日本人のコミュニティというのは日本だけにある訳じゃない…そんな事は知っていましたが、実際にそれを見ると不思議な気持ちになります。他の国にも日本人の社会が根付いて、まるで一つの地方自治体の様に動いている事には奇妙な感動があります。
海外の大きな都市に住むと、大抵日本人コミュニティがあり、現地で働く人や留学で来ている人、ワーキングホリデーで来ている人等でにぎわっています。
多くの日本人がいることもあり、日本人がお店を出したりと、現地の日本人が日本で生活するのと同じようなインフラが整えられています。商店やレストランは勿論、美容師や学校などもあります。
一時的に海外に赴任しに来ているという家庭にとっては、現地に、日本と同じような教育システムの学び場があるかどうかは重要でしょう。国によっては戦前の集団移民の時代から日本人学校のルーツがあったりするようなので、探してみるといいかもしれません。
そういう事を知ると、日本人が築き上げてきた特有の社会というのは、まるで生き物の様な姿をしていて、あの小さな列島から離れても、その生態を変えながら現地に合わせて生き続けていくものなのだなと思わされてしまいます。
日本に限らず先進国なら、海外に自分の母国のコミュニティ等があったりすると思います。今日は、そんな他国に根付く外国人コミュニティで起きた事件を紹介したいと思います。
その舞台は、トルコ・イスタンブールにある、ドイツ人学校。そこで運営資金が紛失したという事件が発生したのです。
消えた運営資金は約55億とも・・・
イスタンブールのドイツ人学校は教育連盟の首脳によって運営されてきました。今回、その学校の口座から多額の運営資金が消えたというのです。そのほとんどは生徒の親が学費として払ったものです。
このイスタンブールのドイツ人学校は1868年に建てられ、現在140人のドイツ人の生徒がいます。この学校はドイツからの支援を受けていますが、ほとんどの運営資金は学費の徴収で成り立っています。その額は全体の約70%だとか。
トルコの裁判所は横領の疑いがあるとして調査を行っています。事件を通してドイツ人学校とドイツ人総領事館は有名になってしまいました。現在失われた学費に関する質問への返答はいまだありません。
いったいイスタンブールの学校で何が起こったというのでしょうか?当時のPTA議長は「以前からそういった横領が可能だという噂は聞いていた。」とコメント。現在のPTA議長は、「そういった相談を持ちかけられたが、私は拒絶した。」と語っています。
今回盗まれた額は恐らく400万ユーロ(約55億円)になるだろうと言われていますが、その額はもっと上がる可能性があるといいます。
不正渦巻く内情
また、政府が去年支援した220万ユーロが用途不明となっています。現在この失われた資金の行方も調査されていますが、調査権利を持っている外国人学校の中央委員会Die Zentralstelle für das Auslandsschulwesen (ZfA)は、それとは反し調査を行っていないといいます。
このZfAは一般的に名誉職を持った人間によって構成されています。イスタンブールの組織も当然同じ様に首脳部が選ばれています。組織の構成員は、生徒の親で構成されてはいません。
学校の資金が紛失した上に調査の不透明さ。これらが影響し組織への疑いが生まれ、当然このイスタンブールの組織は評判を落としました。高いお金を払っている親からは、組織の運営のあり方や役員の選出方法を問う声等が上がっています。
そして「PTAの代表者およびZfDは、消えた資金の行方に対して釈明義務がある」という主張が激しくなり騒動となりました。肝心な消えた資金の行方は、まだ明らかになっていません。
横領かどうか明らかになっていませんが、この対応の悪さを見るとクロである可能性が高いと思ってしまいますね。それにしても消えていった金額の大きさに驚かされます。
海外の人達はこのニュースについてどのような反応を示したのでしょうか?ニュースに寄せられたコメントを紹介したいと思います。
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イスタンブールの学費盗難事件。これは理事長の私腹を肥やす為にもしかしたら・・・。
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↑ 私も同じこと考えているよ。
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↑ うんうん、私も同じことを思いついた。恐らくこれは首脳部による汚職が行われているのだろう。
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それにしてもイスタンブールのドイツ人学校の学費は高いな。ちょっとドイツの学校とは比べ物にならない金額になっているぞ。
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なぜドイツの納税者が、授業料を必要とする学校の支援をサポートしなければいけないのか?授業料が掛からないドイツの仕組みに反しているではないか?
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たしかになんで外交官の子供達の為に?
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私の個人的な経験から話をすると、海外のドイツ人学校での学費の高さは、海外では一般的な話だよ。通常は親によって支払われているんだ。
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↑ そうだったのか・・・!
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ドイツでは地域ごとにあんまり学費の差がないからなぁ。
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私たちの税金が遠く離れた地域で悪さの為に使われている?それは何度も何度も繰り返される。素晴らしい世界だな。
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確か海外のドイツ人学校はインターナショナルスクールと比べると、安価である事が多いという報告があるよ。
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知り合いに外交官を親に持つ子供がいるけど、学費がカバーされているって。
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高いか?イスタンブールのドイツ人学校はかなりオトクだよ。カリフォルニアの学校はもっと高い。
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勘違いしている人がいるかも知れないが、外交官の子供は、親の職場から学費をカバーされているというのは間違いだよ。
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それにしてもなんという事件なんだ。
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海外で子供を育てるというのはドイツとは違い危険が伴う。
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私は全ての自体を理解出来ていないよ!
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これは海外のエリート主義の間で起きた醜い争いなんだよ。
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ドイツでもこういった構造に苦しむ事はあるよ。
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ここに居る人達はお金を持っているだろうに。まだそんなにお金が欲しいってか?
事件の結末はいかに
事件の続報は届いていませんが、一体この事件の行く末はどうなっていくのでしょうか?高い高いお金を支払っている親としたら、「ふざんけんな!金返せ!授業料廃止しろ!ばかやろう!」・・・と言いたくなることでしょう。
組織の反応が不透明すぎるので、親やPTAからの反発は大きいでしょう。ちゃんとした誠意を示してもらいたいものです。
大きな組織には大きな不正、小さな組織にも仕組みが生まれればそれ相応の不正が生まれる可能性があるんだなと思いました。
【参考URL】http://www.spiegel.de/schulspiegel/deutsche-schule-istanbul-millionen-schulgeld-verschwunden-a-1039077.html
授業費払ってる分相応の授業がなされてればいいんだけどね・・・。額が大きいけどなんでバレないと思ったのかね?そういう横領事件ってけっこうあるけど笑えてくるよな~。号泣議員思い出した。
町田でも指導担当教員が教材費横領して捕まってたな…
私塾扱いの外国人(?)学校は母国の援助とか授業料で賄われるのが当然だよね。
日本は日本国内で外国人によって運営されてる外国人学校への法的介入はできないのかな?
なんでか日本人の血税で教育費&運営費を賄えと要求してる外国人学校があるから、せめてそこだけでも。