かつて日本をにぎわせた東京オリンピックエンブレム騒動。
- 多くの人にデザインが好まれなかった
- 模倣疑惑
- コストが高い(諸々込みで4600万円)
等、様々な要因が次々と出てきましたね。
疑惑の件はさておき、今回のエンブレム問題で多くの人々が首を傾げたのはきっと、「ロゴやエンブレムのデザインってそんなにお金がかかるものなの?」ということではないでしょうか。ではその答えを出すために紐解いていきましょう。
200ドル以下のデザインはダメ!
まずは最低限のデザイン代金はいくらと考えるべきか見てみましょう。
アメリカのApex Creative.netのサイトによるとプロは200ドル(約2万3000円)以下でロゴデザインの仕事を請け負うべきではない、と言っています。その理由は以下の通りです。
- 1.一般の人には分からないかもしれないが、ロゴデザインというのは膨大な時間がかかる。
- 2.デザインを学ぶために専門スキルを学び、そのための学校(大学)も出ている。
- 3.専門のソフトウェア等も必要であり、コストがかかっている。
- 4.ロゴのデザインはシンプルではない。緻密な計算をして産み出している。
- 5.良いデザインを作り上げるために、多くの経験を重ねている。
- 6.何年たっても古くならないデザインのロゴを生み出すのは並大抵のことではない。
- 7.ただロゴをデザインしているだけではない。ビジネスや人々との橋渡しになるような役目になるツールをデザインしている。
要するに多くの人々に覚えてもらえて受け入れられるようなロゴをデザインするのに、わざわざ専門的に学び、専門ソフトも使い、集中し時間も費やし、経験も活かしセンスや才能も発揮している。
誰にもできる仕事ではなく、だからこそプライドを持って請け負っているし、決して妥協された料金では仕事を引き受けない・・・ということなのです。
なるほどデザイン料は安いものではない、ということがまず分かりました。では実際に広告デザインをする人々の収入はいくらぐらいなのでしょうか?
アートディレクターの収入ってどのくらいなの?
デザインの仕事を引き受ける上で安請けはするものではない。とはいえ一般的に広告アートディレクターの給料は一体いくらぐらいなのでしょうか。
国によってまちまちなので、今回はイギリスを例に挙げたいと思います。また、アートデザイナーではなく、あえて日本でオリンピックロゴ騒動の際に問題になった“アートディレクター”の場合で見ていきたいと思います。
今度は性別ごとに見てみましょう。
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平均年収
- 男性・・・2万4000ポンド~4万9977ポンド(約441万円~918万円)
- 女性・・・1万7540ポンド~4万2874ポンド(約322万円~788万円)
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人数比率
- 男性・・・67%
- 女性・・・33%
となっています。
また各学士号を持っているアートディレクターの平均年収は以下の通り。
- 学士号を持っているアートディレクター・・・3万3000ポンド~4万6500ポンド(約606万円~854万円)
- 特化した分野―アートの学士号・・・3万7426ポンド~5万868ポンド(約688万円~935万円)
- グラフィックデザインの学士号・・・3万6225ポンド(約665万円)
尚、アートディレクターの肩書を持つプロたちの平均経験年数は以下のようになっています。
- 1年以下・・・2%
- 1~4年・・・23%
- 5~9年・・・25%
- 10~19年・・・37%
- 20年以上・・・13%
フリーランスも多い業界ですが、どこかのオフィスに属している場合、勤務時間は大体朝9時~夕方5時までです。
一般的な事務員と変わらないシフトですが、アートディレクターの場合、外部の人間やクライアントとの打ち合わせ等が多いため、夜や週末にもミーティングや、締切に合わせて仕事にとりかかっていることが一般的です。
「広告アートデザイナーやディレクターの仕事ってすごいオイシイんだ!」というイメージを抱いている人達もいると思いますが、今回実際に彼らの平均給料を見てみると、決して高収入の仕事ではないと言えます。
むしろ時給換算にすると、割に合わない仕事といえるかもしれません。またかなりのストレスも溜まるでしょうし、忍耐力も強いられ、強靭的な集中力も必要です。
金額の桁が多いデザインの仕事を受注できるデザイン事務所やデザイナーなんてほんの一握り。高慢なクライアントに我慢し、多くの人々には「ちょろい仕事」と思われ、ただ才能があるだけでなく、タフでないとやっていけない仕事かもしれません。
みんなが思うデザイン料は?
以上のように、一部の例外を除き、デザインの仕事で稼ぐのはなかなか大変なことです。
この事実を裏付けるように、イギリスのブリティッシュ・デザイン・エキスパートのサイトを見ると、一般の人々は、デザイン料の金額について、あまり高くは考えていないということが分かります。
このサイトでは多くの人々に「企業のロゴ費用(デザイン製作発注費)っていくらぐらいかかるものか?」とという質問に対する回答を紹介しています。答えやすいように、金額を5つのカテゴリーに分けています。
- 1.0ポンド~50ポンド(約0円~9000円)
- 2.50ポンド~150ポンド(約9000円~2万7000円)
- 3.150ポンド~500ポンド(約2万7000円~9万2000円)
- 4.500ポンド~1000ポンド(約9万2000円~18万4000円)
- 5.1000ポンド以上(約18万4000円以上)
さあ、あなたなら何番を選びますか?このサイトでは、回答した64%もの人が3の“150ポンド~500ポンド(約2万7000円~9万2000円)”を選びました。
多くの人は「150~500ポンドくらいが妥当じゃないか」と思っているようで、ロゴをデザインすることがどんなに大変で、経験とセンスと集中力と時間等を必要とするものか、分かっていないということかもしれません。
だから「1~3万円でできるだろう」と思ってしまうようです。多分、プロのクリエイター、デザイナーたちが知ったら、がっくりしてしまうようなアンケート結果かもしれません・・・。
クライアントが払うべき金額は?
実際には、クライアントはいくらロゴデザイン料を支払うべきなのでしょうか。本当の正解は何番なのでしょうか。
それは「すべて正解と言える」が正しい答えです。なぜなら提供先、クライアント企業の規模によって、費用の金額がまちまちになるからです。
- スタートアップ企業のロゴ費用・・・150ポンド~250ポンド(約2万7000円~4万6000円)
- 小さな会社の場合・・・およそ500ポンド~750ポンド(約9万2000円~13万7000円)
- 中規模会社の場合・・・およそ6000ポンド~1万ポンド(約110万円~183万円)
- 世界的規模の大企業の場合・・・桁外れの巨額!
最後の世界的規模の大企業ロゴの費用は、一言でいえば“たくさん!”です。ごく一握りのデザイナーが、この恩恵に授かれます。
とはいえ本当にすべての大企業が、ロゴデザイン製作に、桁外れの巨額のお金を支払っているものなのでしょうか。
やっとここで本題です。企業のロゴやオリンピックのエンブレム費用っていくらかかるものなのでしょう。ワールドワイドに知られる大手企業が、実際に支払ったロゴ(またはエンブレム)費用の金額を見ていきましょう。
グーグルは0円、BBCは2億円オーバー!
Pepsi ロゴ費用:100万ドル(約1億1900万円)
新しいペプシのロゴは、the Arnell Groupによってデザイン。2008年。
ロンドンオリンピック2012年 ロゴ費用:62万5000ドル(約7430万円)
デザイン:Wolff Ollins 、2007年。
グラスゴーオリンピック2014年 ロゴ費用:9万5000ドル(約1130万円)
デザイン:Marque Agency ※費用はロゴデザイン代のみ。
グーグル ロゴ費用:0ドル
オリジナルのグーグルのロゴのデザイン:Sergey Brin(グーグル創設者の一人)、1988年。
その後何度もリニューアルされているが、オリジナルのコンセプトイメージはそのまま。
ツイッター ロゴ費用:15ドル(約1780円)
デザイン:Simon Oxley 、2009年。
BBC ロゴ費用:180万ドル(約2億1420万円)
1997年に再度デザインし直されている。
メルボルン市 ロゴ費用:62万5000ドル(約7430万円)
デザイン: Landor Associates 、2009年。
NeXT ロゴ費用:10万ドル(約1190万円)
デザイン:Paul Rand for Steve Jobs、1986年。
南カルフォルニア州に本拠地を置くコンピューター企業。
ナイキ ロゴ費用:35ドル(約4160円)
デザイン:Carolyn Davidson(当時の大学生)、1975年。
この費用に含まれているのはロゴデザイン代のみ。その後何度もリニューアルされているが、グーグルやコカコーラ社のロゴ同様、オリジナルのコンセプトやイメージはそのまま。
Accenture ロゴ費用:1億ドル(約119億円)
新しいAccenture のロゴは Landor Associates によってデザイン。2000年。
アイルランドに本社がある、世界最大規模の経営コンサルティングファーム。
グループロゴ費用:1500万ドル(約17億8000万円)
オーストラリア&ニュージランド銀行。2009年に再デザインされる。
British Petrol (BP) ロゴ費用:2億1100万ドル(約251億1800万円)
2008年に再デザイン。
エンロンのロゴ費用:33000ドル(約390万円)
デザイン:Paul Rand 、1990年代。
かつてテキサス州に存在した、総合エネルギー取引とITビジネスを行う企業。
1885年にデザインされ、19世紀中ごろに改良。その後、オリジナルイメージを損なわないように、何度かリニューアル。
決してデザイン代だけではない
先にご紹介したアートディレクターの平均収入を鑑みると、他の職業に比べて決して恵まれた金額ではありません。そこから見てみると、数億円以上のロゴ費用というのは滅多にないことです。
またこれらのロゴ費用を紹介した元記事には明記されていませんが、恐らくこれらの費用の中には、
- 宣伝費
- 関連グッズ製作費
- デザイナー+その他の人件費
- 印刷代
- 商標登録代金
等の、ロゴ展開関連費用全てが含まれているものもあると考えられます。全経費が含まれているとしてもばかばかしいほどの巨額のロゴもあります。
デザイナー側にすれば、億単位の金額も「当然だ」「一攫千金を思わせてくれるいい話だ」と好意的に受け止めるかもしれません。一方で第三者の感覚では、「いくらなんでもボラれすぎじゃないの!?」と思ってしまいます。
元記事がイギリスのサイトという事もあり、ネット上ではイギリス人たちから様々なコメントが寄せられました。
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中には信じられない金額もあるわね!
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素晴らしいロゴのおかげでその企業のイメージが良くなって人気が上がった場合は、例え数億円のギャラでも安いものだったと思うな。
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大金に見合う、インパクトのあるロゴをデザインしなければならないというのは、すごいプレッシャーだろうな。
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ロゴのデザイン費だけを見てそのロゴのデザインが素晴らしいんだ、と思ってしまうのは大きな間違いだ。
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クレイジー!
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おいおい、あり得ない金額が紛れ込んでいるぞ。
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なんだろう。大金をかけたロゴに限って、ばかげたデザインに見えるんだが。
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デザインの仕事が軽視されず、尊敬と社会的地位を得るためには高額報酬を要求するのはいいことだと思う。
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私のデザインでこんなに大金を貰えたらいいなあ!
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高額な金額は、単純にロゴのデザイン代だけじゃないんだろ?その他諸々含まれているんだろ?
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「ロゴ費用」とすると誤解を招くよね。これらのロゴをゲットするために、商標登録だっけ?色々な手続きもあるし、宣伝もするだろ。
それら全部を合わせてかかった費用、と言うのが正解だろう。
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果物のメロンと一緒だね。超安物から超高額まで売っているんだけど、素人にはその違いがよく分からない。
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安い費用のロゴを用いた企業の方が、高額なロゴの企業よりビジネスが成功しているよね。なんて皮肉なんだ。
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僕はクライアントサイトとデザイナーサイト、両方で働いたことがあるんだけど、こういうロゴにかかるお金って、結局は適当だったなあ。
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ロゴにかかる費用の大半が、宣伝費とマスコミに使われるものだよ。「このロゴデザインにこれだけの大金を支払っているんだなあ」と思うのは大間違い。
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私はBPの社員なんだけど知らなかったわ!会社のロゴにこんなにお金をかけていたのね!ちょっと、そんなお金があるなら社員にボーナスでもよこしなさいよ!
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プロが作ったものとアマチュアが作ったものがあるようだけど、はっきりいって違いはないよね。どっちがどっちだなんて分からないや。
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自分の会社を設立したんだが、ロゴ代に10ポンド(約1800円)払った。
いつかこの会社が大成功をおさめて「なんだって!?こんな大企業のロゴがたったの10ポンドだったんだって!?」と世界中のみんなを驚かせたいな。
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経験豊富な企業とデザイナーが作り上げたロゴの方が明らかに洗練されていてインパクトがある。素人が作ったものとはまったく違う。
しかしプロフェッショナルなロゴを用いたからといって、その企業が成功するとは限らないようだ。
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「ロゴをデザインする」と「ブランドをデザインする」はまったく別物だ。これらの金額は両方のケースが混在している。
あってないような金額!?
多くの職業に言えることですが、広告デザインという仕事も、経費や値段、受注者側に入る収入が千差万別です。
すでにご紹介しましたが、ツイッターとBBCのロゴ。あまりにも費用の差があり過ぎますが、見た目ではデザインのレベルの差を感じません。
しかしここまでかかった費用の金額が異なるというのは、もはやデザインセンスどうこうではなく、あくまでも“大人の事情”なのかもしれません!?
もしツイッターもロゴのデザイン発注時に、すでに大きな利益を得る有名企業になっていたとしたら、ロゴ製作に動く金額も、もっと大きなものになっていたのではないでしょうか。グーグルもまた然りです。
同じレベルのロゴが出来上がったとしても、クライアントの企業の大きさによって、その費用の桁も変わってきます。語弊がありますが、デザインの仕事も水物商売なのかなあ、という感想を抱いてしまいます・・・。
しかしどんな仕事も「期待」がなければやっていけません。デザインによって億単位の金額を動かせるかもしれない!と思えるのは、見方によってはいいことなのかもしれませんね。
無料でも最高のデザイン!コカコーラのロゴ
最後におまけとして・・・。ロゴ費用の項目でも登場したコカコーラ。今年2015年で100周年を迎えます。
コカコーラは人々に喉の潤しと美味しさ(と虫歯の原因!?)を与えるだけではなく、今まで多くのアーティストたちに“閃き”をもたらしてきたミューズでもあります。
アンディ・ウォーホルは、コカコーラのボトルを用いたイラストを描き、マーク・ジェイコブスはボトルそのもののデザインを手がけました。
このコカコーラが100周年目を記念して、世界中のアーティスト、デザイナー、イラストレーターたちに「ビンテージのコカコーラの瓶ボトルをモチーフにした作品を作り上げてみないか」と声をかけました。
条件は1つあります。それは使用できる色はコカコーラの赤、黒、白の3色のみ。
この呼びかけに応えたのは、15か国に及ぶおよそ130人。モチーフはコカコーラの瓶、色は3色だけという縛りがあるにも関わらず、各国のアーティストたちはコカコーラのイメージを失わないまま独創性を取り入れ、非常に見事な作品を作り上げていきました。
最後に、それらのファンタスティックな広告デザインをご紹介します。ちなみにこれらの広告ポスターですが、費用はいくらだと思いますか。無料です。チャリティ企画なので、アーティストたちはギャラを請求していません。
確かにデザインという仕事はグレーゾーンの側面もあります。しかし本物のアーティストたちは、チャリティ事業であれ最高の作品を創り上げてくれます!ノーギャラなのにこれらの素晴らしい作品を作り上げたアーティストたちには拍手です!
※もっと他の作品を見てみたい方は、ぜひこちらのサイトをクリックしてみてください。
http://www.coca-colacompany.com/slideshow-designers-reimagine-classic-coke-bottle-artwork#contour-100-design-mashups
【参考URL】https://stocklogos.com/topic/famous-logo-designs-and-how-much-did-they-cost
http://www.coca-colacompany.com/kiss-the-past-hello-coca-cola-invites-designers-to-recreate-art-starring-its-iconic-bottle
http://gallery.wacom.com/gallery/25296511/MashUp-Coke
http://www.celebritynetworth.com/articles/entertainment-articles/top-5-richest-global-brands-in-the-world/
http://www.prospects.ac.uk/advertising_art_director_salary.htm
http://www.payscale.com/research/UK/Job=Art_Director/Salary
http://www.britishlogodesign.co.uk/b?usiness-startup-help/logo-design/average-cost-company-logo/
http://www.huhmagazine.co.uk/4140/the-cost-of-a-logo
会社でかなり予算を割いたデザインは大コケしたのに、アルバイトの落書きが大ヒットしたって話があるらしいぜ。お金やデザインよりも、それにいかにファンがつくか、愛着持てるかってのが重要じゃないかね。
一方NHKは解説委員を使った
他のものは、まあ、高くても当然なのかな?といった感じだけど、BBCのだけは分からない!
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