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異なる宗教信者のカップルが訪れる最後の楽園―中東・キプロスの結婚事情

2017/06/12
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世界には、何世紀も前から受け継がれている習慣や伝統が数多く残されています。その中にはとてもユニークで興味深いものもありますが、残忍で野蛮なものもあります。

その代表といえるのが「名誉殺人」。“名誉”という名は付いていますが、“家族”の名誉を守るために、家族の名誉を汚した親族に対して、その名誉を取り戻す為に、親族が親族を殺害をするという恐ろしい風習です。

国連の統計では、名誉殺人の名の下に殺害される人は、毎年世界で約5000人。名誉殺人の多くは、中東諸国やインド・パキスタンなどのアジア諸国で多く報告されていますが、最近では、ヨーロッパ諸国でも深刻さが増してきています。

例えばイギリス。年間に起こる殺人事件の内、約12件が名誉殺人だと考えられている上に、名誉殺人関連の傷害事件は年に3000件にも上るのだそうです。

おぞましき古くからの風習…その実情は

名誉殺人は、よくイスラム教徒に限られた風習と誤解されがちですが、キリスト教、ユダヤ教、ヒンズー教、シーク教など、様々な宗教の間でも行われています。

名誉殺人に関するドキュメンタリー映画で、アカデミー賞を得たオベイド・チノイ監督は、名誉殺人は宗教という枠を超えた、単なる「家族による過剰なコントールから引き起こされる残虐行為」だと述べています。

名誉殺人の犠牲者は、家族が望まない相手と婚姻を望んだり、強姦も含めた結婚前の性交渉を行った女性が被害者となるケースが大半ですが、中には、女性と交際をしていた男性が、交際女性の家族によって殺害されるケースもあります。

結婚は宗教の壁を超える?歩み寄る宗教指導者達

イギリスでは、異宗教間同士の結婚、いわゆる「異宗婚」が増え続けています。

2001年の国勢調査では約2万1000人の夫婦が異宗婚でしたが、実際には遥かにこの数を超えていると考えられており、その中でもムスリム教徒とキリスト教徒の婚姻は増加傾向にあります。

これを受けて2011年には、両宗教の中でも保守派と言われる宗派の指導者が集い、イスラム教徒とキリスト教徒が結婚する際に起こるであろう混乱と紛争を避ける事を目的に、異宗婚に対するガイドラインが作成され、話題となった事もありました。

こんなに愛し合っているのに…認められないカップルたち

しかし、この画期的な両宗教指導者によるガイドラインは、名誉殺人が当たり前の様に行われている国々で承認される事は、とても奇跡的な事です。

例えば中東諸国では、役所への届け出によって成立する「民事婚」を認めておらず、教会やモスクなどの宗教施設で行われた「宗教婚」のみ、婚姻として認める国すらあります。

そして、事実上宗教の異なるカップルは、どちらかの宗教に改宗しない限り結婚できないようになっています。

現在の所、

  1. エジプト
  2. シリア
  3. ヨルダン
  4. アラブ首長国連邦
  5. サウジアラビア
  6. カタール
  7. イエメン
  8. リビア
  9. イラン
  10. レバノン
  11. イスラエル

などでは、民事婚は認められていません。

唯一民事婚を認めている国・キプロス

しかし、これらの国々の中には、なぜか、海外で行った民事婚に限って婚姻として受け入れる国々があります。

そこで、この複雑な事情を上手く利用して、思いもよらず経済的利益を得ている国があるのです。どこの国だか分かりますか?

正解は、地中海に浮かぶ小さな島国キプロスです。

キプロスは、自国では認められない中東出身カップルが目指すラブ・アイランドとして注目されています。

EU統計局によると、2013年に行われた9031件の民事婚の内、たったの1841件がキプロス住民によるもの。それ以外は外国人による民事婚で、その中でも、レバノン人とイスラエル人が際立って多いのだとか。

今では、キプロスで民事婚を上げる中東出身カップルは毎年3000人。これを受け、キプロスの外国人向け結婚市場は、なんと年間1億3500万ドル(約150億円)にもなります。

キプロスは、宗教の違いによって誰にも認められないカップル達の最後の楽園として定着しているようです。

この記事の海外に対する反応

キプロスにとっては、ラッキーな話だよね。

一体、宗教って何の為にあるの?

宗教は諸悪の根源だ!

結婚したとして、彼らの子供達はどうなるの?

更に複雑な問題が、結婚後に待ち受けていると思うけどね…。

↑愛は盲目なのさ。

そろそろ、宗教を違法にすべきでは…。

宗教というより、文化の問題だよ。

キプロスまでの旅費は誰が出すんだろう?

貧困層には、こういう選択枠もないよね。

↑中東からの移民が減らないわけだわ…。

宗教指導者には、強制的に社会に出させて、職業訓練でも受けさするべきよね。宗教の知識よりも、常識を身に着けるべきだ。

異宗教だから結婚できないなんて…。いつの時代を生きてんだか。

異宗教間の結婚が増え続ければ、彼らの宗教もいつかは自滅するよね。

イスラエがユダヤ人の国じゃなくなる日も近いのか!?

こういう問題は、もっと大きく取り上げられるべき!

差別に負けず、頑張ってほしいね。

長く続く伝統が、そう簡単には無くならないと思うけど。

そういえば結婚の為にキャサリン妃も改宗したよね。

彼らの離婚率に関する資料はないの?

やっぱり宗教の違いには勝てない?結婚後も続く苦悩

アメリカでも異宗婚は増え続けています。米紙ニューヨーク・タイムズによると、1960年代の異宗婚の割合がほんの20%だったのに対し、今では45%にまで達しており、決して珍しい事では無くなっています。

しかし異宗婚は、結婚後に、より複雑で難解な問題を抱える確率が同宗教を信仰するカップルよりも高くなる上に、異宗婚カップルの幸せ度は低い傾向にあるという調査結果もあります。

特にキリスト教徒の中でもプロテスタント信者による異宗婚はその傾向が極めて高く、彼らの離婚率は50%にも上っているのだそうです。

常識よりも宗教的伝統を重んじる中東諸国。無事に結婚が認められたとしても、どれだけのカップルが世間や社会の重圧に押しつぶされる事無く、幸せに暮らしているのでしょうか?

【参考URL】http://www.bbc.co.uk/news/magazine-37321298
https://www.theguardian.com/world/shortcuts/2014/jun/01/middle-eastern-lovers-couples-marrying-cyprus-civil-ceremony
http://s.telegraph.co.uk/graphics/projects/honour-killings/
http://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/how-christians-and-muslims-can-marry-the-official-guide-8348954.html
http://www.nytimes.com/2013/04/06/opinion/interfaith-marriages-a-mixed-blessing.html

ヒュー!ラブアイランドか!いいねえロマンチックで!宗教の違いで決して結ばれない2人が密かに愛し合う…まさにロミオとジュリエットだ

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この記事に対するコメント
  1. 日本の名無しさん より:

    結婚とはそもそもが大変なものなんだよ。家の習慣や地域の風習、民族の伝統、価値観の違い…宗教まで違うと人生哲学まで違うという事だから。

    いくら愛し合う二人が、お互いに尊重しあってめ、個を越えてそれらが勝手に衝突する。

    個々人や愛し合う二人だけでは、コントロール出来ない事が世の中にたくさんある。それがバツイチで学んだことだわ。。。

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