アメリカの南北戦争(1861-65)が終わって約150年。当時の軍人の子どもが未だに戦争年金を支給されているという報告が話題になっています。果たしてそのようなことが可能なのでしょうか…?
150年前は歳の差結婚が当たり前?
南北戦争の最後の軍人Albert氏は1956年に109歳で亡くなっています。また戦争未亡人となったJaneway夫人は2003年、93歳で亡くなっています。
Janeway夫人がご主人と結婚したとき、彼は81歳、彼女は18歳だったということになります。そして、月々70ドルの年金を受け取っていたのです。
現代の常識から考えるとかなり遅い結婚でしょう。しかし、当時、若い女性が年の離れた男性と結婚することは珍しいことではありませんでした。特に女性たちは生活のための糧が必要でした。
プライバシーのため氏名は公表しませんが、1920年ごろテネシー州で彼らの間に生まれた子どもが復員軍人援護局(V.A.)から年間876ドルの兵士年金をもらっていると記録されています。健康状態はあまりよくないそうです。
戦争はすぐには終わらない!?
もう一人の受給者Irene Triplettさんは1930年ノースカロライナ州の片田舎で生まれました。彼女の父親Moses氏は初め、南北戦争の南軍に参加し、戦争中は連邦主義者に属したため”裏切り者”と呼ばれていました。
Moses氏は1920年代に最初の奥さんが亡くなり、その後Ireneさんの母親Elidaさんと再婚しましたが、彼女は精神的な障害を持っていました。
彼らの年齢もたいへん離れていましたが、やはり当時では普通のことでした。女性は年金をもらい、その収入で生活し、男性は彼らを養っていたのです。
Moses氏が83歳のときIreneさんが生まれましたが、彼女もまた精神的障害を背負っていました。長男のEveretteさんを身ごもった時、Moses氏はすでに87歳でした。Moses氏はIreneさんが8歳の時、亡くなりました。
IreneさんとEveretteさんは貧困の中に生まれました。
”わたしは草を刈り、皿を洗い、ベッドメイキングをし、洗濯、アイロンもした。彼らは豚を飼っていて、わたしは8匹の豚を育てた。” とIreneさんは当時の思い出を振り返ります。
彼女は生まれた時から自閉症で、読み書きも習えませんでした。月に1回、二人の女性は年金をV.A.から受け取っていました。Moses氏の年金資格の条件内で18歳以前に障害者として認定されたため、その後の一生、経済的保護を受けることができたのです。
彼女は施設に移り、そこで約70年間生活しましたが、どこよりも施設での生活が気に入っていると言います。彼女は政府から年間876ドルの年金を受け取っていました。
戦争で残された家族に支払われる政府の年間の支出は16,500,000ドルにものぼります。また、2013年、第二次世界大戦、韓国、ベトナム戦争、クエート、イラク、アフガニスタン戦争で死亡した兵士の配偶者、両親、子どもたちへの総支給額は67億ドルです。
現在も4,038人の未亡人や子どもたちがV.A.や他の機関から保護を受けています。支払いは経済的な援助を必要としている人、障害者、戦死した人を基準としています。戦争にかかる経費は戦争が終わってからも何年も莫大な額がかかるのです。
【参考URL】http://www.dailymail.co.uk/news/article-2296596/The-children-American-Civil-War-veterans-STILL-receiving-soldiers-pensions-nearly-150-YEARS-war-ended.html
http://www.reddit.com/r/todayilearned/comments/2oa8jb/til_that_irene_triplett_an_84yearold_woman_in/
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2624738/Meet-disabled-84-year-old-woman-lived-institution-13-American-receiving-benefits-Civil-War.html
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インフレを計算に入れてもらえなかったのは不運だったね。
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↑ははは。そうだね。
社会保険が開始したのが1940年で、22.54ドル。南北戦争の年金も1940年当時22.54ドルと換算するとインフレ計算では2014年には382.27ドルとなるべきだと計算されるよ。
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73ドルは当時の物価から考えると相当よかったんじゃないかな。
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年金がこんなに少ないのにびっくりした。インフレで調整されないんだね。
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年金が少ないんじゃなくて、何もしないのに月々70ドルももらえるなんて…って考えればいいんじゃないかな。
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年齢の規定がないのもびっくりだ。
何歳以下は年金が受けられるとか何歳以上は受けられる…みたいにしないと成人して働ける年齢になっても年金を受け取るなんてちょっとおかしいよ。
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南北戦争のためにまだ年金をあげてたの?いい政府だね。
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我々は戦争にいくら費やしているか忘れているよ。ベトナム戦争のためにももっと費やすだろう。
今年、市民はベトナム戦争に関わった人のための医療費に何百万ドルも支払うことになるだろう。わたしも退役軍人としてそれを使わせてもらうけどね。
いったい何人の退役軍人がいるんだろう。わたしたちがこのような馬鹿で、意味のない戦争をやめなかったら、この国はソビエト連邦のように崩壊するだろう。
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退役軍人協会は、2000年から2009年までの支出についてのリストを出版したよ。それによると「賠償金と年金」「医療費」「リハビリ代」「保険」「建築費用」だね。
これらは今後上がることはあっても下がることはないんだ。
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大統領も未だに南北戦争記念館に毎年訪問しているしね。
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こういうことは南北戦争時代は普通だったんだね。
わたしの曽祖父も連合軍のために戦った。彼は79歳のとき19歳の女性と結婚し、彼の死後、彼女は年金を受け取って生活していたよ。
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一番歳の差が離れていたのは、バージニア州の93歳と26歳だって。歳の差67!
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↑93歳のとき、戦争に行ってたってこと?少なくとも89歳では行ってたよね。それにしても兵力になるのかな…
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現在はもうこんな歳の差結婚はないだろうから、戦争後150年もたっていまだに子孫がその恩恵を受けるってことはないだろうね。
でも、寿命が延びてそういうこともあるのかな…?
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これって、退役軍人の子どもは大人になっても年金がもらえるっていう意味?父親が戦争で戦ったというだけで?
それだったら、アメリカには何千万という軍人の成人した子どもがいるんじゃないか?
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↑一般的に退役軍人の子どもが年金をもらえることはないんじゃないかな。特別な場合を除いては…彼らはこの恩恵を受けられる子どもとして認められたんだよ。
例えば、18歳以前に生涯自活できない障害を持った子どもとして認定されたとか…別の例では彼女が若いときに精神的障害を持っていたと記述している。それが彼女が年金をもらえる理由じゃないかな。
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↑退役軍人のウェブサイトを調べてみたけど、君の言ったとおりだったよ。
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遅めの結婚をした親の子どもでなおかつ自立できない健康状態であるはず…ってことかな…。
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だから僕達の国は借金が多いのかな。
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僕は数年前、南北戦争の軍人の息子に会ったよ。彼は90代だった。彼はまだお父さんの遺品(制服、刀、メダルや書類)を大切にしていた。
お父さんは最後の軍人の一人だったんだね。(数年前に亡くなったと言っていたけど…)今、本当だって分かったよ。
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イラク戦争に行った兵士たちは、家族を養えなかったって聞いたことあるけど…
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当時の様子が偲ばれてなんか感慨深いね。
戦争による思いもよらない負の一面
150年前の戦争の年金受給がまだ続いているとは…驚きですね。戦争って戦っている間もたいへんですが、その後、戦争で傷を負った人々のケアも同じぐらいたいへんなのでしょう。
また当時の経済援助を目的とする歳の差結婚にもびっくりです。現代だと第三国の貧困層かイスラム教徒の結婚…というイメージでしたが、アメリカにもそういう時代があったんですね。それもまた戦争の負の一面でしょう。
日本人最年長も1800年代生まれだし
南北戦争時代の子供が生存でもありえん話でもないだろーなー
興味深いお話でした。
負の一面って…
こういう補償があるから兵士は安心して戦えるんだろう?昔の話だからもう払わなくていい、なんて政府に言われるなら誰も戦争行かないぞ
今の日本で恩給もらってるのって太平洋戦争の人だけ?