もし何らかの事情で無収入になってしまっても、国が最低限の生活を送れるように補助してくれるのが生活保護制度です。
しかし、この生活保護は最低限の補助なので、急な入用で足りない時もあります。そんな時、生活保護者としてキャッシングなどの借入はできるのでしょうか?無担保・無保証人でお金を借りられるキャッシングは、比較的審査も通りやすいのでは…と思うのですが、果たしてどうなんでしょうか?
生活保護を受給中でも借りることができる金融業者ってある?
生活保護でもらうお金は、生活に困った人が、文字通り生活するために使用することを前提としたお金です。そして、これは国民の税金です。税金を収入として貰っている人は、公務員などの公的機関の労働者のみです。それ以外の人は、基本的に収入とはみなされません。それを踏まえたうえで受給中でも借りれる金融業者はあるのでしょうか。
生活保護受給者に融資するのは違法業者の可能性大です!
いきなりダイレクトな答えを言ってしまいます。ずばり、生活保護のお金は収入ではないのです。つまり、正規の金融業者は生活保護を受給している人にお金を貸すことはできません!貸金業者の審査基準は、あくまで、「安定した収入がある人」が前提だからです。
つまり、生活保護者の助成金を収入とみなして、それに対して借入れを許可する業者は、ほとんどが、違法業者である可能性が高いのです。
まずはそのことを、初めに把握しておく必要があります。
通常どうしてもお金が必要な場合は、親や兄弟などの親族に頼るのが筋です。しかし、生活保護受給者の場合は、親族にも頼れない場合がほとんどです。そのような弱みに付け込むのは、違法業者つまりヤミ金なのです。
ヤミ金業者は、生活保護費を収入としてみます。そのため、審査の段階で受給額をこまかく聞いてきます。さらに、受給日の数日前にならないと貸さず、受給するとすぐにとりたてます。また、金利も高金利のため、生活保護費がそのまま借金返済に充てられてしまう場合もあるのです。
押さえておきましょう!生活保護費をもらう人の条件について
生活保護費は収入ではないので、キャッシングなどの借金はできない、できるとすればヤミ金である、というシンプルな話をしてきました。とはいえ、月々安定した収入だし、堅実に使えばキャッシングもいいんじゃない?という人のために、そもそも、生活保護費をもらう人ってどんな人なのかを確認しておきましょう!
生活保護費を受給する人の条件は、以下の4点を全て満たす必要があります。
- 病気やけがなどが原因で、働くことができない
- 月収が厚生労働省が定めた最低生活費を下回る
- 援助してくれる身内が全くいない
- 土地や財産を持っていない
例外もあったり、世帯によって金額も違いますが、たとえば最低生活費が10万円に定められている地域で、月々がんばっても4万円しか稼げない人は、生活保護に申し込んで認められれば6万円が支給されることになるのです。
憲法によって保証された「生存権」が生活保護の根拠です!
憲法の「生存権」はご存知でしょうか。
そもそも、日本国民は全て憲法により、健康で文化的な生活を営む権利を保障されています。
この憲法の条文により、保証された生存権に該当するものが、生活保護という制度です。
もちろん、生活保護費の額は多いとは言えませんが、憲法を根拠に国で算定された金額なので、なんとか最低限の生活はできるように設定されています。そして、重要なのが、この助成金はあくまで本人が自分で稼いで自立するまでの、つなぎという役割が強いのです。
自立更生を前提とした生活保護ですが、近年、不正受給者が増えたことによって、2014年制度が改正され、申請が厳格化されたといわれています。親族の収入の照会や書類の複雑化など、簡単に申請することが難しくなりつつあります。せっかく認められた生活保護を受給停止にさせないように気を付けましょう。
金融業者にとっても生活保護者への融資はリスキーです!
金融業者側から見ても、生活保護者にお金を融資するのは、大変リスキーな行為です。収入のない人にお金を貸せば、当然返ってこない可能性が高まります。審査の段階で、生活保護者だと分かれば、当然融資は見送ります。
生活保護者でも働いてもらったお金がある場合はどうなの?
では、たとえば、さきほどの例にあったように生活保護費6万円、収入4万円の場合はどうでしょうか?働くことが全くできない場合は10万円受給する人が、4万円だけは、パートで稼いでいるという場合です。一見、稼いでいるんだから4万円分だけは安定した収入のようにみえます。
しかし、これは間違いです。いくら、部分的に稼いでいても、やはり生活保護者であることに変わりはありません。一部でも、生活保護費を受給しているのなら、やはり正規の業者から借入れはできないと考えてください。
ネットなどでは、生活保護受給者でもキャッシングする方法…などのサイトがあります。そこでは、生活保護受給というのを言わずに申請すればOKというようなことをいっています。信用情報機関に照会しても生活保護の事はわからないので、自己申告しなければ、ばれません。しかし、これはもちろん、不正受給になります。何かのきっかけで、ばれてしまえば、受給停止になり、さらには助成金の返還も求められるかもしれません。
混同されやすい…年金受給者と生活保護受給者の違い
話は変わりますが、よく類似のものとして取り上げられるのが、年金受給者です。年金の場合は、金融業者各々で取り扱いが異なります。年金受給者がNGのところもあれば、借入OKの業者もあります。(こちらもご参考に→年金受給者でもキャッシングできる?)
しかし、生活保護者と年金受給者は、明確に違います。年金とは、簡単に言えば、働いている時に積み立てておいたお金を、後から貰う制度です。これは、あくまでも、自分の収入なのです。ですので、生活保護者はダメで、なんで年金受給者は借入できるの?という疑問は成り立ちません。
とにかく相性が悪い、生活保護者と借入の関係!
さらに、借入がいかに生活保護との相性が悪いかを示す例があります。
いくら、無職で生活に困窮しようと、もともと借入がある人は、生活保護を受給することはできないということです。
考えてみれば当たり前なのですが、生活保護費が返済に充てられる可能性が高いからです。
なら、生存権はどうなったという話になります。生活保護を受けるためには、返済しなくてはならない。でも、そのお金がないんだという話です。その場合は、自己破産などの債務整理を行って、借金を清算しなくてはいけません。借入がない状態になって初めて、生活保護を受けることができるのです。
生活保護の情報は信用情報機関に登録されていません。しかし、債務整理によって借入金を清算すると、その情報は信用情報機関に登録されて、しばらくの間キャッシングの審査には通らなくなります。生活保護と借入はどうやっても相性は悪いと考えましょう。
当然ながら、このなかにキャッシングなどの返済は入っていません。生活保護自体は節約と自立を促して、その人が早く社会で自活できるように促すものです。ある意味、お金を借りることとは矛盾する性格のものといえるでしょう。
違法金融業者=ヤミ金業者は生活保護者を狙います!
大前提として知っておかなければならないのは、生活保護はそもそも収入ではないということ。生活保護と借入は相性がとても悪いということ。この2点は、押さえておく必要があります。それを踏まえた上で、このような人に借入を勧めてくる金融業者があるとすれば、それは一つです。違法金融業者、通称ヤミ金です。
違法金融業者は通称ヤミ金と呼ばれています。これら、ヤミ金業者にとって生活保護者は実は、おいしいお客さんなのです。
ヤミ金業者にとって法律は関係ないので、生活保護者は月々一定の収入がある顧客と捉えます。
生活保護費を返済に充てることを、むしろ推奨する業者も多くいます。
闇金業者ってそもそもどういう組織のこと?
闇金業者とは、具体的にはどういう特徴を持っているのでしょうか?次の三点の特徴があります。
- 国・都道府県の営業許可登録がない
- 法律を無視した高い金利をとる
- 総量規制に定められた借入限度を無視する
営業許可登録は、国や自治体から受けるものです。例えば、「東京都知事(5)第○○○○○号」などが許可番号になります。これがあえば、正式に国から許可を受けて営業している証明になります。また、この許可は3年ごとに更新されます。( )内はその更新回数なので、回数が多いほど信頼がおけます。
ただ、注意が必要なことがあります。まれにヤミ金業者は、倒産した会社の登録番号を勝手に表示していることがある、ということです。
登録番号があるからといって安心せず、金融庁のHPで登録業者を検索して確認できるので、怠らずに確認しましょう。
グレーゾーン金利も上回る…法外に高い金利に要注意!
10日で1割の金利を取る、通称トイチと呼ばれる高金利やそれ以上の金利を取る業者。これらも、間違いなく違法金融業者、いわゆる闇金です。基本的に、法律で決まった金利は、15~20%です。闇金業者は、これらをはるかに上回る金利をとります。
かつてはグレーゾーン金利とよばれる、出資法における29.2%までが一応の金利のルールでした。しかし、現在は、利息制限法における20%が正規業者の金利の上限です。ヤミ金業者の金利は、このグレーゾーン金利にさらにプラスした法外な金利なのです。
貸金業法の総量規制も無視!違法業者の借入限度額
総量規制によって、消費者金融などの業者は、年収の三分の一を超える金額の融資はできないようになっています。このような規制は、多重債務者を出さないための法的措置なのですが、違法業者はもちろん、これらの法律も無視します。
生活保護受給者は、安定した収入はありません。あったとしても、ごく少ない収入です。その三分の一といえば、ほとんど微々たるお金です。総量規制という法律の観点からいっても、生活保護者に融資するのは間違っているといえます。
生活が困窮したときは、役所や自治体に相談して生活保護など公的な助成を受けるのは当然のことです。しかし、人間は弱い存在です。ある程度のお金が保証されれば、さらに贅沢をしたくなるもの…。そこがヤミ金業者のねらい目だということも肝に銘じておきましょう。
生活保護者がひっかかる闇金業者の手口とは
闇金業者は、顧客をDMや紹介、電話やチラシなどで誘います。しかし、最近最も多いのが、インターネットでの融資宣伝です。生活保護者だけど融資してほしい…と思う人が、ネットで検索すると、「生活保護でも借入可能!」というような言葉が出てきます。しかし、何度も言うように、このような業者は違法業者=ヤミ金なのです。
違法な業者と分かっていても、ついつい借入れ契約をしてしまう。そんな人も少なくありません。なぜこのようなことになってしまうのか。
単純に、お金に困っているということもありますが、じつは、闇金業者側も巧妙に生活保護者を取り込む手段に熟達しているのです。
親身になって悩みを聞く紳士的な態度には要注意!
殆どの闇金業者は、悩みを親身になって聞きます。生活保護で、お金をどこにも借りることができない…という悩みにも一見誠実に向き合います。そして、生活保護者でも、「うちなら力になりますよ!」といって、結局は融資につなげるのです。
しかし、ひとたび借入をすると態度を一変させます。高額な金利に気が付いて、完済しようとしても、「完済には前日に連絡が必要です」などと言います。そして、電話で連絡すると、不在で連絡がとれず、結局利子だけを延々と支払わされることになります。
繰り返しますが、ヤミ金業者にとって生活保護受給者は、安定した収入がある顧客です。一気に完済されるよりも、だらだらと利子を払わせて稼ぐのが一番なのです。数万円借りたことで、人生が破滅させられたなどという話は他人ごとではありません。
最初は気づかない…気軽な少額融資と電話での対応で習慣化!
具体的な方法としてヤミ金は、まず、1~2万円の少額融資から始めます。返済期間も、1週間~10日間と短い期間を設定して細かく、融資・返済を繰り返させます。こうすることによって、気軽にお金を借りる習慣を根付かせるのです。返済期間を短くすることは、貸し倒れを防ぐ効果もあります。
また、やりとりは基本電話のみです。直接会うことは、闇金業者にとって逮捕されるリスクが増えることです。ですので、対面は避けるのです。逆に、利用者にとっては紳士的な電話での対応のみなので、自分が違法業者から融資を受けているという感覚が鈍ります。
最終的には、さきほども言ったように完済をさせません。利子のみを搾り取り、さらには、ヤミ金の顧客情報は業界内で回るので、他の業者が返済のためにお金を貸すという無間地獄にもなりかねません。
ここに注意!生活保護者が闇金業者に嵌らないために
生活保護者が、闇金業者になぜ嵌ってしまうのかをまとめると
- 悩みを親身になって聞いてくれる安心感
- 少額融資と短期間返済の繰り返しで習慣化
- 対面ではなく、紳士的な電話でのやりとり
上記のような、闇金特有のテクニックに引っ掛かり、生活保護者がお金を借りると、大変なことになります。結局利息が高いので、本人が困窮していくのは時間の問題です。そうなると、取立てが厳しくなり、結局は全ての資産を食い尽くされてしまいます。
生活保護者でも、すぐに借り入れできる金融業者というテーマで見てきました。
もし、すぐに借り入れできる金融業者を見つけたとすれば、それは高い確率でヤミ金業者であるといえます。
【参考ページはこちら】
キャッシングを利用できる職業とは?
特に生活保護受給者の場合は、自立更生がまずは第一です。キャッシングは、生活を立て直し、安定した収入を得られるようになった後です。ネットなどで宣伝している甘い言葉に騙されないように、地道に過ごしましょう。

失業手当などの期間に限度がある助成金と違って、生活保護の場合は一度認められれば永遠に続くと思ってしまう傾向にあります。安定収入と勘違いしてキャッシングを考えると、ヤミ金の罠にかかってしまうので、十分注意する必要があります。