イギリス貴族が遺産相続税を払うため、山一つまるまる売りに出す。
イギリスはイングランドに第8代目ロンスダーレのヒュー=ロウザー伯爵という人物がいる。ヒュー=ロウザー伯爵は2006年に父親が亡くなった後にロンスダーレの爵位とロウザー家の遺産を相続した。
しかし遺産相続には相続税がかかってきた。思いもよらず、それが900万ポンド(15億円)という天井破りな巨額の相続税だった。
しかも900万ポンドの相続税は18ヶ月以内に払わなければならない。ヒュー=ロウザー伯爵はその900万ポンドに頭を悩ましていた。
そこでヒュー=ロウザー伯爵が不足分の税金を集めるため考えついたのが、やむ終えなく、相続した遺産の一部である所有している領地の中の“一山”をまるまるオークションにだす、という想定外に大きい売りものだった。
その金額も175万ポンド(約300万ドル、約3億円)という高値で売りに出すことにした。
この山の名前はブレンカスラ山といい、標高914メートル、敷地面積は1083ヘクタール(約1千万平米、約2676エーカー)、この山を売りに出そうというのだ。
売りに出されたブレンカスラ山はイングランド西北部レイクディストリクト(イングラント湖沼地区)国定公園にある。
絵に描いたように美しい風光明媚な山であり、その地域の象徴的存在でもある。山はその山稜の形から「馬の鞍」と言われている。
その地区を代表する観光地で、そのフォトジェニックな美しさに旅行客も多く、多くの登山家も非常に好む山である。購入者は約1千万平米のそんな美しい大自然の絶景を一人占め出来るということになる。
インタビュー内容も貴族の雰囲気出まくり
ヒュー=ロウザー伯爵はイギリスのニュース番組に出演し、こう語っている。
しかしながら、この山を売りに出すことが最善最良の選択であると考えています。さもなければ何百年も我が一族が所有してきたロンスダーレの荘園を細かく分割してオークションに出さなければならなくなります。
私たちはロンスダーレの中心である荘園に損害を与えたくはないのです。ロンスダーレの荘園の土地には、荘園の土地を借りて生計を立てている農家の方々やその他借り手の方々がいます。
ロンスダーレの荘園を売りに出すということは、このような方々をロンスダーレの土地から追い出すことになります。そのような事にはしたくないのです。
私たちの望むことはロンスダーレの資産の中心部分を出来うる限り、そのままの姿で保存・維持していくことです。ブレンカスラ山は交通の面でも至極便利な位置にあります。
自然の風景も四季それぞれに本当に美しい。しかし、ブレンスカラ山を売りに出すのは非常に難しい、ということも分っているつもりです。そうだな、成金のロシア人あたりが買ってくれると一番いいんですけどね。」
ヒュー=ロウザー伯爵の証券会社の方曰く
「どこかの勢いのある、狂ったような成金暴君が、まるで巨額な資産を自ら進んで浪費して高額な芸術品を買うように、ブレンスカラ山を買ってくれるといいと思っています。」と語っている。
貴族の勲章も使える特典
オークションに出す難しさをよくわかっているヒュー=ロウザー伯爵は買い主には「スレルケルド荘園領主」を名乗る権利が与えられることを承認している。
イギリス紋章院(国民に新たな紋章を授与するほか、国王や王家の典礼を司る英国王直属の機関)へ新たな紋章(盾型の紋章)作成の申請を出し、自分自身の紋章を作ることも出来る。
羊も放牧自由の特典
そして、ブレンスカラ山で6000頭以上の羊を牧羊する権利も得られる。ヒュー=ロウザー伯爵の言葉を借りると、「買い主は財産も名誉も両方とも得る事ができます。」ということになる。
ヒュー=ロウザー伯爵が強調して語っている事は、もしも本当に誰一人も快くこの山を買う人がいない場合には、政府かあるいはナショナル・トラストが、ヒュー=ロウザー伯爵に手を差し伸べて、買い取り管理してくれることを願っている、ということだ。
貴族は金銭感覚おかしい
そして、ヒュー=ロウザー伯爵はこのように語っている。「もしも相続税をすっきり全て返し終わった日が来たならば、私は今までよりももっと心地よく気持ちよく生活が送れるだろうと思います。
そうだな、今思い描いていることは、フランス南部でヨットを買いまして、それどころかバハマ群島に一棟の家でも買って日々リラックスして過ごしましょうか。気持ちよい過ごし方ですよね。
そのためなら、なぜ売りにださない人がいるでしょうか。」900ポンドという天井破りな額を払い終わり、その日が一日も早くくることを祈っているだろう。
相続税の額は確かに高額だが、このヒュー=ロウザー伯爵の一言を聞いて、「その額の税金を払った後もその優雅な生活ができるのだ。」ということをふと考える人もいることだろう。
イギリスの相続税制度は甘い
イギリスの相続税制度は日本に比べてかなり相続者に緩い税制度となっている。課税対象の最低限の額も毎年引き上がっているのが実情だ。
2000年時点では、課税最低限は 234,000 ポンド(当時1ポンド 約170円で 3978 万円)に達している。そして、2000年当時であれば死後相続したとして課税率は40%となっている。
そして、かなりの資産額を残した場合であっても、配偶者控除などの相続税の軽減措置が受けられるようになっている。
以前はナショナル・トラストで貴族はその資産が減額していかないような仕組みの下にあったため、資産の保有総額はヨーロッパの他国の貴族に比べてもイギリス貴族の富裕率は高いことで有名ではある。
このような税制度にしてもまるで天井なしの相続税を課せられるイギリス貴族である。しかしそれにしても、かれらイギリス貴族の資産は一家でいかほどの額になるのか、考えてみるだけでもそら恐ろしいほどである。
正直に話したら一山まるまる売りに出す事くらいはなんの腹も痛まないのかもしれない。などど、いらぬ想像をしてしまう。
げんにヒュー=ロウザー伯爵の口からは相続税を払い終わった後も悠々自適な優雅な生活の計画が語られている。あなたが相続劇の主人公になったらどうしますか?
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すぐに買う!175万は安いすぎる!、、、あ、ポンドか。(台湾)
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約50倍にしたら新台湾ドル価格。お金持ちの台湾人には何の問題もないだろうなぁ。(台湾)
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帝宝(台湾の高級マンション)より安い。(台湾)
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一山買って牧羊するのも悪くない。
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自分が一山丸々持ってたらどうしよう。
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一山丸々持ってたら自分自身をどこでも好きな所に埋葬できる。人と風水的にどこがいいかとかって喧嘩しなくて済む。(台湾)
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山もあり水もあり荘園もあって1億元以下、10億近く使ってワンフロアを買う人たちはどんな気持ちだろうか・・・。(台湾)
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400年前からの祖先の遺産・・・すごいな!(台湾)
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1083ヘクタールで一億以下、本当にイギリスは土地が安い!(台湾)
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イギリスで生活するのは台湾より生活の苦痛指数が低いんだから!(台湾)
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↑じゃぁ、きみはイギリスに行けばいいじゃないか。(台湾)
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イギリスの相続税は一代でこんなに高いの!?
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1000メートルにもなろうって山が、安すぎるんじゃない?きっと伯爵は価格を暴露したくなかっただけじゃないの?(台湾)
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イギリスって相続税なしじゃなかった?
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彼ら(伯爵たち)に早く台湾に移民してくるようお願いしたら?台湾の相続税は10%、お金持ちの天国だもの!
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ヨーロッパ各国の相続税はとても高いよ!貴族のお城とか荘園とか全部、貴族の子弟に世襲させる事ができない人だっているくらいだから。
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それも富が3代目までに渡らないようにだ。次の代は必ず自分の努力で社会力を身につけて、もまれて頭角を表す仕組みになってる。
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富豪の財産を厳しく分配する事でヨーロッパは社会正義を実現し、社会革命がおこらないように防いでいるんじゃないかな。
相続できるだけの金や土地があるだけ幸せすぎだろ。相続制度があるから金持ちはずっと金持ちなわけ。こいつが!?って思うような人が何億も貯金あるよっていう場合には宝くじか相続かって思うしかないその瞬間がとてもつらい。