ローマ・カトリック教会のローマ法王フランシスコが、今年7月5日よりアメリカツアーを行いました。
南米では総人口の80.66%がカトリック信者。今回のツアーではエクアドル、ボリビア、パラグアイと南米でもカトリック信者数の割合が非常に高い国々を訪問。
法王の宿泊先であったエクアドルの首都キトにあるバチカン大使館の前には、約50万人の熱狂的なファンが集まったというフィーバーぶりを見せました。ちなみに現ローマ法王も南米アルゼンチンの出身者です。
今回のツアーで話題となったのがキューバ訪問。実は、54年ぶりに国交が回復したアメリカとキューバーの仲介役を担ったと言われているのが、このフランシスコ法王なのです。
その為、共産主義体制を維持するキューバでは珍しく、首都ハバナの革命広場で大規模なミサも行われ、ミサ後にはカストロ前議長の自宅にさえ招待されています。
元々信仰心の高いカトリック教徒の家庭で育ったにもかかわらず、信仰心を長年失っていたカストロ氏ですが、ここ最近は信仰心を再び取り戻し「カトリック教徒として祈りをささげたい」とまで述べているのだとか。
支持率が急降下しているアメリカへ
そしてアメリカ大陸ツアーで最後の訪問地だったのがアメリカ。
フランシスコ法王が2013年にカトリック教会の法王に選出された時には、アメリカのカトリック教徒の間では彼の謙虚な姿勢や、数多くの問題や疑惑を抱えていたカトリック教会に改革をもたらすのに最適な人物だとして、絶大な人気を得ていました。
しかし彼が法王に選出されてから2年経った今では、78歳のアルゼンチン人法王への熱はかなり冷めきっており、米ギャラップの調査では、支持率が2014年2月の76%から、現在では59%まで低下しているのだそうです。
この支持率低下の要因は、フランシス法王に対する幻滅感です。
縛りのない自由市場を「悪魔の糞」や「狡猾な独裁」と名付け反資本主義を主張する一方で、大企業に対しても自然を略奪していると強い口調で非難します。
この現法王に対し、地球温暖化の科学的根拠さえにも疑問を抱いている米共和党の政治家にとっては、非常に厄介な存在だとまで言われています。
アメリカでのカトリック教会離れ
しかし、カトリック教会にとって最も深刻なのが一般市民の教会離れ。アメリカのカトリック信者は、結婚や家族構成の在り方、離婚・同性結婚など、カトリック教会よりも現在の社会現象に非常に敏感です。
一方、カトリック教会はこの現代的なトレンドに追いつくことが出来ず、カトリック教会の教理と一般市民の間に大きな溝が出来上がっています。
米シンクタンクのピュー研究所の調べでは、カトリック信者として育てられた人の半数は定期的に教会に通うこともなく、このうちの41%は今後教会に通う予定は全くないとまで回答しています。
また、離婚や結婚前の性的関係を認めていないカトリック教会ですが、カトリック信者の内、
- 4人に1人は離婚を経験
- 10人に4人は婚姻関係で結ばれていないパートナーがいる
- 10人に6人は現在同棲生活を送っている
との回答結果が出ています。
そして同性愛に関しても、3分の2のカトリック信者は同性愛カップルが子供を育てる事に肯定的で、46%が教会は同性婚を認めるべきだと主張しています。
高すぎて大コケ!幻の特設キャンプ会場
6日間に及んだアメリカ訪問でフランシス法王が訪れた場所は、
- ワシントン
- ニューヨーク
- フィラデルフィア
それぞれの訪問先で大規模なミサを行った法王ですが、訪問先の一つであるフィラデルフィアで予想以上の不人気ぶりに、法王がもたらす経済効果を期待していた地元ビジネスから失望の声が上がっていました。
それによると、フィラデルフィアで行われたミサに大勢の信者の訪問を見込み、ミサの行われた広場を「フランシス・フィールド」と名付け、キャンプ場を臨時設置する予定だったのだとか。
1万6000人を収容する予定であったこのキャンプ場の宿泊料は、なんと1人につき199ドル(約2万4000円)。
テントの貸し出しや車の種類などによって更に99ドル(約1万2000円)~999ドル(約12万円)までの追加料金をも設定していたのです。
しかし、このキャンプ場を運営予定であった企業は、法王の訪問予定日の2週間前でさえ地元のホテルに3000室余りの空き室があるとし、キャンプ場の臨時設置の取り止めを発表します。
また、地元のホテル産業もなかなか埋まらない客室に痺れを切らし、宿泊料の値下げや最低滞在日数の削除、クーポンの配布、そして地元のお菓子がたくさん入った袋をプレゼントするなど、何とか顧客をつかもうと必死のビジネスアピールをしていたそうです。
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ごく普通のキャンプ場に199ドル(約2万4000円)も払う人いるの?
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ローマ法王は反資本主義者と聞いたような・・・・。
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ここまで人気がないのはマスコミが騒ぎすぎたからじゃないの?
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宿泊者のセキュリティー管理も出来ない所に人は来ないのは当たり前。
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キャンプ場中止。今度は法王の訪問も中止にしよう!!
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教会も金儲けを企んでるんだから、これからは教会へも税金を課すべき。
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無理だよ。彼らがビジネスを運営するだけの能力があると思う?
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同性婚とか、結婚前の性交渉とか、今では当たり前。これらの問題を否定して信者に信仰を押し付けるのは無理な話。
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宗教は宗教。神の前では、現在当たり前の事でも罪は罪。
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教会は常に信者の味方なのでは?
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↑違うよ。教会は神に味方なだけ。神の教えをそのまま信じるように洗脳された人間だけが教会に残るんだよ。
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↑そうだよ。ここで教会の方針を変えるという事は、神の言葉に背く事なんだからね。
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ミサが行われた市の市長は大儲けを期待してたんだろね。
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199ドル(約2万4000円)って…。ホテルに泊まった方が安いよ。
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キャンプ場を運営する予定だった会社に問い合わせたんだけど、家族4人で960ドル(約12万円)・・・。
ホテルではなく、市が管理する公園に臨時設置されるキャンプ場にテントを張っただけ。恥知らず!
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↑キャンピングカーでのキャンプ場使用はお得だよ。テントの貸出し代を払わなくてもいいからね。その代わり、1台につき1000ドル(約12万円)なんだって・・・。
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↑更にお得!!シャワーの使用は別料金!
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フィラデルフィア在住の人間だけど、あの公園でキャンプなんて絶対にありえない話。警察の犯罪レポートを見れば一目同然。
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メディアはこの公園でどれだけの犯罪が発生しているかを伝えるべき。
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キャンプ場の近くで売買されている麻薬で頭がおかしくなるか、法王に洗脳されるか。どちらがまし?
行き過ぎた資本主義が足の引っ張り合いに
ミサが開催された市の職員は、この公園では原則的にキャンプをする事は禁じられており、今回に限って例外的に許可を出した、とコメントを出しています。
しかし、このキャンプ場を運営するはずであった企業は、別に正式に発表したつもりはなく、必要な設備や整備はほとんど行っていなかった、と一般市民からの非難に対してなんとも苦しい言い訳をしています。
ところが一方、フィラデルフィアのホテル協会の会長エドさんは、キャンプ場で高額な値段を支払うよりも、より安くて、より快適なホテルに泊まる方が断然お得。サービスもついているのだから、と嬉しそうに地元ホテルの宣伝に躍起になっていたのだとか。
元はといえば、ローマ法王のミサを授かる為の集まり。やはりフランシス法王が主張するように、行き過ぎた資本主義を少し見直す必要があるのではないでしょうか。
【参考URL】http://www.theguardian.com/world/2015/sep/13/pope-francis-philadelphia-camping-canceled?CMP=share_btn_link
http://www.nbcnews.com/storyline/pope-francis-visits-america/changing-american-church-awaits-visit-pope-francis-n429271
なんだか良くわからないけど、なんでキャンプ場作ってミサやんなきゃいけないの?最後はみんなでバーベキューでもするのかい?(笑)
なんか世界的宗教になると大変なんですね・・・
政治的な意見みたいなのもはっきり持ってて、しかも口に出されるなんて日本じゃ考えらんない
日本だと幸福の科学がそれに該当するんじゃね