最近ニュースを賑わせている次期アメリカ大統領選挙。アメリカ大統領選挙はオリンピックの年に開催され、オリンピックと同様に4年に1度行われます。

1年にも及ぶ長期戦で、1～7月までは予備選挙と呼ばれ、各党の候補者を選ぶための選挙が各州で行われます。そして7月に各党が全国大会を行い、1人の候補者を選ぶことになります。

そして11月にこの2者のどちらかを選ぶ投票が始まり、最終的に大統領が決定するのはなんと来年の1月。なんとも長丁場なのです。

そして候補者の中で今回最も注目を集めているのが、共和党のドナルド・トランプ氏と、民主党のヒラリー・クリントン氏。

感情的で政治家とは思えないストレートな言動が目につくトランプ氏に対し、したたかで計算されたイメージのあるクリントン氏。非常に対照的な両候補に連日マスコミも大騒ぎ状態が続きました。

民主党候補者、ヒラリー・クリントンとは

当選すればアメリカ初の女性大統領となる民主党候補者、ヒラリー・クリントン氏の夫は、言わずと知れた元アメリカ大統領のビル・クリントン氏です。

彼女は夫の不倫問題で注目され始めたと言っても過言ではないのですが、夫の大統領退任後は自らが政治家としてのキャリアを積み上げ、ニューヨーク州選出の上院議員として2回当選。そして、2009～2013年にはオバマ政権の国務長官として活躍しました。

なんとも志の高いヒラリー氏ですが、夫婦ともに常にお金にまつわる話題がが多いのも彼女の特徴。今回は、ヒラリー氏と彼女に関わる人たちのお金の話を紹介しましょう。

慈善団体なんて嘘？数々の不正献金疑惑

ヒラリー氏は娘のチェルシーさんも含め、一家で慈善団体「クリントン財団」を運営しています。クリントン財団は貧困・人種・宗教問題など様々な問題に取り組む慈善団体。しかし、話題に上るのは活動の内容よりも財団への寄付の話ばかりです。

しかもヒラリー氏が国務長官時代にクリントン財団に寄付をした外国政府や企業は、彼女から特別な扱いを受けていたという疑惑がよく報道されています。

最新の米紙ニューヨーク・タイムズのスクープでは、2009年から13年にかけてロシアの原子力企業ロスアトムがウラン生産会社を買収した時期に、ウラン生産会社の会長よりクリントン財団に計235万ドル（約2億5000万円）の寄付が送られていたとの事です。

この買収に際してはアメリカの国務省を中心とする委員会からの承認が必要であり、当時国務長官であったのはヒラリー氏でした。

また、買収時期にロシアで講演を行っていた夫の元クリントン大統領へは、ロシアの政府機関と関連深い投資銀行から謝礼金50万ドル（約5300万円）を受け取っていたことも明らかになっています。

ちなみにクリントン財団の発表では、元大統領が2001年から2013年までに行った講演料の収入は1億ドル（約106億円）。高額な講演料を受け取りながらも、謝礼金をも受け取るクリントン一家。なんとも彼らのしたたかさが伺えます。

ハリウッドスター付きの政治資金パーティー

ハリウッドのスター達を利用しての、政治資金パーティーが目立つクリントン氏。昨年の12月には歌手のスティングが資金集めディナーパティ―に参加し、一夜にして800万ドル（約8億510万円）をかき集める事に成功しました。

そして気になるパーティーのチケット代はなんと、3万3400ドル（約355万円）～10万ドル（約1060万円）。一般庶民には全く手の届かない金額です。

また今年に入ってからは、3月にニューヨークのラジオシティー・ミュージックホールで政治資金集めコンサートを開催。これにはヒラリー氏を支持するミュージシャン、ケーティー・パリ―やエルトン・ジョンが出席し会場は6000人の観客で埋め尽くされました。

そして今回のチケット料は125ドル（約1万3000円）～2700ドル（約28万7000円）と、少し良心的になっています。ちなみにこのコンサートには、11人の個人支援者より合計10万ドル（約1060万円）が別途で寄付されたとの事です。

そして4月には、何かと夫婦でマスコミを騒がしているジョージ・クルーニーと彼の妻アマールさんを囲んで、なぜか彼らのロスの自宅でパーティーが開催されました。

おそらく多くの方がジョージ・クルーニー夫妻の自宅見たさに参加したいと思うでしょうが、参加費用は1人につき3万3400ドル（約355万円）。興味本位で行けるようなパーティではありません。

まさに金の亡者！家族総出の資金集め

米紙ワシントン・ポストによると、クリントン元大統領夫妻は1974年以来の41年間で、自らの財団の為にかき集めた資金は少なくとも30億ドル（約3200億円）だと報じています。

このクリントン一家の膨大な資金集めには、娘のチェルシーさんも積極的に参加しており、今年の2月には単独でロンドンに渡っています。

海外の支持者を集めたロンドンでの集会には、彼女との写真撮影という特典付きでチケット料は1人500ドル（約5万3000円）～1000ドル（約10万6000円）。

そして、集会後に行われたディナーパーティーには、更に1人2700ドル（約28万7000円）の参加費用を請求したのだそうです。

大統領時代からの世界規模でのネットワークをうまく利用しているクリントン一家。彼らの資金獲得術はアメリカの政治をも変質させたと言われる事もあります。

70歳を前にして大統領候補にまで這い上がったヒラリー氏。豊富な資金を元にアメリカ史上初の女性大統領の夢を果たすことができるでしょうか。

【参考URL】http://jp.wsj.com/articles/SB11702692451560034542404580598062363450470
http://www.politico.com/story/2016/03/hillary-clinton-george-clooney-fundraiser-221207
http://www.huffingtonpost.co.uk/2016/02/23/this-is-how-much-dinner-with-chelsea-clinton-in-london-cost_n_9298322.html

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