ユーロ圏の国を旅行される予定のある方、もし、現地で2種類の異なる10ユーロ札を財布の中に見つけても慌てないでください!実は、2014年9月23日より、新10ユーロ札が出回ることとなったのです。
ヨーロッパの共通貨幣、ユーロ
2002年のユーロ導入からほぼ13年の年月が経ちます。初めは皆に「ちょっと、ちゃちいな・・・」と思われていたというユーロ札、すぐ偽造紙幣も数多く出回るようになり、イタリア国内の例を挙げると、2010年前後には1年間に約80万枚のユーロ偽造紙幣が回収されました。
イタリアでは、ごく普通の商店やスーパーなどでも、50ユーロ以上の高額紙幣で支払をしようとすると、店員が偽札検知器にお札を通してチェックするのが普通。
それ以下の5、10、20ユーロ札はそれほど警戒が厳しくないからか、意外と偽札作りの対象として標的に遭ってしまっているようです。
2013年には、既に新5ユーロ札が発行され、そして今回の新10ユーロ札発行に至っているという訳です。
新札とともに訪れる社会的混乱
2013年の新5ユーロ札発行の際には、イタリア国内ではかなり混乱が起きました。と言うのは、セルフサービスのガソリンスタンド精算機や駐車場の自動支払機、飲み物や薬局の自動販売機の多くが、新札を認識することができなかったのです。
よって、人々は必要なサービスが受けられなかったり、機械が認識する旧紙幣を探しに、あちこち走り回ったりする時期がしばらくありました。
今回は、そんな苦い経験を生かして、ユーロ圏内の機械類のソフトウェアを事前チェックした上での発行、ということですが、その効果はいかなることか・・・?今後の行方を見守っていくことにしたいと思います。
新札づくりに注ぎ込まれた最新技術
この新10ユーロは、ホログラムや透かしなど最新の造幣技術を駆使して作られており、偽造が難しく、本物かどうかのチェックが容易だとされています。
額を示す「10」はエメラルドグリーンで書かれていますが、紙幣を軽く動かすことにより、数字上で光が上下に移動し、数字の色が緑から濃いブルーに変化するようにできています。
また、紙幣左右脇にある斜線列や織り込まれた特殊なマテリアルなど、偽造防止のために様々な工夫がされており、紙幣の一部を触ると、その箇所によって手触りの違いを認識できます。
「触る、見る、動かす」ことで簡単チェック
上記のような特徴があるユーロ紙幣。「触る、見る、動かす」ことで、自分の持っている紙幣が本物かどうかを手軽に確認することができます。しかし、もし万が一、偽札らしきものに出会ってしまったら・・・?
そのような場合は、銀行または郵便局に、問題の紙幣を持ち込んで申請手続きをすると、国の検査機関が精密検査をしてくれ、偽札と判明した場合には同額の返金をしてくれるというシステムになっています。
さて、今回の新札発行のニュースに対し、イタリアの皆さんの反応はどのようなものか見てみることにしましょう。
【参考URL】http://www.ilfattoquotidiano.it/2014/09/22/bce-ecco-i-nuovi-10-euro-codacons-si-ripetera-il-caos-della-banconota-da-cinque/1129204/#foto-nellologramma-e-nella-filigrana-disegno-in-trasparenza-compare-un-ritratto-di-europa-figura-della-mitologia-greca
http://www.altroconsumo.it/soldi/carte-di-credito/consigli/banconote-false-come-riconoscerle-e-cosa-fare
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以前、自販機が新札を感知しなかったことで、その管理者の方が利用者よりも損害を受けたよ。
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新札を発行するために使われた莫大な費用がもったいない・・・。
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ナポリでは、もっと上手くお札を作れる人がいるよ・・・。
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一番偽造されているのは20ユーロ札と50ユーロ札なのに、なんで5ユーロ札とか10ユーロ札を変えるんだろう?
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うちのオフィスのコーヒー自販機は、未だに(2013年から)新5ユーロ札を受け付けてくれない。
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↑それは、新札発行する銀行とかの責任じゃなくて、自販機の会社のほうの問題だよね。
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↑自販を変えるのにいくらかかるか知ってるの?
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↑そう、機械を新しくするには大きな費用がかかるんだ。
こんな、ちょこちょこ頻繁に新札を発行されたら、経費がかかってしょうがない。一度にまとめて改正して欲しい。
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↑聞く所によると、機械の調整には1台につき500~800ユーロかかるとか。
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新札発行の効果のほどもわからないままなのに、それに翻弄される自販機管理会社の方は、余計な経費が上乗せされて困ってしまう。
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↑だから、機械は古いままなんだな。
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↑でも、それじゃあ商売人自身が損するだけじゃない。機械が古ければ、お客さんが減るわけだし・・・。
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新札作るより、1ユーロ札を作って欲しい!1ユーロと2ユーロのコインは重たいし、いやなんだよね。
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↑1ユーロ、2ユーロなんてもう今では大した価値がないんだから、紙幣にするほどのものじゃないよ。
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スタンドで5ユーロや10ユーロ入れて、ガソリンを入れることもできず、しかもお札が戻って来ないと困るから、5-10ユーロ分のガソリンはもう入れられないな。
ということは、最低20ユーロ分入れなきゃいけないっていうことか。
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↑もう少しして、新20ユーロが発行されたら、50ユーロ分入れないといけなくなるかも!
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僕の使っている銀行のATMなんか、新5ユーロ札を受け付けてくれないんだよ(銀行なのに!)。
振込みをするときなんか、5ユーロ入れたいときもあるんだけど、だめだってわかってるから、何度も近くの商店へ旧紙幣を恵んでもらいに行く羽目になってる。
店の人たちもいい加減いやがっているだろうな・・・。
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↑振込の時はお釣りが出ないから、なるべくぴったりの額を投入したいってことね。
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↑え!振込ができるATMなんてあるの?(注:イタリアでは、振込み不可のATMも多く存在します)
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私の銀行のATMなんか一度壊れたらしく、新しいドイツ製のが届いたんだけど、処理がすごく早くて感動モノ!
でも、機械の音声がやけに大きくて、遠くにいる人にも何をやっているかしっかりわかってしまうというのがクセモノ。
さすがに、そのATMは路上じゃなくて、銀行内に設置してあるけどね。
まとめ
いつの世にも繰り返される、果てしなき新札と偽造紙幣の追いかけっこ。ユーロ圏に入られた際には、ちょっと注目してみてください。
そんなに少額紙幣の偽造が多いなら、日本と同じように10ユーロ未満は硬貨にしたらどうなんだろう?
今回はインフラ整備してからの実装だからそこまで混乱はないだろうけど……
そもそも簡単に偽造できてしまう紙幣という時点で現代通貨としてはお粗末だと日本からは見えてしまう。
まぁ、お釣りの計算を客が率先してやる文化(と必要な知識)が根付いてる日本だから硬貨の種類と流通量が多くても苦にならないってのはあるらしい。外国人旅行者の中には溜まったコインを減らす手段がわからないって愚痴垂れる人もいるみたいだし。
年末にフランスに来たら、以前のデザインと変わってたから何かと思ったが、最近変わったのか。合点がいった。
日本が500円硬貨発行したら、なぜかすぐにほぼ同じ大きさ
重さの500ウォン硬貨発行。
さっそく日本に出張して、自販機荒らしまわってたよな。