ドイツで一番のお金持ちは、カール・アルブレヒト氏です。
彼は、もう引退いしていますが、彼の自己資産は、なんと2兆6千億。彼は、2006年には、フォーブス誌の世界長者番付で、13番目に名前が挙げられました。
ドイツ一番のお金持ち、カール・アルブレヒト氏が、一体どんな人物なのか気になりますね。
彼の生い立ち
彼は、ドイツのエッセンで生まれ、ごく普通の家庭で育ちました。
彼の富は、スーパーマーケットチェーンのアルディの成功から得たものですが、このアルディは、母から譲り受けた地元の食料品店から始まったものです。母から譲り受けた食料品店を元に、弟とスーパーマーケットのチェーン店「アルディ」を立ち上げたのです。
母から譲り受けた食料品店は、小さな食料品店。この食料品店が、ドイツで一番のお金持ちを生み出すまでに大きくなるとは誰が想像したでしょう。
カール・アルブレヒトは、思想的リーダー
アメリカのコンサルティング会社、「アメリカンビジネス」では、彼は100人の思想的リーダーに選ばれました。
そうです。彼の成功の秘訣は、彼が思想的リーダーであったことにあるのです。
思想的リーダーという言葉は聞きなれないかもしれませんが、彼がビジネスの世界に重要な新しい概念をもたらしたために、思想的リーダーと言われるようになりました。
発想が世界を動かす
カール・アルブレヒト氏は、富を築き上げるものは、「発想」だと言っています。そして、彼によると、発想は、ビジネスにしろ、政治にしろ、地域社会にしろ、すべての分野で求められているものだそうです。
「発想が世界を動かす。素晴らしい発想もそうでない発想も。」
これは、19世紀の著名な作家、ヴィクトル・ユーゴーの言葉ですが、カール・アルブレヒト氏が支持していた言葉でした。
カール・アルブレヒト氏は、言っています。
「世界で軍隊よりも勝るものがある。それは、その時代が必要とする発想だ。」
そうです。彼は、その時どきに、世界や社会が求めれている発想があると言うのです。
そして、発想を生み出し、育て、支持し、広めることこそ人間が成せることだと力説しています。彼の時代に合った発想こそが、彼が始めたドイツのスーパーマーケットチェーン店、アルディに巨大な富をもたらしたです。
このアルディで彼が目指したのは、余計なものを出来るだけなくすこと。そして、余計のものを無くすことで得られる値段の安さでした。今では、安さを追求したお店は珍しくないですが、彼は早くからこの事に目をつけていたのです。
実は、彼はアメリカの顧客革命とサービス管理の元祖と言われています。ここで、彼がビジネスの世界にもたらした新しい概念をご紹介しましょう。
大胆な発想をする
カール・アルブレヒト氏が、ビジネスに、その時代に求められている発想が必要だと述べているとご紹介しましたが、彼は、発想は大胆であるべきだと主張しています。
彼が言う大胆な発想は、何にも束縛されず世界全体を見据えたものを指します。また、彼は、大胆な発想は、想像力と創造性、寛容な心、新しい物を創造する勇気から生まれると言っています。
「先が見えない今の時代こそ、大胆な発想が必要」
今、世界はこれからどう世界が動いていくのか、はっきり見えないでいますが、こんな時こそ、大胆な発想が必要だと言うのです。
また、会社のトップは仕事を始めた頃に比べると、どんどん発想が乏しくなっていくと彼は、指摘しています。しかし、会社を引っ張っていくのは彼らなのです。会社のトップは、初心の心を持ち続け、会社が求めている発想を提供するべきだと言います。
ソーシャル・インテリジェンス
「ソーシャル・インテリジェンスという言葉は、彼が広めた言葉だと言っても過言ではありません。実際に、彼は、「ソーシャル・インテリジェンス」という本も書いています。
彼が言う「ソーシャル・インテリジェンス」は、人々とうまくやっていき、彼らを自分の協力者にすることです。そして、この力を欠くと、仕事、さらに友人までも失うと警告しています。
ソーシャル・インテリジェンスの定義は分かっても、一体、どうしたら身につくのか知りたいところです。
S.P.A.C.E.でソーシャル・インテリジェンスを磨く
カール・アルブレヒト氏は、S.P.A.C.E.でソーシャル・インテリジェンスを磨くようにと言っています。
S.P.A.C.E.とは、状況を意識すること。現場にいること。権威を持つこと。明確でいること。相手に同情することです。
S.P.A.C.E.の条件を満たすと、個人としても仕事でも、力を発揮しチームや組織を効果的に引っ張ることができると言います。
まさに、S.P.A.C.E.はその時に会社が必要な発想をもたらし、会社を成功へと導く鍵なのです。
プラクティカル・インテリジェンス
「ソーシャル・インテリジェンス」に続いて、カール・アルブレヒト氏が重要性を訴えているのは、「プラクティカル・インテリジェンス」です。
「プラクティカル・インテリジェンス」こそ、聞き慣れないかもしれませんが、一言で言えば、私たちが持っている知能を、その時の状況に応じて発揮していく能力のことです。
カール・アルブレヒト氏は、長年に渡って、社会において知性が高い人達のことを研究してきましたが、知性が高い人とそうでない人の違いは、持っている知性をいかにして使っていくかを知っているか、そうでないかの違いにあると言います。
コンピューターを使いこなす様に、自分たちの知性も使いこなす
彼は言います。現代では、多くの人が自分たちの知性のことよりも、コンピューターのことをよく知っていると。自分たちの知性の事を理解し、使いこなしていく必要があるのです。
また、彼が挙げているプラクティカル・インテリジェンスに必要な5つの鍵は以下の通りです。
- 知性を増やしていく
- 大胆に物事を考えていく
- 既存の考えにとらわれない
- 考えの異なる人々とうまくコミュニケーションを取っていく
- 相手の意見に耳を傾けることで、相手を納得させる
引退後も、影響力を与えるカール・アルブレヒト氏
彼が、ビジネスの世界にもたらした新しい概念を紹介しましたが、彼のさらにすごいところは、引退後も彼の思想はビジネスの社会に影響力を与えていることです。
彼自身は、94歳になられ、全く公けの場に顔を出さないのに、なぜ?
それは、彼の思想が今のビジネスにまさに求められているものだからです。
その証に、彼の思想をまさに実践している、彼が弟と立ち上げた会社の成長は彼が引退後も止まりません。アルディは、今ではアメリカにも店舗を出しています。
そして、アメリカでも大成功。今後5年間で、店舗数は、1.5倍になると予想されているのです。
そして、オーストラリアをはじめ、今では9か国に店舗を出し、店舗数は4800にもなります。
彼こそ、彼が持っている知性を今の時代に合わせて発揮したと言えます。そして、彼の思想は、彼が引退した今でも十分に通用しているのです。
ちなみに、引退後の彼は、彼の趣味のゴルフと蘭の栽培を楽しむ、静かな生活を送っていらっしゃいます。
94歳のカール・アルブレヒト氏。ゴルフは、さすがに難しいかもしれませんが、引退当初は、プライベートのゴルフ場でゴルフを楽しんでいたと言います。さすが、ドイツ一のお金持ちは、スケールが違いますね。
まとめ
カール・アルブレヒト氏の発想が世界を動かした。
ドイツの小さな食料品店から、ドイツで一番のお金持ちになるだけの富を築いたカール・アルブレヒト氏。彼の成功の秘訣は、まさに彼が、今の時代にあう、大胆な発想をしたからだと言えます。まさに彼の発想が世界を動かしたのです。
彼がビジネスの世界に残した新しい概念からも、学べることがあります。カール・アルブレヒト氏は、20冊ほどの本も出しています。日本語による本もあるので、興味のある方は、読んでみて下さい。
ただ、日本語による本は、今では絶版になっている様なので、中古本を探してみて下さいね。
【参考URL】http://www.forbes.com/profile/karl-albrecht/
https://karlalbrecht.com/
https://www.karlalbrecht.com/downloads/Albrecht-Lecture-SocialIntelligence(1P).pdf
https://www.karlalbrecht.com/downloads/Albrecht-Lecture-PracticalIntelligence(1P).pdf
http://www.celebritynetworth.com/richest-businessmen/richest-billionaires/karl-albrecht-net-worth/