世の中には腹が立つほどイライラさせられるマナー違反が沢山あります。携帯電話を使用しながら自転車に乗っている「ながら運転」、歩きながら煙草を吸う「歩きタバコ」、吸ったタバコを投げ捨てる「ポイ捨て」などなど、例を挙げればきりが無いほどです。
そしてマナー違反の中でも、被害に遭っても非常に犯人を断定しずらい悪質なものが、自分の家の敷地内や玄関口にされる犬の糞でしょう。
いつも糞をされる現場を1日中見張る事も出来ず、せっかく片付けたのに翌日にはまたまた糞をされていた、というのはよくある話です。
犬の糞放置は違反行為!
糞害に憤慨する住民を救済するために、全国で初めてアクションを起こしたのが大阪府泉佐野市です。
2013年7月に、犬の糞の放置は「泉佐野市環境美化推進条例」により禁止され、糞を放置した飼い主に対して過料が科せられることになりました。
当初1000円であった過料も、同年の10月には5000円に引き上げられ、11月には初めて路上で飼い犬の糞を放置した男性から5000円を徴収しています。今では過料が1万円までに引き上げられているそうです。
今後は他の自治体でもペットの糞害に対して似たような措置が取られそうな日本。しかし、ペットの糞を放置した飼い主に対して罰金を科すのは、世界的には決して珍しい事ではありません。
海外の糞害対策とは
スペインの首都マドリッドでは、ペットの糞を放置した飼い主には、最高1500ユーロ(約17万円)の罰金か、数日無報酬で路上掃除を科す措置を取っています。
さらにスペインの各自治体ではとてもユニークな試みを行っております。
例えば、スペインの首都マドリッドの近郊にあるブルネテでは、2013年に短期間ではあったものの、ボランティア達の協力を得て、路上に放置された糞をわざわざ拾い、飼い主の元へ「落とし物」として郵送で送り返す措置を実施しました。
この結果、実に糞害が70%も減少したとして、スペイン国内だけでなく、国際的に話題を呼んでいました。
犬の糞から生まれたビジネス
糞害被害に遭うのは非常に嫌なものです。しかし、これを逆手にとってお金儲けできるのならば別の話で、糞害も大歓迎です。実は、増え続けるペットの糞害に目を付けて、大成功しているビジネスがあるのです。
米ニュージャージー州に住むキャサリンさん。彼女の子供たちの誕生日には、必ずプレゼントとして「犬」をせがまれていました。
しかし、責任をもって犬を世話する年齢に達していなかったことや、郵便配達員の夫が毎日犬に脅されたり、嚙まれたりしていて犬に対して嫌悪感を抱いていた事もあり、プレゼントすることに対して慎重になっていました。
最終的に犬をプレゼントしたのは子供たちが10歳と12歳になってからで、しかも犬が庭に落とした糞は必ず拾うという条件付きにしました。しかし残念なことに、約束が守られたのは一か月だけでした。
有料で犬の糞を拾います!
そこで、しびれを切らしたキャサリンさんは、子供たちの小遣いからDoody Call(ドゥーディー・コール)を雇うことにします。週15ドル(約1500円)で雇った彼らがやってくれる事は、まさに犬が庭にした糞を拾う事でした。
ドゥーディー・コールは2001年に米ニュージャージー州で設立され、ペット一匹につき週15ドル(約1600円) でペットの糞を掃除する企業です。
設立以来、順調に売り上げを伸ばしていき、2009年の収益が290万ドル(約3億3000万円)だったのに対し、2011年には450万ドル(約4億7100万円)まで増益。今では、アメリカ22州で55のフランチャイズを持つまでに大成長しました。
今後10年間で250以上の場所で事業を展開するビジネスプランも立てており、糞害がなくならない限りビジネスも自動的に成長すると、創設者のジャコブさんは笑いが止まらない様子です。
放置した飼い主を見つけろ!犬の糞を分析して犯人捜し
次に紹介するのは犬の糞からDNAを割り出し、飼い主を探し当てるDNAキット「PooPrints(プープリント)」を開発したバイオ・ペット研究所です。
米テネシー州に本社を置くこの企業は、元々動物のDNA鑑定を行う国際企業で、以前から雑種犬のDNAを割り出すセットなどを販売していました。
しかしある日、研究職員の1人が犬の糞を踏んでしまい、腹を立てているのにヒントを得て、犬の糞からDNAを割り出し、飼い主を見つけるアイデアを思いつきます。
2010年にDNAセットを販売し始めて以来、今では全米だけでなくカナダなどの国外でも販売しています。
このキットの主な顧客は、マンションの管理会社や大家。彼らが部屋を貸し出す前に、入居予定者が飼っているペットのDNAを採取・登録しておき、もし敷地内に糞が見つかったならば、その糞から即DNAを割り出し、飼い主に罰金を科すのだそうです。
プープリントのサービス料は、ペットのDNA鑑定及び登録に各ペットにつき50ドル(約5200円)、そして糞のサンプルが1回毎に75ドル(約7800円)を請求するのみです。
現在は、北米だけでも3000棟ものマンションがプープリントを利用しています。
このサービスを利用しているマンション管理会社の話によると、2011年からプ―プリントを使用以後、初めて後始末をしなかった入居者には50ドル(約5200円)の罰金、2回目は100ドル(約1万300円)、そして3回目には退去通告を出しているのだそうです。
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犬の糞を拾って生計を立てている従業員には、本当に頭が下がるよ。
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犬の糞を拾ってたら、大企業の社長になったんだ…。凄いサクセスストーリーだね。
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拾った糞はどうするわけ?
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ペットの飼い主を全て登録制にすべきだね。
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ペットの世話は、ペットの後始末も含まれてる事を知っておくべき。
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ペットの後始末もできないなら、初めから飼うべきでないよ。
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ペットを飼っている世帯へは増税すべき。
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↑税金使ってペットの糞を拾ってる職員がいる限り、ペットあり世帯税金増は賛成!
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スペインの案はいいねー。
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タバコの投げ捨て犯にも、捨てたタバコを送り返すべきだ!
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犬はまだいいけど、猫の糞は犯人を見つけにくいのでは?
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張り紙やサインが至る所にあるのに、それでも拾わない飼い主はどうかしてる。
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犬のDNAって…。
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親を探し続けている子供がいるというのに…。
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世の中、全てお金で解決しようというのが間違いだよ。
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飼い主の教育に投資しない限り、糞害はなくならないよ。
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↑そして、糞拾い企業が大儲け。
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アメリカだからこそ生まれた企業だよね。
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馬はどうなのよー。馬の糞を拾ってる飼い主なんて見たことないよ。
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騎馬警官が乗っている馬が落としていく糞。あれは最悪だよね。何度車で踏みつけたことか…。
逆転の発想が生むビジネスチャンス
ペットの後始末を取り扱っているビジネス規模のデーターは今のところないものの、実は意外と大きな市場だと言われています。
糞害に遭い、それを機にビジネスへと結びつけた企業家達の「逆転の発想」が素晴らしい例ではないでしょうか。
【参考URL】http://www.bbc.com/capital/story/20160622-there-are-people-making-millions-from-your-pets-poo?ocid=ww.social.link.email
https://www.theguardian.com/world/2016/apr/26/dog-poo-owners-madrid-pets-foul-footpaths-clean-streets
世界的にペットブームだし、こういうビジネスはどんどん儲かるんじゃない?
嫌なことを率先してお金儲けか。考えましたね。