もはや英語だけでは十分ではなくなった?
「週末には車で中国まで遊びに行ったりするの?」
「なんで英語が下手くそなの?教育を受けていないの?」
「アメリカは世界の中心で、世界のリーダーで世界の警察の役目を果たしているんだよ」
アメリカにしばらく滞在・住んだことがあるのなら、多くの日本人がこれらのセリフを耳にしたことがあるのではないでしょうか。
たくさんのアメリカ人が、アメリカこそこの世の全てで英語こそが全人類が話すべき言語だといまだに思っている節があります。
それは外国に気を使うように、意識するように、よその国々とは上手にお付き合いしてうまく共存していくように、という教育を受けてきた日本人とは真逆の感覚です。
ところがいわゆる「殿様」状態だったアメリカにもここ数年、大きな変化が訪れています。
インド、中国の急速な経済発展やインターネットの発展等により、グローバルな企業・仕事がアメリカでも大いに増えてきたため、流石に英語の言語だけで仕事をこなしていくことが難しくなってきたのです。
かつ「どっぷり」愛国者で国内のことしか知らなかったアメリカ人たちも、時代の流れと共にようやく(?)外国にもっと目を向け、外国にはほかの文化、歴史、言語があるんだということ再認識し、興味を抱き始めドアを開き出しました。
日本では少し前まで、外国語を通訳・翻訳する仕事といえば圧倒的に英語の言語ばかりでしたが、ここ数年は中国語と韓国語、時にはヒンディー語、スペイン語、ロシア語などの需要も大きく伸びています。
それと同様、国としても、企業、個人単位としても「外」に目を向け出したアメリカでも外国語の通訳・翻訳者があらゆるシーンで必要とされるようになりました。
そこでCNNのウェブサイト(http://money.cnn.com/2013/10/30/news/economy/job-skills-foreign-language/)でも、「アメリカで一番「ホット」な仕事は外国語の通訳・翻訳!?」という記事が掲載されました。
アメリカの有名企業でもバイリンガル募集を開始
カスタマー・サービス・チーム(アマゾン)
所在地:シアトル
韓国語、メキシカン・スパニッシュ、中国語のテクニカル翻訳人募集(アップル)
(*いづれも過去の募集内容です)
アメリカではここ数年、外国語の通訳・翻訳能力のある人材を求む求人広告が急速に目立ち始めています。実際に、ある時はたった一週間で12000もの通訳者翻訳者募集の広告が出ました。
アメリカでは通訳・翻訳の収入はいくら?
カルフォルニアのとある学校では、時給$40( で約4200円)で中国語、スペイン語、アルメニア語、韓国語の通訳者を募集しています。
ちなみにアメリカ全土でこの分野の仕事は平均年収が$43,000(約452万円)となっています。軍事、国務省、CIA、FBIや政府の請負業者に代わる情報機関に入れば、より高額の収入が期待できます。
例えば政府が募集している、中近東やアフリカの紛争・内戦状態の地域での通訳を請け負った場合、$200,000(月収)(約2100万円)ほど約束されます。しかし命の危険にさらされるリスクが高いという可能性も高くあります。
そういえば第二次湾岸戦争の時も、米軍側と現地のイラクの人々の意思疎通を図るアラビア語―英語通訳を募集していました。たしか日給が$1000(約10万5千円)くらいでした。
条件のよい通訳・翻訳の仕事とは
生命の危険性が高いなら、元も子もない・・・では安心できる環境で高額通訳・翻訳業を望む場合は、何がいいのでしょうか?
答えとしては工学技術、医療、法律関連の仕事が適切です。ただし単なる語学能力だけではなく、それらに関するかなりの高度な専門知識も必要とされます。非常にハードルが高いスキルです。
金額の面でいうと恐らく、政府の下で働きアラビア語、ペルシャ語といった言語を駆使する通訳・翻訳業がもっとも最高。高い給料を得られます。
反対にスペイン語というのは、アメリカでは英語に次ぐ第二か国語であり、あまりにも多くの人々が流暢に話すため、高いサラリーは期待できません。
通訳・翻訳者の実情
多くの通訳者はフリーランスであり、よって率直に言って収入は不安定です。
たいていは日当で受け取っており、その金額はおよそ$300から$1000(約31500円から10万5千円)。しかも言葉さえ堪能なら通訳はできるというものではありません。各分野の専門知識が必要とされます。
もし工場視察や船舶視察、医療現場視察などの通訳依頼を受け、通訳者にその知識が十分持ち合わせていない場合、事前にそれらの知識や専門用語(母国語と外国語)を予習しておかなければなりません。
その予習に多大なる時間を費やす場合、上記の通訳日当は割に合わなくなることもあります。
翻訳者の場合は翻訳する単語の数でギャラ計算されるのが普通です。
ウェブ上の記事の翻訳をした場合、1単語13セント(約13.69円)くらいではないでしょうか。そして通訳の場合と同様・・・その記事、文章の内容についての知識や専門用語を十分理解していないと、まったくもってちんぷんかんぷんです。
日本語を母国語としているけど法律についてまったく無知な人が六法全書を読んでも、一回ですんなりと完璧に理解をするのはふつうはありえません。それと同様です。
やはりその記事の背景について勉強するなどしなければならない場合もあり、翻訳全体にかかる時間を計算すると、これまた非常にとほほのサラリーになってしまうことがあります。
かつその文章を、そっくりそのまま翻訳しても意味をなさない場合が多々あります。
例えば英語の表現と日本語の表現はあまりにも異なります。
しかし本来の原語のニュアンスを崩さない、英語らしさもキープしながら自然で分かりやすい日本語に置き換えなければならない・・・基礎として間違いのない国語力を持ち、両方の言語の文化や考え方を熟知していないとなかなか難しい作業です。
コンピューターの中やネット上の翻訳機能はこのスキルが不十分であるがために、まだまだ人間の翻訳家が必要なのです。
マイナーな外国語を翻訳する場合は、ギャラも高くはなりますがそのかわりあまり仕事の依頼数はありません。
また翻訳の仕事でもっとも要求されるのが、その正確さ、前述したような明確さの他に「スピード」。優秀な翻訳家は一日で2500単語から3000単語を訳してみせます。その結果得られるギャラは一日で$325から$390(約34200円から41000円)になります。
どの外国語を習得するのが一番?
結論とし、仕事依頼が多いであろうという言語は、その分メジャー言語なので通訳・翻訳者も大勢いるため、ギャラの相場は最高とはいえません。
マイナーな言語だと、その言語を理解する者は貴重なのでギャラは跳ね上がりますが、しかし継続的に仕事があるとは言い難くなります。
この言語の仕事の支払いがいい、というより重要なことは一体どこに採用され、どの専門分野を通訳・翻訳できるか、またその実力はいかほどか・・・つまり一概に●●語の通訳・翻訳がもっとも給料がいい、といえるようなシンプルな業種ではありません。
語学オタク・・・語学マニアにしか向かず、かつ情熱と根気がないと到底続かない仕事ではあるのではないでしょうか。
そして付け加えるなら「忍耐」も必要だと思われます。というのも外国語を知らない雇用者やボスはいとも簡単に「全部訳さないでいいから、この三行だけちゃちゃと訳して教えて」と言ってきます。
通訳翻訳という作業は、その三行の前後も分からないと訳せないことが多いというのを
彼らは分かっていないことがよくあるのです。
また「え?たったこれだけの行なのにそんなに訳するのに時間がかかるの?」ともしばし言われます。通訳翻訳の大変さは量ではなく、質なのです。
「ではあなたは母国語で、小学生向け漫画一冊を30分で読めても、その漫画と同じページ数の工業の解説書も30分で読みこなせますか?」
と反論したくなるのをぐっとこらえて、黙々と通訳翻訳をしなければなりません。つまり気が短い人にはこの観点からも通訳・翻訳の仕事は向いていないかもしれません。
「アメリカで一番「ホット」な仕事は外国語の通訳・翻訳!?」の記事についてアメリカでは850以上ものコメントが寄せられました。その一部をご紹介します。
【参考URL】http://money.cnn.com/2013/10/30/news/economy/job-skills-foreign-language/
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ちょっと息子自慢をしていいかしら。
私の息子は幼い時に週末だけ日本語を学ぶ学校に行きたい、とお願いしてきたの。
同じ年の他の子たちはビデオゲームに明け暮れている中、私の息子はそのゲームをする時間を日本語習得に使いたいと言ってきたのよ。
私はすごいいいアイディアだと思って即それをオッケーしたわ。息子は頑張って日本語を学び続けて、現在24歳。日本語はすっかりベラベラでグローバルな国際企業に勤めています。
本当に素晴らしい息子だと誇りにしているわよ。
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私も自分の子育て自慢をしたいわね。
子どもが幼い時に、母親である私の決断で息子にスペイン語と中国語を学ばせたの。
大正解だったわ。母国語の英語のほかにスペイン語と中国語を話すようになった息子は就職にはまったく困ることはなかったもの。
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時代は変わったんだなあ。
冷戦時代、軍にいた私はロシア語を学ぶことも任務でロシア語を習得した。でもあの頃は一般社会でロシア語を必要とされる仕事は国内では全然なかった。
でも現代ではロシア語の通訳・翻訳の仕事はうなるほどあるらしいじゃないか。驚きだなあ。
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自分は一生懸命勉強して努力してドイツ語を身に付けた。でもビジネスの場で出会うドイツ人は全員英語が流暢なんだ。僕のドイツ語能力よりよほど彼らの英語能力は上なんだ。
だから仕事はすべて英語でやり取りをしている。ドイツ語を学んだあの大変だった歳月は一体なんだったんだ・・・
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私はフランス語を習得したけど、私の出会うフランス人たちはみんな英語を話したがるの。
だから会話は結局英語になっちゃうのよね・・・
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僕は六か国語を話すけど、無職だよ。全然仕事なんて見つからないんだけど・・・
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外国語の通訳・翻訳の仕事についてわざわざ記事で紹介するほどのことか?
だって大したサラリーじゃないじゃないか。はっきりいってファーストフード店で勤務する時給とそう変わりがないよね。
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手に専門職を持とうと、熱心に外国語を学ぼうとするアメリカ人はいないんじゃないか。
だってアメリカ人は「job仕事」は欲しがるけど、「work 勤務」をしたがるアメリカ人は皆無だもの。
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僕も外国語を話すよ。
カルフォルニアに住んで英語を話すんだ。(*カルフォルニアが外国人だらけになって英語より外国語がメジャーになってきていることに対しての皮肉をこめたジョーク)
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アメリカでは、果たして腕のある通訳・翻訳者を見極めることができる上司がいる会社があるのかねえ。
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言語はただの道具や手段に過ぎないわ。その中身が重要。
でも、うわべの言語のことばかり重要視する傾向があるんじゃないかしら。
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外国語の会話を学校で習うと$43000かかり、コンピュータ言語を学ぶと$90,000。
結果としてどっちを選んだら吉となるのかねえ。
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外国語を通訳翻訳する仕事って割に合わないと思う。
下手したらファーストフード店で働くよりギャラも悪いし。
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外国語能力だけではなく、C#, Java, SQLといったコンピューター言語の能力も持ち合わせていると、より就職に有利だよね。
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母国語(英語)の作文能力の必要性も忘れてはならない。
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エンジニアが一番高収入の仕事だよね。
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私は15年間全てのレベルのフランス語とスペイン語を教える仕事をしています。通訳と翻訳家の養成教室でも教鞭を取っています。
私の経験でいうと、二か国語を話すということと通訳・翻訳の能力は別物ということ。
多くの人々が分かっていないのはネイティブ・スピーカーとヘリテージ・スピーカー(heritage speakers)の間には大きな違いがあるということ。
例えば中国で生まれ育った中国人(ネイティブ・スピーカー)と、アメリカで生まれ育って家庭内のみで中国語に接してきた中国人(ヘリテージ・スピーカー)がいるとします。
前者はあらゆるジャンルのことを中国語で理解できるが、後者は両親といった限られた人間たちと家庭内の話題だけを中国語で触れてきただけ。
プロとしての通訳・翻訳家になった時に両者の間には歴然としたレベルの差が生まれるのです。
だけどこの事実を知らない人々(企業)があまりにも多く、
「オー、彼は家の中では中国語を使ってきたのね、じゃあ中国語もベラベラで完全なバイリンガルね。通訳や翻訳を任せられるわね!」
と思うのは大きな過ちだ、ということをここでちょっと言いたいです。
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スペイン語やフランス語の通訳・翻訳者はうなるほどいるよ。
もし外国語を使う専門家になりたいなら、もっと需要もある中国語、韓国語、もしかしたらフィンランド語やスウェーデン語を選んだ方が高収入を期待できるんじゃないかな。
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僕も「ヘリテージ・スピーカー」で、ファーストフード店に行きロシア語でバーガーを注文でいるし、簡単な日常会話ならロシア語で楽にこなせる。
でもドフトエスキーを原語で読むことはできない。
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昔、早く高校生になりたいなと願っていたものよ。だって高校生になると外国語の授業があるんだもの。
外国語に強い憧れがあってね、何でもいいから外国語の授業を受けてみるのがすごい待ち遠しかったわ。
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僕が思うに、母国語である英語の初級クラスを終えるタイミングで、全ての小学生は外国語も学ぶべきだよ。
外国語を学ぶのは少しでも早い方がいいよ。そして実用的な授業内容にすべきだ。
僕は学生時代、フランス語を学んでいまだに教わったことを覚えてはいるけど、少しも役に立っていやしないね。
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最近見かけた募集広告で「流暢な日本語を話す人材を求む。さらに電気工学・機械工学の専門知識も持っていること」というものを見かけたんだけど、これって時給$30以上を設定すべきじゃないか?
$30以下だったぞ。おかしいと思う。
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なんでアメリカでは小学校で外国語の授業がないのかしら。
外国語を一番容易に吸収できる年頃に、それを教えないなんておかしいと思うわ。
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外国語の授業にあまり力を入れようとしないのは、「世界の人々は英語を話すべきだ」「アメリカに住むものは誰もが英語を話すべきだ」という考えをこの国が持っているからだろう。
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ここ数年、英語を母国語とするアメリカ人の子どもたちの英語能力が劣化していると思う。
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アメリカで誕生する新しい世代にとって英語はもはや母国語ではないんだよ。
彼らにとっての第一言語はメールやSNSで使用する独特の省略語なんだよ。
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アメリカで生まれ育った同僚たちと一緒に働いているけど、彼らは書く能力がお粗末だねえ。
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アメリカ人の多くは英語しか話さないけどさ、アメリカ以外の国ではバイリンガルが当たり前だよね。
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英語はインターナショナルな言語になっているから、外国人が英語を学び話すのは当然さ。
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数か国語の言語を操る人のことを「Polyglotポリグロット」と呼び、二か国語を操る人を「Bilingualバイリンガル」と呼ぶ。
一か国語を話す人のことは「Americanアメリカ人」と呼ぶ。
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あらやだわ、アメリカ人だけじゃないわよ。イギリス人やオーストラリア人たちも英語しか話さないでしょ。
ちなみに私は六年間フランス語を学んで流暢になったわ。でもフランス語を使う環境から引っ越したらすっかりもう忘れてしまったの。
せっかく外国語を学んでも、それを使う環境に居続けないと意味ないわね。
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ううん、多くのイギリス人は英語以外の言語も話すわよ。
それに外国語を学んだんなら、例えそれを生かせる環境にいなくても錆びつかせないように努力し続けなければいけないと思う。
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英語を母国語としていると、外国語を学ぶ必要性がないよ。だってみんなが英語を話してくれるもの。
お金大好き ク ソ 支 那 畜 犯 罪 者 が管理人ですか。
これは面白い記事だな。
なるほど。
絶対に語学は就職に有利だと思う。友人が日本語、韓国語と英語で
高卒にもかかわらずアメリカのエアーライン会社のCAになったよ。
ただ同時通訳となると頭の回転の早さが要求される
3カ国話せても、結局コールセンター行きwww
ほんとひどいよな。
しかも、金安すぎる。