みんなが知っているM&M’Sのチョコ。でも、このチョコは、他のチョコレートと違うことを知っている方は少ないのではないでしょうか?
何が違うかと言うと、このチョコは他のチョコレートに比べると、なかなか溶けないようにできているんです。溶けないのは、チョコレートの周りがお砂糖でコーティングされていて、溶けるのを防いでいからです。
このチョコの考案者、フォレスト・マース氏は、戦争下のスペインの兵士たちからM&M’Sのチョコのヒントを得ました。彼らが、お砂糖でコーティングされたチョコレートを食べているのを見たのです。
M&M’Sの生みの親、フォレスト・マース氏は、実は、フォーブス誌の世界の億万長者番付で30位に選ばれるほどのお金持ちでもあります。チョコレート会社の彼が、いかにして富を築くようになったのか、お話ししましょう。
フォレスト・マースの生い立ちと経歴
フォレスト・マース氏は、1904年にアメリカのミネソタ州で生まれました。そして、アメリカの名門大学、イェール大学を卒業しています。専攻は、エンジニアでした。
チョコレートやキャンディーの会社:マースの社長である父との関係
皆さんがご存じのM&M’Sは、チョコレートやキャンディーの有名な会社、マースが出していますが、マースはフォレスト・マース氏の父親の会社でした。
マースが父親の会社というと、普通に父親と会社を運営し、父親からマースを引き継いだように思えますが、彼の場合にはそう簡単にはいきませんでした。
実は父親といっても、彼が幼い時に離婚していて、父親はほとんどフォレスト・マース氏の幼少そして子供の時を知らないのです。
さらに大学卒業後、フォレスト・マース氏は1920年から父親の会社で働くことになったのですが、会社を追い出されてしまいます。
会社を追い出されたのは、父親と彼の意見が合わなかったからと言われています。1932年のことでした。
会社を追い出された彼は、その時に父親から渡された500万円を持って、イギリスに渡ります。
イギリスでミルキーウェイを発売
イギリスへ渡った彼は、父親から販売の許しを得ていたミルキーウェイをイギリス人の好みに合わせて、レシピを変えて販売しました。
ミルキーウェイって何のことかわかりますか?
中にココア味のホイップクリームが入ったチョコレートバーのことです。ふんわりとした食感ですが、チョコレートバーなので食べ応えもあります。
ミルキーウェイはマースの目玉商品ですが、これをフォレスト・マース氏はイギリスで販売したのです。彼が凄いのは、アメリカで販売しているミルキーウェイをそのまま販売せずに、アンケートを取って、イギリス人の好みに合わせてレシピを変えたこと。
イギリスではミルキーウェイを販売するだけでなく、コーヒーで有名なネスレでも働きました。
M&M’Sの誕生
フォレスト・マース氏は、1940年にはアメリカに戻り、スペインの戦争でヒントを得たチョコレートを販売します。これが、M&M’Sの始まりです。彼がM&M’Sの販売を実現するまでに、ちょっとしたエピソードがあるのでご紹介しましょう。
1940年と言えば、第二次世界大戦中。せっかくM&M’Sのアイディアがあるのに、M&M’Sを作るのに必要なチョコレートが不足していました。
この問題を解決するために、彼はアメリカの大手のチョコレート会社、ハーシーズの息子に歩み寄ったのです。ともすれば、ハーシーズはマースのライバル会社。フォレスト・マース氏の大胆な行動に驚かされます。
幸い、ハーシーズの息子が彼と手を組むことになりました。彼の名前は、ムリエ。二人のイニシャルを取ってM&M’Sと名付けられました。
父親の会社:マースを受け継ぐまで
フォレスト・マース氏が、父親のマースを受け継ぐまでには時間がかかりました。悲しい話しですが、彼が会社を受け継いだのは父親が亡くなった時のこと。1960年の時でした。
それまで、彼はチョコレートだけでなくペット用の食料の販売などにも力を入れていました。
フォレスト・マース氏の経営方針
フォレスト・マース氏の経営方針は、とても厳しかったことで知られています。
例えば、目標の売り上げを達成できないと部長は解雇されることがありました。これに対し、1週間、無遅刻、無欠席で出勤すると、お給料に10%の上乗せをすることも。
この厳しさは、彼の会社への強い思いからくると言えます。
会社を引き継いた時の、最初のミーティングのスピーチで、フォレスト・マース氏が、跪いて、「ミルキーウェイのために、祈る。スニッカーズのために、祈る。」と言ったというエピソードはよく知られています。
彼のこの言葉は、彼の会社への強い思いを表しているのです。
また、こんな話もあります。
彼が会社に残って生産されていたM&M’Sのチョコレートを見ていたら、チョコレートにM&M’SのMがちゃんと印字できていないチョコを見つけたのです。彼は激怒して、販売担当に真夜中だというのに電話をして、説教をしたといのです。
厳しさは有難いですが、厄介だったのは彼の気性が激しいこと。会社では彼が思うように、仕事がなされていないとかっとなり、その事で社員をよく怒っていたそうです。
今も引き継がれる、マースの経営方針
彼が父親からマースを引き継いだのは彼が60代の時のことですが、フォレスト・マース氏は、本領を発揮しました。マースの売り上げをどんどん上げていったのです。
売上げを支えたのは、彼の会社への強い思いと厳しさ、そして、マースの経営方針だと言われています。ここに、マースの経営方針をご紹介しましょう。
「会社の社員全員が、マースのリーダーシップが優れ、そしてマールの製品がいいものであることを信じ、会社の売り上げのために、一致団結して、一身で働かなければならない。」
この言葉は、フォレスト・マース氏の会社への思い、そして働きぶりを表していると言えますが、社員全員にも同じ気持ちで、そして同じ働きぶりをすることを求めたのです。
マースが大切にしている5つのこと
さらに、マースには、マースが大切にして5つのキーワードがあります。この5つのキーワードは、フォレスト・マース氏が引退している今でも、受け継がれています。ここに簡単に紹介しましょう。
2.責任:普通の会社では、何かがあると、社員一人、一人の責任は問わず、会社のトップが責任が取るが、我々は、違う。会社で起きることには、社員一人、一人が責任があるのだ。会社のトップは、会社で何かが起きたら、その事に責任がある社員のサポートをするだけだ。
3.相互関係:お互いに得た利益は、分かち合う。利益を分かち合っていくと、会社は、持続する。
4.効率性:資源やあらゆる機会を最大限に活かしていく。そして、我々が、ベストでできることだけをしていく。何も無駄にしてはいけない。
5.自由:会社に未来をもたらすために、自由でいる。自由でいられる状態でいる必要があるのだ。
まとめ
会社思いの、厳しい経営者だった!
マースのチョコレートは甘くて美味しいですが、フォレスト・マース氏は、実は厳しい方だったんです。マースの経営方針や5つの経営キーワードにも表れています。
フォレスト・マース氏は、1999年に95歳で亡くなりました。今は、彼の3人の子供がマースを引き継いでいます。
彼の人生についてお伝えしましたが、久しぶりに、スペインの兵士からヒントを得たというM&M’Sのチョコが食べたくなりました。
【参考URL】http://www.nytimes.com/1999/07/03/business/forrest-mars-95-creator-of-the-m-m-and-a-candy-empire.html
http://www.mars.com/global/about-mars/mars-pia/our-approach-to-business/story-of-mars.aspx
http://www.mars.com/global/about-mars/the-five-principles-of-mars.aspx
http://fortune.com/2013/03/31/the-sweet-secret-world-of-forrest-mars-fortune-1967/
m&m’s は中国製になったからもう買えない。
スニッカーズやハーシーズも裏よく見たら「中国製」
NASCAR好きでよく見てた。
カイル・ブッシュの乗るトヨタは格好良かったな~
マース社傘下のペットフード会社ロイヤルカナン、フランス製から韓国製へ
>「会社の社員全員が、マースのリーダーシップが優れ、そしてマールの製品が(以下略)」
マース社長に怒られるよ><