アメリカのニュースで話題になっているのが、ダートマス大学への多額の寄付金です。
同大学においては1回の寄付金額としては最高額となる100億円の寄付金が匿名者によってもたらされました。なおかつ、その匿名者はもし大学側が別途50億円寄付金を集められたら更に100億円寄付するとコメントしています。
一度で一人からの大学への寄付金の額としては多大なものになります。
ダートマス大学は大学教育ランキングにおいてトップ10入りしている名門大学です。歴史が長く、昔から卒業生の多くが寄付金を支払うこともあり全米でも裕福な大学の一つでもあります。
そもそもアメリカの大学の寄付金額は世界で見てもかなり大きな金額です。
2013年の寄付金が最も多かったスタンフォード大学では1年間で1000億円近い金額を集めています。また2位のハーバード大学でも800億円以上の金額を集めています。
結果、大学の寄付金等をもとにした基金の金額は破格である、アメリカで1位のハーバード大学基金は3兆円近い金額にもなります。
一方、日本の東京大学の寄付金総額は2012年で12.9億円と桁が二つ違う結果となっています。アメリカの大学が世界的にみてもレベルが高いと言われているのも納得ができます。
しかしインターネット上で話題になっていることがあります。
それは、在校生の親が大学側から寄付金を求められたが支払わないと子供の進学に影響するかといった相談や、職場や携帯に大学側が寄付金を払うよう卒業生に対してしつこく電話をしてくるがどうすればいいかといった相談が寄せられています。
実際、大学側も寄付金を集めるために人を雇い、専属の部署を作っているだけになかなかそう簡単には電話を無視することはできないようです。
インターネット上でのコメントを見てみましょう。
【参考URL】http://www.bloomberg.com/news/2014-04-10/dartmouth-college-gets-100-million-in-anonymous-donation-1-.html
http://www.reddit.com/r/LifeProTips/comments/q1zwo/want_your_college_to_stop_calling_you_all_the/
http://www.reddit.com/r/YouShouldKnow/comments/q5n9z/ysk_that_your_college_donation_center_calls_you/
http://www.reddit.com/r/IAmA/comments/n3ejo/iama_telemarketer_for_a_major_college_i_harass/
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私は以前大学にて勤務していた時、寄付金支払いをお願いする電話をしていた。
不在のふりをして電話に出ない人や、あいまいな返事をする人はリストに名前が残ってしまい、また電話がかかってきてしまうのではっきり断るべき。
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今は残りの学生ローンを支払っているため電話はかかってこないが、今後もし電話がかかってきたら寄付金の支払いは断るだろう。
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自分が在籍している大学のお金の使い方を見ていると、卒業生が払った寄付金の使い道がおかしいのではないかと感じる。
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寄付金を払うのは任意であり、わざわざ電話をするのはやりすぎではないか。他にもっとやることがあるのではないだろうか。
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大学側がしっかりした寄付金の使い方をしていれば、自然とお金は集まるはずだ。
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大学のランキングが寄付金で決まってしまうためこのように寄付金集めに躍起になる事態が発生する。寄付金の額が多い大学がイコール教育の質が高いとは限らない。
このひどいランキング制度そのものを何とかするべきではないだろうか。
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金額の多寡にかかわらず、寄付金を支払うことで自分の出身大学に貢献するという意識が大事なのではないだろうか。
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寄付金を払わなくても大丈夫だとは思うが、親としては自分の子供の大学に寄付金を求められれば、子供の進学に影響するのではと勘ぐってしまう。
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大学で電話をかけるバイトをしているが、はっきりと断ってくれればリストからすぐに外せる。はっきり断ってくれれば、手間が省ける。
あくまでも仕事なので。
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寄付金も集めて、高い学費も払わせて大学側は何をしたいのだろう。
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寄付をする前に、大学側が寄付金をどのように使っているか確認したうえで、支払うか判断すべきだ。
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大学入学を希望している学生はランキングのいい大学に入学しようとする。
結果、大学側はランキングをあげるために寄付金を集めるしかないというサイクルが永遠に続いていく。
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これだけ寄付金を集めているのに、なぜアメリカの大学はこんなに学費が高くなり続けているのだろうか。
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私は卒業したばかりだが、いつ寄付金の電話がかかってくるのだろう。参加していたクラブに少しでも貢献したいので、寄付金を支払いたい。
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寄付金を求める電話は無視していればいつか止む。
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学費にこれだけ支払っているのに、なぜ寄付金までも支払わないといけないのか。全く理解できない。
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私は寄付金を支払ったのにまだ電話が鳴り続ける。どうしたら電話は止むのだろう。
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卒業生による寄付は大学のランキングにおいて重要な意味を占めている。
たとえ5ドルであっても卒業生が支払うことで寄付参加率を上げ、ランキングを上げることができる。卒業生として貢献ができる。
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昔は学費が安かった。だからこそ卒業生は社会人になって稼いだ分、大学に還元してきた。そして学費も安い水準を保てた。
しかしそのシステムは壊れてしまった。
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大学で電話をかける仕事を担当しているが、大抵は出ないか直ぐに切られてしまう。電話にでてもうやむやな返答が多い。
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電話をかける仕事はチャリティーに基づく仕事なので、出来高やノルマはないがひたすら電話をかけないといけない。
まるで押し売り商法に加担しているようだ。
まとめ
このように寄付金の意義そのものに対する意見から、大学側で寄付金を募る電話をかける仕事をしている人からの電話に対する応答へのアドバイスまで様々な意見が書き込まれていました。
日本人の感覚からするとまず大学側から寄付をするように毎年電話がかかってくることが驚きですし、そのために大学側が人を雇っていることにも驚きを覚えます。
また日本では大学のランキングというと就職率や研究、著名教授が在籍しているかが注目されることが多いですが、寄付金の額が大学のランキングを大きく左右する点も大きく異なっています。
実情としてはアメリカでも、寄付金がこれだけ話題になっており寄付金徴収を行っている大学は80%ほどですが、実際に支払う人は10%ほどといわれています。また一部のお金持ちが節税の一環として寄付を行っている一面もあります。
日本でも近年、大学間の競争が厳しくなっており寄付金や研究への取り組みが強化されています。今後日本でも熾烈な寄付金争いが発生するかもしれません。
またダートマス大学は更に50億円集め、寄付金ランキング上位に食い込むことができるでしょうか。