れ・返済は専用ローンカードが発行されますので、このカードを利用して行うことになります。
ゆうちょ銀行をはじめ、スルガ銀行のATM、全国のコンビニATMなどとも提携していますので、大変使い勝手が良いでしょう。
ゆうちょ銀行ATMからなら借り入れ・返済についての手数料はかかりません。
保証会社はSDP株式会社となっていて、あまり耳にしない会社かもしれません。
万が一、申込者が返済できなくなったら代位弁済を行い、その後の債権が保証会社に譲渡されるのです。それ以降のやりとりは、申込者と保証会社で行うことになります。
限度額は500万円までとなっていますが、初回ご利用の場合は300万円までに限られています。
カードローン「したく」への申し込みの流れは3パターン
カードローン「したく」に実際申し込みをしてみたい!と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
申し込みをする場合は、3つの方法から選ぶことができます。
- インターネットからの申し込み
- 電話での申し込み
- 取扱いゆうちょ銀行からの申し込み
ゆうちょ銀行のホームページや、スルガ銀行のホームページから申し込みを行うことができます。
ゆうちょ銀行のホームページから申し込みをする場合は、そのままスルガ銀行の申込フォームに飛ばされますので、実質スルガ銀行のホームページから申し込みを行うことになります。
また、電話での申し込みも受け付けています。こちらも担当はスルガ銀行が行っていて、スルガ銀行ゆうちょローンサービスセンター カードローン・デスクに電話で申し込むことになるのです。
そして、スルガ銀行のローン商品を取り扱っているゆうちょ銀行の窓口からも申し込みを行うことができます。
書類がスルガ銀行に到着するとカードが発行され郵送されます。カードが届き次第利用可能です。
郵便局を利用したキャッシングで安心したマネーライフを!
いかがでしたでしょうか?郵便局を通したキャッシングの方法についてご紹介しました。
ゆうちょ銀行でキャッシングなんて思いつかなかった…という方もいらっしゃるかもしれません。
身近にあって、安心して利用できるキャッシング
ゆうちょ銀行を利用したキャッシングはATMも窓口も身近にありますし、昔からあるので、安心して利用できるのではないでしょうか?
また、全国のゆうちょATMに加え提携機関のATMを利用してキャッシング・返済も可能ですから大変便利です。
そして、金利もそこまで高くありません。クレジットカード付帯のキャッシングでも15.0%ですし、カードローン「したく」の場合は7.0~14.9%と消費者金融のキャッシングよりもお得ですよね。
身近だからこそ忘れないで…キャッシングは借金です!
ゆうちょ銀行のように身近なところでキャッシングを利用していると、キャッシングをする生活が当たり前になってしまうこともあるかもしれません。
しかし、忘れないでいてほしいのは、「キャッシング」は「借金」だということです。
たくさんあるATMから気軽に利用できますし、JP BANKカードを利用したキャッシングの場合は、キャッシュカードを利用しているので、ついつい自分のお金のように錯覚していくかもしれません。
しかし、借りたものは返さなくてはいけません。それも利子をつけて…
キャッシングを利用するときは、きちんと返せるかどうかの返済計画を立てて、無理のない範囲で利用するようにしてください。
【参考ページはこちら】
キャッシング会社の一覧をチェック!
しかし、つい自分のお金として考えてしまうかもしれませんが借金には変わりありませんので、無理のない付き合い方をしていきましょう。
現在は東京証券取引所第一部に上場され、他の民間企業と同じような運営がされています。
預貯金やキャッシングなどの業務はゆうちょ銀行が担っており、全国にある郵便局がその営業窓口となっているのです。