日本ではごく当たり前となった外国語での案内表示。世界共通語と認識されている「英語」と共に、アジア諸国から訪日する外国人が急増した事により「中国語」と「韓国語」も当たり前となっています。

車内放送などでも日本語を含めた4カ国語で案内が流れてくることが、ごく自然な事となりつつあります。

2000年の訪日外国人旅行者は476万人。また、円安という好条件も重なり、2013年には新記録となる1000万人を超える1036万人まで膨れ上がっています。

しかし、昨年もこの勢いが止まる事無く増え続け、約1974万人に。実に、45年ぶりに訪日外国人が出国日本人旅行者数を上回ったのです。

急増するアジア人観光客

経済波及効果が大きいとされている観光産業。観光庁によると、2015年に訪日観光客が日本で消費した金額は実に3兆4771億円。

日本政府としては、2020年の東京オリンピックまでには世界からの観光需要をさらに高め、地域活性化や雇用機会の増大などの経済効果の恩恵を最大限に受けたいところ。

そんな中、各自治体が熱い視線を送っている先は、やはり中国。言うまでもなく、日本を訪れる外国人の中で最も増加しているのが中国人です。

2014年までトップであった韓国人や台湾人を追い越し、中国人に対する度重なる「ビザ発給要件緩和」も手助けして、2015年にはとうとう第1位に輝いています。

うちの国でも爆買いしてほしい！人気の中国人観光客

ここで、中国人がどれだけの経済効果を日本にもたらしているかを見てみる事にしましょう。

訪日中国人観光客が2014年に日本で消費した総額は実に5583億円。観光庁の調べでは、中国人の平均旅行費は23万1753円。その内、一人につき消費される買い物代は平均12万7443円。実に旅費の半数以上を買い物代に充てているのです。

中産階級層が増加し続けている中国。「爆買い」に象徴されるような彼らの消費意欲を期待して、中国人観光客の誘致に躍起になっているのは日本政府だけではありません。

欧米各国も彼らの購買意欲にあやかろうと、中国人への観光ビザの緩和などを行い必死に観光アピールをしています。

今回は、ここ最近、中国人向けの観光対策に積極的に取り組み始めたイギリスについて紹介しましょう。

欧米諸国がラブコール！急増する中国人観光客

イギリスでは、ここ最近中国人観光客数が増加しており、2013年には前年と比べて68％も大幅に増加しています。

また、2015年に起きた中国株の大暴落で中国人観光客の減少が懸念されたものの、全く影響は見られず、今でも右上がりで増え続づけ、訪英者数が20万人以上となっています。

そして、イギリス政府の思惑通り、中国人観光客は2014年より4％増の消費で、合計4億3500万ポンド（約696億円）の経済効果をもたらしてくれたのです。

中国人観光客自体は、人数的にはイギリスを訪れる外国人の中では少ないものの、消費力は最も高い国民の1つで、1人当たり2688ポンド（約43万円）。この金額は、イギリスを訪れる観光客が消費する平均値の4倍の値です。

これを受けて英国政府観光庁は、2020年までには中国人観光客が現在の倍以上に当たる10億ポンド（約1608億円）をイギリスで消費してくれる事を期待しているのだとか。

もっとお金を落として！切実な中国人勧誘政策

今年は、1億人の中国人が海外旅行に出かけると世界観光機関は予想しています。

イギリス政府はチャイナマネーをより多く取り入れようと、今年の2月より2年間有効の訪問ビザの発給を開始。この新しいビザの費用は85ポンド（約9511円）で、2年間の有効期限内ならば何度でもイギリスを訪問できるようになりました。

またイギリス観光庁は、多くの中国人が本名とは別に「ジョージ」などのニックネームを持っている事に注目。中国人観光誘致キャンペーンの一環として、イギリスの観光地や建物に中国語の「ニックネーム」を募集した所、3ヶ月ほどで1万3000程送られてきたのだとか。

正式に採用されたものは、既にグーグルマップなどでイギリス名所が中国語の「ニックネーム」で記載されているそうです。

イギリスは教育分野でも中国の学力レベルの高さを買い、イギリスの公立校のレベルを上げる目的で、中国より中国人教師を呼び寄せたりもしています。気が付けばイギリスが中国に飲み込まれていた、という事にならないといいのですが。

【参考URL】http://www.theguardian.com/business/2016/jan/27/chinese-tourist-numbers-coming-to-uk-up-nearly-40

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