医療保険不要論の方の多くは、以下のような立場です。
医療保険のほとんどは掛け捨てだから、一定期間毎にお金が戻ってくるタイプだと保険料は割高。
→それなら毎月、保険料分を貯蓄した方が良い
上記の意見を見て気が付くのは、医療保険不要とは言っていますが、保険料分の金を貯蓄している点は万が一の医療費分の備えは必要ということを物語っています。
高額療養費が頼みの綱
医療費自体も医療の進歩に伴って薬や治療費が大変高額なケースがあります。最新の治療方法となると保険の対象の治療でもすごく高額になってしまうのです。
病気にしても、いつどんな病気になるかどうか、遺伝子診断などである程度の可能性は診断できても、その病気に本当になるかどうか、ましてその治療費について予測することは誰にもできません。
まず頼るべきは、貯蓄と保険制度で提供される「高額療養費」です。高額療養費というのは、一旦自己負担分を全額窓口で支払ってから数か月後(2~4か月位かかる)に返金(自己負担分が全額返金される訳ではない)される制度です。
高額療養費制度は、入院中や治療中などに「認定証」を入手すれば一時的に自己負担せず、最初から自己負担限度額を超える分を窓口で支払うだけでよいのです。
世界的に充実した保険制度がある日本ですが、それでも最近の医療事情の厄介さは「保険適用内」で収まらないお金が結構請求されることが案外多いという点です。
高額療養費になるケース
高額療養費となる例は、以下のようなものです。
・差額ベット代(1室6人部屋が基本なのでその部屋よりも1室あたりの人数が少ない部屋や、個室を利用すると差額ベット代を病院は請求していいことになっています。)
・入院保障金(大きな病院などで入院するときに請求される場合があります。病院によっては1入院あたり10万円というケースもあります。)
・日用品代
・食事代、居住費
・正常分娩(帝王切開は医療費になります)
例に挙げた金額を足しただけでも、結構な額になります。
いざという時の備えは大切
若い人ほど貯蓄が難しかったり、貯蓄期間も短いので安心料として負担でないだけの医療保険に入っておくことをお勧めします。もちろん若い人以外も、加入できるなら医療保険に加入することをお勧めします。
保険だけで全てのリスクに備えるのは難しいです。しかし、貯蓄だけでも全てのリスクに備えるのは難しいのです。病院のお世話になるかどうか誰にもわからない以上、保険はある意味、健康や命を「賭け」ているといえます。
賭けに負けたら笑って健康に感謝できる程度の金額を保険料負担しておくのがお勧めです。