いろんなアクション俳優がいますが、彼ように野性的なイメージと知的なイメージの同居した俳優も珍しいでしょう。
鍛え抜かれた身体、するどい眼光、獣のように研ぎ澄まされた感覚、知的な雰囲気・・等、これらの物を同時に表現できる数少ない俳優の一人が、ジェレミー・レナ―だと思います。
この写真は、2012年の「ボーン・レガシー」の時のものですが、彼の目、何度も死線をさまよった経験のあるような眼光、なかなか表現しようとしてもできるものだはないと思います。
このポスターだけでも、彼の演技力が生の映画を見るように伝わってきます。今回は、ハリウッド映画スター、ジェレミー・レナ―について語らせていただきます。
生い立ち
誕生と家族
ジェレミー・レナ―は、1971年1月7日、アメリカのカルフォルニア州、モデストで生まれました。彼の両親は、ボーリング場を営んでいました。
彼の両親は自分たちが、まだ10代の時に結婚しています。そして彼が10歳の時に離婚しています。彼には、5人の弟と妹がいます。
大学に進学してから
レナーは、フレッド・C・べイヤー高等学校を卒業した後、モデスト短期大学へ進学します。この短大に入学してから、彼は自分の気の向くままにコンピューターサイエンス、犯罪学、心理学・・・等を学びました。
短大の2年生の頃、レナーは地域の警察学校へ通い、警察学校の生徒たちの訓練の一環として、犯人の役を演じる仕事をしていました。その仕事で1回、50ドルの報酬を得ていました。
短大の演劇の授業と同じくらいたくさん警察学校へ通っていました。そうした体験を経て、彼は自分の中に演じることに対する可能性を見出しました。
レナーは、短大での学習よりも、演技の方に集中するようになります。大学を卒業した後、彼はサンフランシスコへ移り住みます。
そして、アメリカン・コンサーバトリー・シアターで演劇について学びます。その後、1993年にロス・アンジェルスに移動します。
何だか、警察学校で犯人役を演じていたなんて、彼が将来アクション俳優で活躍できるように、プログラミングされているような・・・不思議な縁を感じます。
それに、心理学や犯罪学など、彼が出演した映画で役立つような内容ばかりですね。なんだか、神様があらかじめ彼の将来のために用意してくれたカリキュラムのようです。
人間って潜在的に、自分に将来のために、何が必要か感じ取れる生き物なのかもしれません。
ロス・アンゼルスへ来てから
俳優としてのスタート
ロス・アンジェルスに来てからレナーは、劇場の仕事に専念します。彼は、「Reach and Destory」で主演して、監督もやり批評家たちから高評価を得ます。
続いて1955年に、「ナショナル・ランプーン/ホワイトハウスを乗っ取れ」で、映画に初出演します。
レナーは、この映画で、落ちこぼれの高校生ダグの役を演じます。この映画は批評家から、酷評されました。その後も彼は、テレビのシリーズ番組「Deadly Games」や「ストレンジ・ラック」等に、ゲスト出演をしていました。
また、テレビ映画「Friend’s Betrayal」で、ブライアン・オースティン・グリーンの演じる主役の友人の役をしたりしました。
「ザ・インターネット」(1999年)や「The Time of Your Life」(1999年)、「エンジェル」(2000年)等にもゲスト出演をしています。
こうした、俳優の仕事の合間に彼は、メイク・アップ・アーティストとしても働き、自分の生計を立てていました。そんな裏方もやっていたんですね。アクションスターの彼がそんな仕事をやっていたなんて、本当に驚きです。
最初のヒット
2002年、レナーは実在の殺人鬼”ジェフリー・ダーマー役で、映画「ジェフリー・ダーマー」に出演しました。
ダーマーを演じている時の彼の目、怖いぐらい冷たいです。どうしてあんな演技ができるんだろうと思います。冷やかで不気味で、怖いです。
レナーは、この作品での演技が賞賛されインディペンデント・スピリット賞の主演男優賞にノミネートされます。こういう演技って、どうやって役作りするのだろうと思います。難しいとかいうレベルじゃないですよね。
ブレイク
ハート・ロッカー
「ジェフリー・ダーマー」に出演した後、レナーは、「SWAT」(2003年)、「サラ・いつわりの祈り」(2004年)・・・等の映画に出演しました。2009年、とうとう彼にも大きなブレイクが訪れます。
レナーは、映画「ハート・ロッカー」で主役のウィリアム・ジェームス軍曹を演じます。この作品は2009年のアカデミー賞作品賞を受賞しています。また、レナーもアカデミー賞主演男優賞にノミネートされています。
この映画は、イラク戦争の爆弾処理班が映画に登場します。レナーの役はその処理班の班長です。ジェ―ムス軍曹は勇敢に、かつタフに爆弾処理の任務をこなしていきます。
彼の仕草や素振り全てが、ギリギリのところで闘い続ける兵士の緊張感を表現しています。彼が、こうした役をすると、ずっと死線を、乗り越えてきた人物のように自然と感じてしまいます。
そのように感じさせるところがすごいと思います。ちなみに、「ハート・ロッカー」とは、スラングで”棺桶”を意味する言葉です。
ザ・タウン
2010年公開された「ザ・タウン」で、レナーは、ベン・アフレック演じる強盗グループのリーダー、”ダグ”の幼馴染の役”ジェームズ”を演じます。ジェームズは、強盗の為なら人殺しも辞さない性格の持ち主です。
主役の時のレナーもいいですが、脇役で一癖ある役柄も彼は演じきっています。レナーは、この映画でアカデミー賞、助演男優賞にノミネートされます。
ボーン・レガシー
2012年に「ボーン・レガシー」が公開されました。この映画は「ボーン・シリーズ」の4作目です。
これまで主役だった”ジェイソン・ボーン”(マッド・ディモン)ではなく、新キャラクター”アーロン・クロス”が主役でレナーがそれを演じています。
この映画のすごいところは、なんと言ってもレナーのアクションでしょう。敵と拳を交えて戦うところは、一つ一つのポーズが本当に決まっています。
そして追い詰められている時のレナーの目、死線を何度もさまよったことのある人間のような目をしています。
また、ライフルを構えて撃つ時は迫力満点です。この映画は、全世界で、2億7600万ドルあまりの興行収入を記録します。
収入
さて、彼の気になる収入の方ですが、「ハート・ロッカー」の時は、65万ドルでした。「ボーン・レガシー」では、500万ドルとなっています。1ドル=100円で日本円に換算すると、それぞれ、約6500万円と約5億円となります。スゴイですね。
また、総資産の方は、3500万ドルとなっています。
彼が成功したわけ
彼が成功したわけ、そうですね。彼の演技を見ていると目が本当に生きていると思います。特にアクションシーンでは獣のような鋭い目で、危機を脱出していく様は”野生のかん”のようなものを感じます。
これって、演技に対する執念がこんな風にしているのかと思います。恵まれない下積み時代、レナーは、メークアップアーティストと、役者と両方の仕事をしながら生計を立てていました。
その頃のことを思えば、演じることに対して執念のようなものがにじみ出てくるのもうなづけます。
また、彼はそういう野性的な面と知的な面と両方を併せ持つ独特の雰囲気を持っています。それも彼が注目される理由の一つではないでしょうか。
今後も、レナーがスクリーン上で、彼独特の魅力を発揮してくれることを期待しています。ちなみに私、個人的には、早く、「ボーン・シリーズ」の続編できないかなと秘かに期待しています。
【参考URL】http://en.wikipedia.org/wiki/Jeremy_Renner
http://www.celebritynetworth.com/richest-celebrities/actors/jeremy-renner-net-worth/
http://www.imdb.com/name/nm0719637/bio
