アメリカでは、ときたま医療保険が適用されずに莫大な金額を請求されてしまうトラブルが起きますね。
今回は事故に巻き込まれた少女を助けようとした勇敢な男性がこのトラブルに巻き込まれてしまいました。
その日、事故は一瞬にして起きました。
クリフ・ファラシは突然自分の車の前で舞い上がる金属片を目にしました。ファラシは急ブレーキをかけ、事故に巻き込まれた車に近寄ります。
煙の舞い上がる車の中には、血だらけの若い少女が座っていました。ドアはなかなか開きませんでしたが、ファラシは少女に、大丈夫だと言いました。
「ボンネットから煙が出てくるのが見えたよ。」と当時を克明に記憶し、それを語るファラシ。彼は生涯この事故を忘れることはないでしょう。
「なんとか窓を少し開けてエンジンを切ろうとしたけどなかなかできなくて、それでやっとのことで上半身まで車に入れたのさ。」
しかし次の瞬間、エンジンが発火し、ファラシは炎に包まれました。彼は引き下がるしかなく、車内の少女が亡くなっていくのを見るしかありませんでした。
彼の残りの記憶は曖昧のようですが、ひどい怪我を負いながらもファラシは他の被害者たちを車から引きずり出すことに成功しました。そしてその直後、近くの車が爆発。間一髪でした。
そしてファラシは警察に話をしたり、妻に電話したりして状況を説明しようとしました。その時、感じたことのない痛みが彼の腕を走り、彼の身体はけいれんを始めるのです。
彼は救急車に乗せられ、病院へ運ばれます。
「ずっと祈り続けたことを覚えてるよ。自分のためだけじゃなくて、あの少女のためにもね。」
とファラシは言います。
医者たちの1週間の懸命な治療の末、ファラシは回復の兆しを見せ、退院にこぎつけます。しかし退院の数日後に保険会社からある手紙が届きます。その内容は、病院でかかった費用を負担しないことを告げるものでした。
この保険会社Aetnaは、ファラシの怪我が病院に1週間滞在するには軽すぎたうえ、ファラシの置かれた火傷治療室は保険の対象外であるとしたのです。そして病院は彼に請求書を送ります。記載されていた請求額は…
1650万円(165,000米ドル)
この莫大な治療費を目にし、ファラシはAetnaに異議を申し立てるも、却下されてしまいます。
一夜にしてこの医療保険の犠牲者となったファラシ。44歳で二児の父であり、家業も持っています。
仕事中も保険の適用内となっており、保険料も払っていることから緊急の手術などでも適用されると思っていたようです。
「私の怪我が軽いもので、あの場所で治療を受けなくてもよかったって言われているんですからね(ファラシ)。」
彼は火傷治療室での痛みも覚えており、看護師に治療されている際には痛みが強すぎて気絶しそうにさえなったそうです。鎮痛剤を飲んでいたのにも関わらず。
そして治療中、腕をクリームとガーゼで包まれ、日々その交換を看護師がしていたそうです。
彼の妻が言うところによると、ガーゼを変える度に皮膚がはがれ、それを看護師がナイフのようなもので取っていたそうです。皮膚移植さえ必要かもしれないと言われたなか、彼は何とか回復の兆しをみせ、1週間後に退院までこぎつけたのでした。
退院し、Aetnaからの手紙を見た彼はAetnaに抗議しますが、認められません。Aetnaの役員は、Aetnaが必要であると認める医療サービスに対してのみ保険が適用されると主張したそうです。
「呼吸器にダメージはなく、容態は安定的だったと言える。現在行われている治療または薬の投与は早急で深刻な入院を必要とはしなかったはずである。今後の治療も現在のような集中的なものでなくて良いであろう。」
と手紙には書かれていました。この手紙に対し、ファラシは弁護士を雇い、戦いを続けました。
「私は自分で選んで病院に入ったのではありません。それは私を毎日治療してくれた医者たちの判断なのです。
医者の判断に疑問を呈したりそれを却下したりすることは保険会社がやるべきなのでしょうか。保険会社に治療されたり経過も見られたわけではないのに(ファラシ)。」
ファラシはテレビ局まで巻き込み、弁護士とともにAetnaに立ち向かった結果、最終的になんとか医療費を払うことなく、事態を落ち着かせることができたようです。
大変な事態を切り抜けたファラシですが、あの事故のことは忘れることはなく、救えなかった少女の顔を思い浮かべない日はないそうです。
「また明日同じような状況に出くわしたとしても、僕は助ける。僕たちはそうしなきゃいけないんだ。助けなきゃ。」
この一件に対して、海外では以下の反応がありました。
【参考URL】http://www.azcentral.com/story/money/business/consumer/call%2012%20for%20action/2014/04/24/injured-good-samaritan-billed-aetna/8129925/
http://www.reddit.com/r/news/comments/23zt6f/health_care_nightmares_day_5_injured_good/
-
これだからみんな保険会社がきらいなんだ。なくさなきゃいけないな。
-
一週間いただけでこの額ってどういうことだよ。値段ってどうやって決まるもんなの?あと病院って値切れるの?
-
↑ちょっと値下げしてもらって死ぬまで月々金払い続けたりはできるみたい。それか破産するか。
-
↑1. 口座から金全部おろす。
2. 世界旅行。
3. 破産申請。
4. 生活保護。
-
まぁこんだけ腕のある医者だったらそんくらい金かかるか。
-
そういえば病院のお金って交渉とかできるんだよ。奥さんと兄弟のためにやったことあるけど、請求書発行してる会社に電話して交渉するとだいたい値段さがるよ。
-
失業手当とか障害者保険もいっしょだよ。みんなリスク負って生活して結局ああいう会社が利益を吸い取ってくだけなのさ。
-
公的な制度を選べばいいのに。どうやらコストは3分の1でもっといい治療が受けられるみたいだし。
-
保険会社はこうやって金を得るのさ。だれかボーナスもらうんじゃね。
-
なんかこの国の医療保険のシステムってもうめちゃくちゃだね。誰も何もしようとしてこなかったのが残念だよ。
-
イギリスに住んでるけど、こんなこと心配しなくていいから、イギリスで良かったぜー。
-
↑そうだね。でも君たちには他にもっと心配すべきことがあるさ。
-
保険会社が適用範囲外だって言ってるのが問題なのか、それとも医療費自体がめちゃくちゃ高いのが問題なのか、どっちだろう。
まとめ
保険のことは全く詳しくありませんが、日本の保険っていいんですかね?
あんまりこのようなニュースは日本では聞かないので、大きな問題はないとみていいんでしょうか。
欧米では、デンマークなどが、医療費がかからないって有名ですが、結局税金がめちゃ高いのが事実ですね。国民全員で全員をサポートするか、それともある程度個々に任せるのか、どちらがいいか一度考えてみたいところですね。
それにしても人を助けてやけどって表彰レベルの素晴らしいことだと思うんだ。