はじめに
世界有数のお金持ちのスターが集まる、アメリカ、ハリウッド。華やかな反面、私生活においては何回も結婚そして離婚を繰り返しているスターも多いです。
つらく、貧しかった下積み時代を乗り越え、巨万の富を得るようになると環境や考え方も変わるのでしょうか?
3度目の結婚、4度目の結婚とハリウッドスターの話はよく耳にします。
今の時代、離婚は悪いイメージにとられているとは限りません。むしろじっと耐えて、心の通わない相手とずっと暮らしている人の方が自分の気持ちに正直に生きていないと批判を受けるケースもあるぐらいです。
そうした状況の中、世界的スターとしての地位を確立し、しかも家族とはずっと円満で生活しているスターってどんな方なんだろう?と、思った経験はないですか。
今回は、その幸せを実現している世界的大スター、ヒュー・ジャックマンについて語らせていただきます。
生い立ち
ヒュー・ジャックマンは、1968年、10月12日、オーストラリア、シドニーに、5人兄弟の末っ子として、生まれました。
父親の名前は、クリストファー・ジョン・ジャックマン、母親の名前は、グレイス・マクニールです。彼の両親は、1967年にイギリスから、オーストラリアに移住してきました。
父親のクリストファーは、会計士としての仕事に、必死に取り組んでいました。しかし、母親グレイスは、夫のクリストファーが仕事に精を出すことを、あまり良くは思っていませんでした。
ジャックマンは、生まれてからの18か月間、母親と一緒に過ごしてはいません。
ジャックマンが8歳の時に、両親はとうとう離婚してしまいます。
彼の母親は、ジャックマンと彼の兄弟を残してイギリスへと帰っていきました。数年後、彼の母親は再婚します。そして、ジャックマンには父親が違う妹が生まれます。
ジャックマンは、後に自分の母親について次のように語っています・・
けど、彼女はかなりつらい日々を送っていたらしい。僕は生まれてから18か月間は、祖父母のもとに預けられたんだよ。」
母親を思いやるヒュー・ジャックマンの言葉、なんだかジーンときますね。彼の人柄がうかがえます。ジャックマンの父親は自分の子供達5人を男手一つで育て上げます。
ジャックマンは、父親のことをものすごく尊敬しています。
「ぼくは、父が誰かほかの人の悪口を言っているのを聞いたことがない。もちろん、僕の母親を含めてね。・・・僕は彼のそんなところを愛しているし、尊敬しているんだ。」
と、語っています。
ジャックマンのお話から察するに、このお父様、相当できた方のようですね。親しい家族の前で人の悪口を一度も言わないなんて、なかなかできることではありません。
他人にそのようにふるまっても、家族といる時は気が緩んでついつい他人に対する不満を口にしてしまうものです。
ジャックマンは、地元ワールンガーの男子校、ノックス・グラマー・スクールへ通っていた頃から非凡な才能を発揮します。生徒会長に選ばれ、スポーツ、演劇において優秀な成績をおさめます。
シドニー工科大へ進学して、コミュニケーションやジャーナリズムについて学びました。1991年にこの大学を卒業した後、ジャックマンは、自分の進路を演劇へと切り替えます。
さらに、”Western Australian Academy of Performing Arts”(西オーストラリア州、バースにある演劇の学校)に進みます。そこの学校を卒業した時、彼は26歳でした。
「この大学での3年間は、多分、私の人生の中でも最も幸せな時期の一つだ。サーカス、ダンス、歌、等様々なことが学べた。」
と彼は、この頃の充実した日々について、語っています。
下積み時代、そして最愛の妻との出会い。
彼は、俳優生活を始めたばかりの頃は、子供のパーティでピエロを演じるアルバイトをしたり、レストランや、ガソリンスタンドで働いたりして、生計を立てていました。
1995年、そんな彼にTVドラマの出演依頼が舞い込みます。
そのTVドラマのタイトルは、「コレリ」で、刑務所の受刑者がカウンセラーの女性に恋をするという内容です。
主役の受刑者の役をジャックマンが演じ、また、カウンセラーの女性は、後に彼の妻となるデボラ・リー・ファーネスが演じています。
その頃の彼はABCテレビで、わずか週1200ドル稼いでいましたが、役者としてはまだまだでした。
でも、彼はデボラにこう言います。
「ねえ、ここに素晴らしい懸けがあるよ。僕はたとえ何がこれから起ころうとも、ありのままの君を愛し続ける。この気持ちはずっと変わらない。そう、ぼくがオスカーを受賞するようになってもね。僕を信じてかけてみないかい?」
こんなセリフ、言われてみたいです。ありのままの君ってところが、ジャックマンがお父さんにどれだけ愛されて育ったかがわかる言葉だと思います。
まだ、役者としては、かけだしだった彼を信じたデボラも、すごいですよね。当時、デボラの方はオーストラリアでは、有名な女優でした。
その後、ジャックマンは、オーストラリアでTVシリーズの依頼を受け仕事に励みます。また、メルボルンの、ミュージカル劇場において、舞台の活動も続けます。
ジャックマンが海外で知られるようになったのは、1998年に彼が、ミュージカル「オクラホマ!」で、主役を演じてからです。この作品で彼は、ローレンス・オリヴィエ賞にノミネートされます。
ブレイク
1999年、「Xーメン」の主役のオファーが、ジャックマンのもとに来ます。彼は、この仕事を引き受けますが、主役のウルヴァリンの演技は、ジャックマンにとって困難を極めるものでした。
何故なら、ウルヴァリンにはセリフがほとんどなく、しかし、たくさんの感情を映画の中で表現しなければなりません。
ジャックマンは、「ダーティ・ハリー」のクリント・イーストウッドや、「マッド・マックス2」のメル・ギブソンの演技を研究しました。それらの演技は、比較的対話が少ないものだったからです。
単に、彼らの演技をコピーするのではなく、しっかりとした彼独自の演技を確立しました。マイク・タイソンの試合も何回も見たそうです。
また、自宅で「X-メン」の爪を使いこなせるように、爪を付けて毎日リビングを歩き回って、練習しています。顔や足にひっかき傷をこしらえてしまったそうです。
本当に、ジャックマンって、努力家なんですね。彼の努力に、脱帽します。
この努力の甲斐あって、「Xーメン」シリーズは、1から7までシリーズ化され、世界中で公開されました。
2013年に公開された「レ・ミゼラブル」も彼の代表作の一つです。子どもの頃、この本を読みましたがあまりにもすごい内容で、今でも、この時の感動が、私の胸の中に深く刻み込まれています。
主人公のジャン・バルジャンを演じきれる人物って、そうとう人格者じゃないと無理だろうなと私は思います。
でも、そこは実力と人格と両方、兼ね備えたジャックマンです。見事に演じきってくれました。
ジャン・バルジャンを演じるジャックマンの顔には、人生のつらさや悲しさが塗り込められていました。セクシーで、イケメンのジャックマンとは全く別人の雰囲気を漂わせています。
収入
今回は、ジャックマンの数ある作品の中でも、「X-メン」シリーズと、「レ・ミゼラブル」の興行収入について、紹介させていただきます。
X-メン 2000年 2億9625万ドル
X-メン2 2003年 4億0755万ドル
X-メン:ファイナル・ディシジョン 2006年 4億5935万ドル
ウルヴァリン:X-メンZERO 2009年 3億7306万ドル
X-メン:ファースト・ゼネレーション 2011年 3億5362万ドル
ウルヴァリン:SAMURAI 2013年 4億1482万ドル
X-メン:フューチャー&パスト 2014年 5億0015万ドル
レ・ミゼラブル 2012年 4億3300万ドル
家族
彼は、家族のことをとても大切にしています。彼には、家族と2週間以上離れて暮らさないというルールがあり、それを忠実に守っています。
ジャックマンは、たとえ、映画の撮影中であっても、たった36時間しか、自宅にいられないとしても、ちゃんと家族のもとに帰り、ジェット機でまた撮影場所へととんぼ返りをしています。
このアイデアは、妻のデボラが提案したものです。彼女は、「長い間一人で暮らしていると、何か問題があっても、自分一人で問題を解決できるようになる。こうやってお互いのつながりというものは壊れていくものだ。」と語っています。
確かに、言えますね。お互いが、”相手にとって必要な存在であり続けること”、これって、忘れてはいけませんよね。
妻のデボラと、子供たちはオーストラリアに住んでいるわけですから、なかなか、できることでは、ありません。平凡な幸せを維持するって本当は、すごい努力のいることなのかもしれません。
終わりに
ヒュー・ジャックマン、彼は、なぜ役者としても、プライベートでも成功しているかって、やっぱり今の幸せを当たり前にせず、かげで努力し続けていることですかね。
平々凡々で、幸せなことって、毎日の努力の積み重ねによってできているんですね。仕事だけでなく、彼の家族に対する日頃の行い、見習うところがたくさんあると思いました。
【参考URL】http://www.goodhousekeeping.com/family/celebrity-interviews/hugh-jackman
http://www.allaboutjackman.com/bio.html
http://www.eiga-ranking.com/movie/13064.html
http://forest-cat.com/boxoffice/series01.php
http://en.wikipedia.org/wiki/Hugh_Jackman#Oklahoma.21
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