物凄い勢いで経済大国へと変貌を遂げた中国。

国内で生み出された財やサービスの総額を表す国内総生(GDP)がここ最近は下降傾向ではあるものの、まだまだ世界と競合できるだけの経済力を有する国です。

しかし、そんな中国には頭を抱える問題が沢山あります。
その一つが人口の抑制。

経済発展に伴い、50年代より人工増加が食料不足や環境問題などを引き起こし、中国経済に悪影響を及ぼすと言う懸念が広がり、
60年代よりいくつかの都市で徐々に計画出産が政策として採用されるようになりました。

そして1979年からは、正式に中央政府が一人っ子政策を導入し、中国全国で行なわれています。

この一人っ子政策が開始されてから既に30年以上がたった現在、発展途上国の中では人口調整に一番成功した国と言われているものの、これに伴う問題も数多く発生しています。

• 若年人口の減少による超高齢化現象
• 男の子を好む文化的要因による男女人口の不均等
• 子供のいる女性への不妊手術の強要
• 2人目以降の子供に対する法外な罰金の請求

などなど、数えきれないほどです。

そんな問題の中でも最もショッキングなのが、児童誘拐を伴う児童人身売買ビジネス。

一人っ子政策のために、子供に恵まれない家庭や、男児に恵まれない家庭を背景に急激に発展したビジネスです。

今回は、この中国での驚くべき児童売買ビジネスの現状についての報告です。

年間の児童誘拐数はなんと20万人

中国での児童誘拐及び売買の衝撃的なニュースが世界中に配信されて以来、中国政府の猛烈な取締りが始まっています。

しかしこの努力にも関わらず児童の誘拐は後を絶たず、未だに数多くの家族が子供を失った悲しみに苦しんでいます。

アメリカ政府の発表によると、中国国内では毎年2万人の子供、つまり週に400人の子供達が違法に連れ去られていると発表しています。

しかし英国営放送(BBC)は、アメリカ政府の発表よりも10倍も多い子供が実際には誘拐されていると伝えており、毎年約20万人程の子供達が誘拐され、インターネットで簡単に売買されている、との中国国営メディアの報道を紹介しています。

188万円で売られる男児とその半額以下の女児…

昨年、中国全土で大掛かりな取締りが実施され、4つの児童人身売買組織を捜査しただけでも、何百もの幼児が救出され、最終的に1,094人が逮捕されたと伝えられています。

中国公安部によると、養子縁組あっせん業者を装ったこの4つのウェブサイトに関わった者を検挙し、最終的に382の赤ん坊が救出された、と発表しています。

こういったインターネットでの幼児売買は、文化的な理由により男の子が好まれ、男の子は1万500ポンド(約188万円)程で売買され、女の子は男の子の半額以下で販売されているとの事。

また、女の子の場合は少し事情が異なり、誘拐された子だけではなく産み分けが法律上禁止されているために、出産後に両親から捨てられた、或いは売られた乳幼児も数多く含まれているのだそうです。

無秩序な中国

中国では一人っ子政策のために、数多くの子供が誘拐され、インターネット上でも売買されていると言う今回の話。

実際に息子を誘拐された中国人の父親は、この問題はより強力な法的整備を整えさえすれば、かなりの数で誘拐される子供の数も減少するであろう、と涙ながらに語っています。

子供を誘拐した者への刑は、たったの禁固刑3年。

しかし、実際に逮捕される犯罪者はほとんどおらず、多くの犯罪者が野放しの状態になっています。

経済力をつけ、外交面でも強気の中国。
しかし、肝心な国内情勢は、ほぼ無秩序状態と言う事を世界中が再確認したニュースだったのではないでしょうか。

【参考URL】http://www.bbc.co.uk/news/magazine-31814295
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2989404/Child-snatchers-abducting-200-000-boys-girls-openly-selling-online-10-000-kidnapping-epidemic-destroying-families-China.html

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