日本でも終身雇用が崩壊しつつあるとニュース等で聞く機会が増えてきました。今後、日本でも転職する人は増えていくのではないのでしょうか。
日本と異なり全く終身雇用という概念はなく、転職や首切りが当たり前と考えられているアメリカではインターネット上で転職や今の職場でどうしたら給料をアップできるのか、どのような交渉が有効かという議論が数多くみられます。
転職エージェント、ヘッドハンターなども数多く存在し、中にはプロの給料交渉人も存在するようです。アメリカでは以下のような転職エージェントのアドバイスの記事も多く見られます。
記事抜粋
そんな状況の中で、最も大事なことは給料交渉の前に最低限の給料水準と目標給料を決めることです。そして面接官に希望の額を聞かれたら目標給料を伝えた上で、その金額を企業側が出せない場合は給料交渉の余地はまだあることを面接官に伝えることです。
多くの会社は目標金額か若干それを下回る(通常多くても10%下げた)金額を提示するでしょう。ただしこれらは会社の業績によると思います。
またもしあなたが年収800万円以上のポジションであるならば、多くの会社は役職ごとに基本給のレンジがあることを意識するべきです。そして同じポジションの人と基本給を変えることができないのであれば、ボーナスを交渉すべきです。
また目標を設定する際に前職の給料を考慮すべきです。前職が年収600万円の人が900万円といったところで受け入れられる可能性は少ないのです。ただしオファーが取り消しになってもいいのであれば、交渉する余地はあります。
いずれにせよ給料交渉に関してはある程度の横柄さと事前の準備が必要です。
このような記事がアメリカのインターネット上では既卒者のみならず、新卒の学生ですらどうやって給料をアップさせるか議論しています。
これに対して給料交渉に関して多くのコメントが寄せられています。
【参考URL】http://www.businessinsider.com/how-to-negotiate-your-salary-without-turning-off-employers-2013-8
http://www.reddit.com/r/engineering/comments/1ski5n/salary_negotiations/
http://www.reddit.com/r/AskReddit/comments/i818b/tell_me_your_best_or_worst_salary_negotiation/
http://www.reddit.com/r/cscareerquestions/comments/18rz72/salary_negotiations/
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依然労働市場は買い手市場であり、給料交渉の余地はないと思う。私が以前転職活動した際も、これ以上の給料はだせないと一方的に言われた。
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私はプロの給料交渉人である。私の顧客の91%は給料アップに成功した。
私はいつも給料交渉をメールで行っている。そうすれば顧客がプロの給料交渉人を雇っていると雇い主にはわからない。そして顧客の代わりに私がメールを打って給料をアップさせている。
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今の職場に入社する際、給料交渉をした。当時の私は無職であり、給料交渉しないと不利になると思った。
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転職時に給料交渉し、年間20万円ほど基本給が上がった。しかし入社後全く昇給がない。
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転職時にいくら欲しいか聞かれたので、答えたら侮辱された。
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勤務していた会社の年収が300万円で不満だったので転職活動をした。
400万円の職が見つかったので、在籍している会社に給料を上げられないか聞いたが、他にも300万円で仕事をしてくれる人はいくらでもいるので上げられないと言われたので転職した。
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アメリカ社会では安い給料で採用された人が、経験を積んで給料の高い会社に転職し、代わりにまた給料の安い人が入社するという循環で回っている。
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お勧めの交渉術は上司に他社でよりよい給料を提示されていて、学生ローンの返済が苦しいことから転職したい。ただ本当はあなたのもとで働きたいと上司にいうことだ。
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上司に3年間昇給が全くないから給料を上げてほしいと言ったら、君ならもっと他にいい仕事が見つけられるよ。君は自由だよと言われた。
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正社員は若い時は派遣社員に比べて時給は下がるが、年齢が上がれば給料は上がっていく。
それと同じで初めのうちは給料が安くても経験だと思って働くべきだ。
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新卒で入社した会社で同期の女性よりも20%ほど多く給料をもらっていた。
それに気が付いたその女性が役員に文句を言いにいった所、役員は私の働きは給料に見合わないといったので私は50%給料が高い会社に転職し、彼女は20%給料が上がった。
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昇給を求めたが景気が悪いから無理と言われたので、追加の2週間休暇と5%の昇給を認めなければ辞めると伝えたところ、昇給の余裕はないと言われたので3%の昇給と休暇で妥協すると伝えたところOKがでた。
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給料アップを求めることも大切だが、今の自分の働きが今の給料に見合っているかよく考えるべきだ。
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前の職場で同僚がどんどん退職し始めたら、私が辞めることを恐れた上司が勝手に給料を3倍にしてくれた。
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今の職場で働きだした当初はとても給料が低かった。しかしその後一生懸命、長時間働き、自分に与えられた仕事以外もこなすようにしたら評価が上がり、自然と給料が11%上がった。
なおかつ上司に44%昇給を求めたら、あっさり承諾された。もっと高い金額を言えばよかった。
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非政府系の職場であればどこでも給料交渉は可能だ。あなたが優秀で職場があなたを失いたくないと思っているのであれば給料を上げてくれるだろう。
ただあなたの仕事ぶりが芳しくなければ、給料アップは無理だろう。
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転職活動の際に、前職の給料はいうべきでない。あなたにとってプラスに働くことはないから。
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転職活動時の給料交渉で、希望の給料を聞かれても先に言うべきではない。採用者側に給料水準を先に言わせたうえでそこから交渉を始めるべきだ。
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女性は男性とは少し異なる方法で給料交渉すべきだ。男性は直接給料について触れても構わないが女性は遠まわしに、笑顔で優しく交渉した方がよい。
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経験が少ないのであれば、給料交渉すべきではない。たとえ給料交渉が成功したとしても、入社してから苦労する。
まとめ
交渉の仕方に関する意見から、日本のように交渉する余地は全くないという意見まで多くみられています。
日本には労働組合が存在しており、集団での賃上げ交渉が多くみられる一方で、個人主義のアメリカでは個々で給料交渉を行うことが多いようです。
そしてアドバイスにもみられるように自分の仕事をしっかりこなした上で、強気で交渉することが必要なようです。景気が上向きつつある状況で、ここぞとばかりに賃上げ交渉することが必要なのかもしれません。
一方で気を付けなければならないのがやりすぎです。
記事にもみられるように、転職時のオファー取り消しや外資系の会社ではボーナス交渉のため長期間にわたり金額アップを要求した社員がリストラされるという事例もみられています。
日本では給料が上がらなくなったと言われる中、少しずつアメリカ化が進みつつあります。今後は給料アップ交渉術も大切なスキルになっていくのかもしれません。