プレイステーション4が昨年11月よりアメリカ、欧州、南アフリカで新たに販売され、日本でも2014年2月より販売が開始されました。先行販売されたアメリカカナダでは販売24時間で100万台以上売れるなど人気が出ています。
一方で注目を浴びているのが、ブラジルでの販売価格。日本では約4万2000円、アメリカでも400ドルで販売していますが、ブラジルでは1845ドルと日本円にして19万円近い価格で販売しています。
これはブラジルでの物価上昇によるものではなく関税が高く、また電化製品を輸送する際のコストが高いことによるものです。
内訳としては価格の63%が輸入品にかけられる関税、21.5%が輸送代金、そして22%が製造元のソニーや販売店の利益、そして6.5%分は値引きが行われています。
今後ソニーは中国の工場からブラジル国内での製造にシフトすることで、値段は大幅に下がるだろうと発表しています
これに対して発表直後から1250人以上のブラジル人がブログ等でコメントを載せており多くが落胆を表しています。
【参考URL】http://www.npr.org/blogs/thetwo-way/2013/10/22/239860325/sony-explains-why-its-playstation-4-costs-1-845-in-brazil
http://www.reddit.com/r/Games/comments/1p0s8l/sony_explains_why_ps4_costs_1845_in_brazil/
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ブラジルはどうして関税を高くしているのか理解できない。
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ブラジル政府としては国内の製造業を守るために関税を高くし、結果南米で最も発展し、儲けている国になっているが、それはとてもずるい政策だ。
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ブラジル国民にとっても自分たちが欲しいものをフェアなプライスで買えないことは損である。
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これは他国へマイナスである。誰もブラジルに対して輸出し、輸入することで利益を得られない。
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経済学的にも関税は良くないものである。最終的には社会全体での富を減らしてしまう。
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確かに異常なほど高い税金かもしれない。しかしブラジルという大きな市場を得たいのならば、ブラジル国内に工場を作ればいい。
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アメリカに飛行機で行って、買って帰ってきた方がよっぽど安い。
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本当にふざけた話だ…私達ブラジル人は常にこの高額な税金を考慮しなくてはいけない。そしてそこには企業側の多くの利益も含まれている。
常に消費者は政府、企業から搾取され、不利な立場に立たされている。
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私がプレイステーション4を持ってブラジルに旅行に行くことで、実質の旅行代はタダになりますね。
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これは密輸業者や闇市場にとって絶好のチャンスですね。
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もっとも簡単な解決策はブラジルを離れることです。ブラジルではすべてが高額で、薬を買おうと思ってもまともに買うことすらできない。
政治においても賄賂など不正が横行していて望みを持てる国ではない。
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私はあまりソニーが好きではないが、この件に関してはソニーに同情する。企業にとって高額な関税は大きな障壁である。
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一番いい方法はゲームで遊ぶことを辞めることだ。子供の教育にとっても、それが一番だ。
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これはソニーに非はない。ソニーは関税をコントロールすることはできないし、そう簡単に工場をブラジルに変えることはできない。
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私はブラジル政府の考え方に賛成だ。高い関税により他国の企業との競争において自国の産業、労働市場を守ることができる。
まだ成長段階にあるブラジルにとっては有益な政策だと思う。日本においてもかつてはこのような手段を用いて高度成長を遂げていたではないか。
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マイクロソフトのXboxも同じ条件なのに、プレイステーションに比べて値段が安いのはどうして。
(約1000ドル)ソニーは中国にしか工場がなくて、マイクロソフトはブラジルにも工場を持っているから値段が違うのだろうか。
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EbayやAmazonを使っても輸入になってしまうの。(→個人輸入になってしまう)
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ソニーがブラジル国内に工場を作り、値段が大きく下げる日が楽しみだ。
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子供のクリスマスプレゼントにしようと思っていたのに。
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ブラジルは企業がほかの南米市場などで関税が低い国の方が魅力的だと考え、ブラジルを見捨てる可能性を危惧していないのだろうか。
ブラジルは人口も多く成長率が高いが、いつまでも企業が魅力を感じるとは限らない。
まとめ
このようにあまりの高額さに悲鳴を上げている意見から、ブラジル政府に対するダメ出しまで様々なコメントが寄せられています。
日本でもTPPに関して関税率の変更が話題になっていますが、世界各国で関税率は大きく異なります。日本も決して関税が安いイメージはありませんが、世界を見渡すとより高い国が多く存在し驚きます。
なかでもG20参加国の単純平均(全商品)でみると堂々の1位はブラジルです。日本が5%弱の一方、14%近い水準となっています。他にもインド、アルゼンチン、韓国など10%強の国も存在はしています。
国によって品物ごとに関税を変えており、韓国は農産物に対して50%近い関税をかけています。ブラジルに関しても電化製品への税率が高く、プレイステーション4のように高額になってしまう商品が存在しています。
日本でもTPP締結が実現されれば、牛肉の値段が大きく下がるのでは言われています。我々消費者からすると大変ありがたいことであり、逆にブラジルの様に関税が大きくかけられている国で生活することはとても大変です。
また、これだけグローバル化が進む中で、企業にとっても高額な関税は商売の足かせとなってしまいます。
今後関税が下がることで、消費者にとってはより生活しやすくなればと思います。