日本では振り込め詐欺の報道がよく聞かれますね。そのせいか、詐欺師の特徴や手口を見破るための、色々な方法がインターネットでも取り上げられています。
騙される方も悪いのでは?…そう言うのは簡単ですが、これだけ報道され警戒心が高まっているにもかかわらず、被害が絶えないのは、それだけ詐欺のテクニックが高度になっている証拠かもしれません。
最近イングランドで報道された詐欺師は、その点ちょっとアマチュアでした。
お金を騙し取るため、自分の生活を一転するほどの演技を続けたわりに、あまりにも単純なきっかけで逮捕されてしまい、国民からは非難や怒りと同時に、失笑を買っているのです!
システマチックに騙し取る、生活保護受給者
デイリーメール・オンラインによると、逮捕された47歳の父親アラン・ナイト。
過去の怪我の後遺症を理由に生活保護を受けて生活していましたが、ある時発作を起こして昏睡状態に陥り、以来33歳の妻ヘレンが介護に当たっていた…本人達によると、そういう事になっていたそうです。
しかしその間、3年以上にわたり、ナイトは隣人アイヴァ・リチャード氏の財産をターゲットに、手の込んだ詐欺を実行していたのです!
リチャード氏は86歳で、痴呆症を患っており、それに付け込んだナイトはまずこの老紳士と友達になり、後にリチャード氏が介護施設に移されると、その銀行口座の41,750ポンド(約773万円)が自分のものになるよう、計画的に仕向けていったのです。
それはリチャード氏が生涯働いて貯蓄したお金でした。
記事はこう続けています。
裁判官は「アラン・ナイトはこれまで遭遇した中で最も不正直な男だ。2年にわたり、80代の男性から、1ペンスたりとも残さず資産を奪っていった。老紳士の衰弱して行く精神状態に全く付け込んだのだ。」と語った。
この男は引き出した金でホリデーに出かけたり、ドーセットにキャラバン(トレーラーハウス)を購入したりしていた。
でも、ちょっと待って。ナイトさん、後遺症に苦しんで、昏睡状態だったはずでは?
誤算
さらに国の反対側にあるスーパーマーケット、テスコでもCCTVで姿が確認された。この直前に警察は、ナイト家のテスコクラブカードが使用された事を突き止めていた。
…そう、植物状態を装うのは、お金のためとはいえ、ちょっと行き過ぎた選択でしたね。
ナイトの部屋には両サイドにガードがついた、特殊なベッドがあり、酸素ボンベや車椅子もあてがわれ、ナイト自身は普段首に頚椎カラーを装着していました。
こうすれば働かなくて済むとはいえ、そんな部屋での生活も、四六時中ともなれば退屈してむずむずしてくるのは当然。遠くならばれる心配は無いと思ったのか、ウェールズからイングランドに旅行に出たのです。
(本当かどうかは定かではありませんが、ナイトはサッカーしている所を目撃されたという説もあるとか。確かに、ベッドから脱出して、思い切りボールを蹴りたい衝動にかられるでしょうね。)。
ナイトはそれでも演技し続けますが、その化けの皮は剥がれていきます。
いよいよ法廷へ
スワンジー裁判所によると、ナイトはGP(一般開業医)を騙す事はできたが、病院の医師の目を欺く事はできなかった、としている。看護中、ナイトが食事をしたり、顔を拭いたり、書き物さえしていた所を医師たちは目撃した。
たとえ出廷しなくても、裁判は受ける事になると告げられたナイトは、頚椎カラーを装着し、車椅子に乗ってついに法廷に現れた。
ナイトは詐欺と窃盗の告発に対し、異議を唱えるつもりでいた。しかし、自分がスーパーマーケットで歩き回っているCCTVの映像を見せられ、抗弁を変えざるを得なかった。
裁判官は加えて「これら全てが明るみに出た時、彼は自分の行動の責任を免れるためにあらゆる手段を尽くそうとした。」と話した。
「彼は、自分がした事を息子になすり付けたのだ…そして、自分が逮捕されると、警官にゆすられたのだろうと息子を非難した。明らかに、自分が助かるためなら、アラン・ナイトはどんなことでもするようだ。」
裁判官は、リチャード氏への詐欺の罪で、ナイトに4年半の服役を命じました。
裁判の後、このケースで主任を勤めた刑事は、この事件を彼の刑事キャリアの中で最も悪質な詐欺だと述べたそうです。そして「2年にわたって出廷を免れ続け、警察、病院、裁判所に何千ポンドの損害をもたらしたのだ。」と。
それでは、このニュースに対する人々の反応は?
【参考URL】http://www.dailymail.co.uk/news/article-2825497/Fraudster-Alan-Knight-jailed-40-000-scam-pretending-coma-two-years.html
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愚か者は、もっと長くぶち込まれるべきだ。
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付き添っていた、犯罪を幇助した妻はどうなの?
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なんという恥知らずの2人!CCTVで全くの無傷でいるのをはっきりと見られながら、首の支持器をつけてるし!?
笑っちゃうし、同時に血が煮えくり返るわ!
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同感だ、可笑しくてしょうがない。詐欺が見破られた後にも、車椅子で出廷しているってのが気に入った。
閉廷後は自分で立ち上がって歩いていったのかな、それとも妻が車椅子を押してったのか…知りたい。
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↑テレビのニュースでは、刑務所の護衛者が車椅子を押してたよ。信じられない!
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もともと生活保護受けてたって、どうやって?それを認可した人は、明らかにこの愚か者よりは賢いはずでしょ?
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ほんと、生活保護を受給させたヘルス・プロフェッショナルはどこにいるの?特殊ベッドは?酸素ボンベも?車椅子も?
これが税金によって払われたものなら、医学的証拠も無しに認可したのは一体誰なの?この男がこんなに長い間やりおおせたことは、本当の不面目よ。
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彼は金を返すかって?ありえないね。
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↑まあね、ここはUKだし!生活保護の豊富な国ですから。
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この夫婦、吐き気をもよおすわ!
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彼の妻にはどんな判決が?起きている事を全て知っていたんでしょう!
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テスコに5分行っただけで、僕は昏睡状態に陥った気分だ。
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でも2年もすりゃ、こいつは自由になるんだよ。
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おお~。生活保護を受けたいなら、もっと簡単な方法があっただろうに。
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すごい献身ぶりだ!ここまでするとは。
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この男、笑える。
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↑だったらこいつの生活保護費、払ってやれよ。そうしたら、これがどれだけ冗談で済まされるかわかるだろう。
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CCTVの画像がこんな風に利用されるのは、ひどい話だと思う。もちろんこの男を見つけて裁判にかけるためには役立ったけど、写真が公開されるのは許しちゃいけないね。
裁判所が確認したのなら、それで適切な判決を下せるのだから。
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この男、夢遊病を患っていたのかもしれないよ!!
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おいおいみんな、彼のやる気に敬服するべきだよ。
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この男、これだけ長く裁判を免れたのは驚きね。彼は多分、頭が正常じゃないと思うわ。
まとめ
コメントを見て分かるように、お年寄りから騙し取った悪質な犯罪への怒りと同時に、この詐欺師の計算不足は、もはや嘲笑の的になっています!
詐欺師よりもむしろ、その演技力を駆使して俳優を目指した方が勝算があったかもしれませんね…。
植物状態ってなんだっけ?って頭にはてなが湧いてきた