『国際結婚』についてはよく耳にすることがありますが、日本のオシャレな雑誌や外国生活を紹介するテレビ番組では「離婚」を取り上げることはあまりありません。
実際のところ、ロシアやアメリカでは二組に一組は離婚をし、南米や東欧の一部の国々では「離婚するのは当たり前」と考えられています。
イギリスの場合も非常に離婚率が年々伸びており、現在ではEU諸国で断トツに離婚率が高いというデータが出ています。
しかし、言葉で言うのは簡単ですが、離婚をするのはタダではありません。お金がかかります。しかも「意外な」出費(目に見えない出費)もあります。
「めでたしめでたし」(Happy ever after)だったはずの結婚(もしくは国際結婚)のゴールが、「離婚」ということは誰にもありうります。
「万が一」のために、いったい離婚にはどんな出費がありそれは幾らぐらいするものなのか…今回はイギリスの場合でご紹介したいと思います。
離婚大国イギリス
イギリスはEU諸国の中で最も高い離婚率となっているとすでにご紹介しましたが、2012年には11万8140組が別れています。(ウェールズ地方を含むイギリス)これは、一時間に13組が離婚していることになります。
そのうちの多くが結婚して10年以内の夫婦で、夫の平均年齢は45歳、妻の平均年齢は42歳。そして16歳以下の子どもを持つ離婚カップルは48%となっています。
特に、結婚して四年目と八年目を迎える夫婦が離婚をしています。65歳以上の夫婦の離婚件数は上記の11万8140組中9703組です。
意外とかかる、細かい離婚費用
以上の数字だけを見ていると、簡単に離婚ができるように早合点しがちですが、実際のところ、そう一筋縄ではいきません。
協議離婚の場合でも、やはり様々な経費がかかってきます。平均的な離婚費用トータルは£44,000英ポンド(約820万円)です。
離婚裁判沙汰にかかる費用はおよそ£1,280ポンド(約24万円)。
具体的にどのような項目にお金がかかるかといいますと、離婚裁判費用―£410ポンド(約7万6千円)、判決代―£50ポンド(約9300円)、財産分与判決費用―£255ポンド(約4万7千円)、申請者に対する同意指令(判決)代―£45ポンド(約8300円)。
スコットランドの場合
- 協議離婚裁判費用―£107ポンド(約2万円)
- 離婚申立控訴手続き費用―£141ポンド(約2万6千円)
- 判決の書類代―£62ポンド(1万1500円)
- 書類手続き代行のための事務弁護士代(スコットランドでは16歳以下の子どもを持つ親の離婚の際に必ず必要となってくる手続き)-ケースによって費用はまちまち
北アイルランドの場合
- 訴訟申立費用―£200ポンド(約3万7千円)
- 法廷審問申請代―£250~300ポンド(約4万6500円~5万5800円)
- 法律離婚仮判決申請―£75ポンド(約1万4千円)
- Civil Partnership(ゲイカップルのパートナー関係)解消申請―£75ポンド
- 附帯手続代―£250~300英ポンド
- 事務弁護士(訴訟依頼人に代わり裁判事務を扱う)-£3000~£1万(約55万8千円~186万円)
「目に見えない離婚費用」
離婚によって支払わなければならないお金は、実はもっとあります。いわゆる「目に見えない離婚費用」。
例えば、
- 別居後の休暇代Post-separation holiday(離れて暮らしている子どもたちと時間を過ごすためレジャーなどに連れて行く)– £1,925 (約35万8千円)
- 家電製品Gadgets/technology – £1,292 (約24万円)
- 資格取得や新たな趣味を持つNew skill/hobby – £2,105 (約39万1千円)
- 改装Redecorating – £1,370 (約25万4700円)
- 新しい相手をみつけるためのデート代Dating – £1,277 (約27万3千円)
- 離婚による精神的ショックから立ち直るためのカウンセラー、セラピーなどLife coach/therapy – £1,853 (約34万4500円)
- 新しい服や髪型を変えるなど「変身」New clothes/makeover – £1,483(約27万5800円)
- 気持ちを前向きにし健康促進のためのジム通いやパーソナルトレーナー代Gym/personal trainer – £1,535(約28万5千円)
- 新しい家を購入Buying a new home-£94100(約1750万円)
- 新しい家具や家電購入Setting up new home e.g. furniture, white goods-£5280(約98万円)
- 車等の購入Buying a car/ other vehicle- £3880(約72万8千円)
- 子どもの養育費/年Annual childcare costs as a result of separation- £4320(約80万円)
- 親権取得手続きLegal fees over child custody-£3300(約61万4千円)
離婚はしんどい。イギリスだけではない
思った以上に離婚にはお金がかかる上、専業主婦(もしくは専業主夫)だった場合は、今後一人で生きていくために仕事を見つけなければならないでしょう。自分が家を出る場合は、新しい住まい探しもしなければなりません。生活用品も揃えなければなりません。
また多くの国では女性は苗字を旧姓に戻す手続きもしなければならず、離婚の発表を周囲にしなければなりません。新たな土地でやり直す場合は、そこのコミュニティにゼロから溶け込まなければなりません。
さらにエジプトといったイスラム教の国々では、夫が一方的に離婚手続きをすませることができる上、息子の親権が父親にいってしまうことがよくあります。イタリアといったカトリック教国々では、教会も絡んでくるので離婚成立に何年もかかることが一般的です。
こういった労力、出費を考えるとアメリカのように「オープンな関係(Open relationship)」を選択するのは賢明?なのかもしれません。
ちなみに「オープンな関係(リレーションシップ)」というのは離婚をしてもお金がかかる、子どもたちの養育問題等があるということで法的に夫婦であり続け、以前と変わらず一つ屋根の下に住み続けることもあるけれども、それぞれが恋人を持つのを良しとする…。
夫に新ガールフレンドができても、妻に新ボーイフレンドができても、それは夫婦合意の上。
周囲にも「ぜひ理解して温かく見守ってくださいね」とフェイスブックなどで「私たち夫婦はオープンリレーションシップになりました」と発表をすることがたびたびあるのです。
争いに疲れたアメリカ人たちの結論?がこのオープンリレーションシップなのかもしれません。
本当の「めでたしめでたし」
「結婚は勢いでできるけれども、離婚にはお金とエネルギーが必要」とよく言いますが、どこの国で離婚しようともまさにその通りなのかもしれません。
子どもの頃に読んだ「シンデレラ」「白雪姫」「眠れぬ森の美女」の童話では、最後に王子様と結ばれて「happy ever after」めでたしめでたし、で物語は終わっています。
しかし現代では本当の「めでたしめでたし」は無事に離婚を成立させ新たな人生の軌道に乗り出した時のことを指すのかもしれません!
(イギリスにおける)離婚にかかるお金、についてイギリスの人々はネット上に様々な意見を寄せています。
【参考URL】http://www.thisismoney.co.uk/money/bills/article-2727942/Cost-divorce-hits-44-000-UK-couples-factor-child-maintenance-new-clothes-fit-regime.html
https://www.moneyadviceservice.org.uk/en/articles/paying-divorce-costs
http://www.telegraph.co.uk/women/sex/divorce/11041341/The-hidden-cost-of-divorce.html
http://www.marilynstowe.co.uk/2014/09/12/husband-awarded-costs-of-contested-divorce-hearing/
http://www.theguardian.com/money/2013/apr/06/cut-costs-getting-divorced#start-of-comments
http://www.dailymail.co.uk/news/article-52829/Britain-highest-divorce-rate-EU.html
http://www.theguardian.com/news/datablog/2010/jan/28/divorce-rates-marriage-ons
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離婚は結婚費用の約二倍もかかるのね!
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お金で幸せは買えないというが、お金がかかる離婚をして僕は幸せになった
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もうすぐ離婚する予定なんだが、こんなにお金がかかるのか・・・楽しみだな(皮肉口調)
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6年前に離婚したんだけど色々お金がかかって、最終的に9175ポンド(約170万円)の出費になったよ・・・
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妻が職場の同僚と14年にも渡る不倫関係を続けていたんだ。このことはひょんな偶然から知ることになった。
二人はスイスにも旅行をし、僕名義のコテージに滞在。
僕は妻の不倫証拠を握るために、彼女のEメールを開いて男とアツアツのやりとりのメッセージをすべて拾った。
妻は「ごみ箱」フォルダに入れたら、そのメールはすぐに永遠に消去されるものだと思い込んでいたんだ。
そしてある時、僕はにっこりとほほ笑んで家の鍵を彼女に渡し、あいつと一緒にこの家に住めばいいさ、と言ってやった。そして事前に用意してあったスーツケースを持って家を出た。
不倫の証拠(メールのやりとり)を握っていたから、彼女は何も言い返せない。
今僕はブルガリアの山のそばに住んでいる。空気も景色も最高のいい所だ。
妻と不倫相手が一体どうやってあの家の住宅ローンを返済しているのかな、とふと思うよね。僕が稼いでいたほどの収入が彼らにはないからね。
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離婚?キリスト教徒が?非常に嘆かわしいことだ。
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何年も前に本気で離婚を考えた。愛情の冷めた妻と一緒にいるのが苦痛になったんだ。しかし子どもたちのために思いとどまった。結局それが正解だったよ。
離婚しなかったことにより、子どもたちと離れて暮らさずに済み、彼らが成長していくのを何一つ見逃さないですんだ。そして子育てを介して妻との絆も戻ったんだ。
離婚で一番痛いのは費用の面ではなく、子どもを失うことだよ。
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人間関係をすぐに壊す決断を下す前に、それを継続し良いものにしようという努力をすべきだ。感情的になりすぎずに自分の価値を過大評価せず、謙虚な気持ちも忘れないでいるべきだ。
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伴侶選びは賢くならねば・・・
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出会ってすぐに性的関係を持ってしまうのも、男女の関係が壊れやすくなる一因だと思うわ
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私の場合は、22年連れ添った妻から「他に付き合っている人がいるの」と離婚を言い渡された。
裁判費用に8000ポンド(約140万9千円)かかり、さらに夫婦共同名義の口座から30,000ポンド(約550万円)を彼女に持っていかれた。
ショックとストレスから僕は病気になり、自分が経営していた会社も畳まなければならなくなった。自宅はおろか、フランスにあった別荘も妻に持って行かれてしまった。
金額でいえば200,000ポンド(約3700万円)分失くしたことになる。これも離婚にまつわる「目に見えない費用」だ。50歳の中年男にはなかなかきつい体験だった。
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男だけじゃないわよ、女だって離婚で大変な出費を強いられることがあるのよ。
私がフルタイムで働いていて不在の間、ただの一度も子守りをしていなかった前夫に10000ポンド(約185万円)も払わなければならなかったのよ。
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離婚の代償は金額だけの問題じゃないよ。身内に与える精神的問題・・・ショックや大きな悲しみといったことは決して金額では表せない。
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この手のものはニュース記事にすべきではない。ケースバイケースのものだから。
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子どもの教育費は年々高くなるんだよ。妻と離婚しても、値上がりしていく一方の養育費をずっと払い続けなければならない。だから本当の離婚の代金というのはもっと高くつくんだ。
その現実を分かっていないなら離婚しないほうがいいんじゃないかな。
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何もわだかまりもなく、双方がシンプルに離婚したい、と思っているだけの協議離婚のケースなら、こういう情報は参考になるんじゃないかしら。
複雑なケースの場合は、かかるお金ももっと込み入ってくるんじゃないかしらね。
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私の元夫は文無しで、長いこと別居していたの。ある時彼の方から他の女性を好きになった、君とは離婚したいと言ってきたの。まったく意義がなかったからスムーズに離婚できたわ。
両方がさっさと離婚したいという思いだったから、訴訟費などまったくかからなかった。ちなみに元夫の再婚挙式に私も参列したけど、いい式だったわよ。
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私が離婚する時も、二人とも別れたいという気持ちはまったく一緒だったから非常にスムーズに行ったわ。弁護士も雇わなかった。
離婚に関する法的知識やアドバイスはすべてインターネットで仕入れて、出費は最低限に抑えて見事な離婚ができたと思うわ。
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19僕も二回離婚している。一回目はイギリスで、二回目はポーランドで。どちらも協議離婚でたいしてお金もかからずあっさり離婚成立。いまだに元妻たちとは連絡をとっているよ。
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離婚したい、と思うようになったらひとまず瞑想をしてみるべきだ。心をクリアにさせ、頭を使い精神を使い自分の本当の気持ちに耳を傾けるべきだ。
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離婚費用にジム代とかセラピー代って変じゃない。笑っちゃうわ。