2003年に訪日外国人の増加を目指し、国土交通省が中心となって始めた「ビジット・ジャパン・キャンペーン」が開始されてから既に13年が経過しました。
開始当時の訪日外国人数は年間524万人。日本経済の下支えにしようと、2010年までに訪日外国人を年間1000万人にまで増加する事を目標にあげていました。
そしてこの念願の目標が達成されたのは、キャンペーン開始から10年後の2013年。2012年末からアベノミクスによる円安が進むと同時に、訪日ビザの要件緩和などで、2013年の外国人旅行者は1036万人にも上りました。
その後は増加の一途をたどっており、2014年には1341万人、そして昨年の2015年には前年比47.1%増の1974万人にまで膨れ上がっています。
やっぱり中国人のおかげ?さらに増す中国の影響力
そして、この日本を訪れる外国人の中で最も多いのが中国人。中国人旅行者というと、今では中国人旅行者の代名詞ともなっている「爆買い」が有名ですね。
日本政府観光局(JNTO)によると、2015年に訪日した中国人旅行客は499万人。そして彼らが日本滞在期間に消費した額は、なんと1兆4174億円。
全訪日客の1人当たりの平均消費額が17万円に対し、中国人訪日客は28万円。彼らの爆買いぶりが裏付けられています。
しかし、日本が中国から受ける経済的恩恵とは裏腹に、皮肉にも中国から受けている政治的脅威も大きな問題へと発展しています。
東シナ海と南シナ海をめぐる中国との論争が良い例で、今年8月には、南シナ海での中国の活動に批判的な日本に抗議し、日本領域である尖閣諸島の接続水域に中国海警局の巡視船や公船15隻、漁船400隻が侵入しました。
日本政府の再三の抗議にも関わらず、中国の侵略行為はエスカレートしていくばかりです。
拡大し続ける中国。その権力影響はアフリカへ
中国の権力拡大は、日本に限った事ではありません。「金は力なり」と言わんばかりに広がるチャイナマネーは、株式投資から美術品まで、世界中に金の力で権力を拡大させています。
また最近では中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)という国際金融機関まで設立したのも記憶に新しいところですね。
政治情勢が非常に不安定な中東諸国へも、全くお構いなしに積極的にチャイナマネーをつぎ込んでいる中国ですが、そんな勢いのあるかの国が最近注目しているのが、「最後の成長大陸」と呼ばれ、市場規模200兆円のアフリカ大陸です。
2015年12月に開催された中国・アフリカ協力フォーラム首脳会議では既に、今後3年間に総額600億ドル(約6兆2000億円)の資金援助を約束しています。
ますます加速するアフリカ大陸へのチャイナマネーですが、欧米諸国からはそんな中国の政策に批判的な声が多くあげられています。
独裁国を支援するチャイナマネー。そのねらいとは
その主な理由は、独裁政治で国際的な批判を受けているスーダンやアンゴラといったアフリカ諸国へも多額の支援を行っている事です。
最近では独裁者として悪名高いムガベ大統領率いるジンバブエ政府に、2016年から中国の人民元をジンバブエの法定通貨する事を条件に、ジンバブエに対する債権4000万ドル(約41億円)を帳消しにすることを約束しました。
国際社会から民主化の圧力を受けていたジンバブエにとっては、批判される事無く経済援助を差し伸べてくる中国は魅力的な存在だったことに間違いありません。
恐ろしいインフレに見舞われたジンバブエ
ところでジンバブエの法定通貨がなぜ外貨なのか、と不思議に思った読者の方もいるのでは?実はジンバブエは、ハイパーインフレの為に自国通貨ジンバブエ・ドルが廃止に追い込まれた国なのです。
ハイパーインフレが加速した2008年のインフレ率は実に5000億%。そして当時の相場は、1ドルが2億5600万ジンバブエ・ドルでした。
ハイパーインフレの急速で最上限だったはずの500ドル札に加え、2008年12月には1億ドル紙幣、5億ドル紙幣、年末には100億ドル紙幣まで発行されました。
そして2009年に500億ドル紙幣、そして最終的には、100兆ドル紙幣までもが発行されたというすごさ。その当時の年間インフレ率は約2億3000万%という天文学的数値に跳ね上がりました。
ジンバブエ通貨は実は価値がある!?
結局、2015年6月にジンバブエ・ドルは完全に使用中止となり、現在の法定通貨は、
- 米ドル
- 南アフリカ・ランド
- ユーロ
- 英ポンド
- ボツワナ・プラ
- 印ルピー
- 豪ドル
- 日本円
そして、中国元の9通貨です。
廃止が決まった当時の交換レートは、17.5京ジンバブエ・ドルがたったの5米ドルに。もはや紙切れ同然になってしまったジンバブエ・ドルなのですが、実は今、使用不可能のジンバブエ札に熱い視線が注がれているのです。
マニアにはたまらない!?
個人投資家のジョンさんは、2010年にとある投資クラブに参加します。そこでクラブに参加できたお礼にと、ジンバブエ・ドルを配ったところ、予期せぬ反応が返ってきたのです。
お礼として用意していたジンバブエ・ドルはあっという間になくなり、買い求めてくる人まで出現。ここで初めてジョンさんは、ジンバブエ・ドルがコレクターの間で人気の通貨であることに気が付きます。
その後、ジョンさんはジンバブエ・ドル札を大量に買い込みます。1枚1.5ポンド(約190円)で購入したジンバブエ・ドル札は、今では平均20ポンド(約2540円)~25ポンド(約3170円)で買い取られ、過去には40ポンド(約5000円)で引き取られたこともあったのだとか。
この人気を背景に、2011年には、世界最大の貨幣コレクション会社「エデュケイショナル・コイン・カンパニー」もジンバブエ中央銀行内のブローカーを通して、15万米ドル(約1500万円)相当のジンバブエ・ドルを購入したとも言われています。
ジョンさん曰く、ジンバブエ・ドルで得られる利益はパーセンテージで表すと1500%。貨幣を販売し始めた時期のロンドン証券取引所の価格指数(FTSE100)はたったの5%でしたので、紙切れ同然の紙幣が実は当時最も設ける投資物件であった、と驚きを隠せません。
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ジンバブエのムガベ大統領は、人間として最悪のレベルだよね。
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ムガベ大統領は公約をしっかり守った人。全ての白人を追い出し、一部の黒人を大金持ちにしたからね。
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2015年の中国版ノーベル平和賞「孔子平和賞」にムガベ大統領を選ぶ中国政府は流石だよね。
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↑そして受賞を断ったムガベ大統領も凄い!
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↑同レベル!?
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パンを1つ買うのに、いくらの札束がいるのだろう?
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中国元が法定通貨って…。元をためて、中国で難民申請するの?
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ジンバブエ旅行した時に余ったジンバブエ・ドルが屋根裏にあるはず!
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結局、植民地化してジンバブエ原住民を苦しめた白人が、全く価値のないジンバブエ・ドル札で利益を得てるなんて、皮肉な話だね。
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ジンバブエ・ドルは、アフリカに援助を差し伸べている慈善団体などに寄付できるよ。
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中国とアフリカ。凄いコンビだね。
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今では大量の中国人移民がアフリカにいるらしいよ。
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中国からアフリカに渡った労働者は、81万人以上という統計もあるけど。
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逆に中国に不法滞在するアフリカ人も増加中だ。
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広東省広州市には、アフリカ人の不法滞在者が約30万人いるという報道もあるよ。
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中国とアフリカどっちがいいのかな?
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見方を変えれば、いろんな所で投資物件を見つける事ができるという面白い話だよね。
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ムガベ大統領は中国から借金を帳消しにしてもらっといて、既に中国の悪口を言ってるよね。同じ穴の狢だよ。
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ジンバブエに来た中国人は、全ての金を中国に送金するから、ジンバブエ政府は未だに現金不足だと嘆いているらしい…。
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↑初めから分かってることでしょうに…。
中国の動き次第で、新たな投資物件ができるかも?
猛スピードで世界中に蔓延するチャイナマネーですが、政治的な意図が非常に強いだけに、これから世界がどう傾いていくのか注意深く見守っていく必要がありそうですね。
ところでアフリカ諸国のお金を持っている方、もしかしたらジンバブエ・ドルのように価値が突然上がるかもしれませんよ。大事にしまっておいた方が良いかもしれませんね。
【参考URL】https://www.theguardian.com/money/2016/may/14/zimbabwe-trillion-dollar-note-hyerinflation-investment
この勢いでジンバブエ・ドルが復活、なんてどんでん返しはないよね?
昨日の中国人民元/ドルは2008年12月以来の安値で、中国人民元/円も昨年6月の高値からは2割以上の下落
通貨の下落が止まらない中国が凄いと言われても数年前のニュースかと思うよ
なんでこんな古いソースでいい加減に書いたものを訳したのか理解に苦しむ
ジンバブエで日本円が使えることにみんなもっと関心を払っていいと思うの
でも確かにジンバブエドル紙幣とか貨幣としての価値は限りなく低くとも、
ネタとしての価値があるだろうな。
投資としても、読み物としても価値の低い記事だなあ…。
あと「権力」の使い方が変。権力は、政治的支配を直接受ける領域で、強者が行使する強制力、が常用的じゃない? 政府、富豪、政治家など。
一応、上下関係がない国際社会で権力という言葉を使うセンスはちょっと。国家元首の判断で中国の干渉を切り捨てても、国際法上の罰則があるわけでなし、強制力や服従は付随しない。これを権力と呼ぶなら、欧米と砂糖輸出に頼ってきた旧植民地国のほうがよほど当てはまる。普通は「影響力」。政治経済系なら、そういう繊細な部分を使い分けてほしい。