シアトルの市関係者が公表したところによると、シアトルは今後数年間をかけて最低賃金を15ドル(約1530円)/時間に上昇させることを決定しました。エド・ミュレー市長によってなされた取り決めを労働団体や経済団体が歓迎した形です。
導入されるタイミングやスピードは企業のサイズによって違い、段階的となっていますが、10年後には全ての労働者がこの基準を満たさなければなりません。
全国で500人以上の社員がいる企業には3年の移行期間が与えられ、それ以下の規模の企業は5年間をかけて賃金水準を上昇させることとなったのです。
最低賃金が15ドル/時間に上昇した後、シアトルの最低賃金はインフレ度に関係なく、自動的に毎年2.4%ずつ上昇していくこととなりました。
賃金の自動上昇は、最低賃金に関する法の効力が比較的強い州においてさえ、なかなか見られるものではありません。
今回の取り決めは、シアトルを最低賃金に関する法律のナショナルリーダーへと押し上げるものになったでしょう。現在一番高い最低賃金を設けているのはワシントン州で、9.32ドル(約950円)/時間となっています。
今回の取り決めは以前から持ち上がっていたものであり、ミュレーは9月の選挙運動期間中に15ドル/時間を達成したいと話していました。
ミュレーは24人のメンバーからなる顧問団を設け、妥協案を作成させました。そして、企業家やレストラン経営者、労働組合幹部などはここ4ヶ月で、合意に向かい調整を続けていたとのことです。
チップを最低賃金に含めるかどうかについては、今後5年間のみ含めるという予定で、その後はチップを貰っていようが貰ってなかろうが、それは関係なくなり、15ドルを与えられなければいけなくなります。
そのため、今回レストラン経営者から認可を得られたことの意味は大きいでしょう。
シアトルには、15ドル/時間以下で働いている労働者が102,000人存在します。これらの人々の最低賃金を上昇させることは、約5億円をシアトルの労働者の財布へと流し込むこととなります。
さて、この日本では考えられない最低賃金の上昇具合に、海外では以下のような反応が見られました。
【参考URL】http://www.reddit.com/r/politics/comments/24h1mb/seattle_announces_15_minimum_wage_highest_in_the/
http://thinkprogress.org/economy/2014/05/01/3433227/seattle-15-dollar-minimum-wage/
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オレはシアトルの近くに住んでるけど、この件がどういう結果に繋がるかはちょっと心配だな。
賛成でも反対でもないけど、オレの周りにはこれが成功しないで欲しいって言ってる人が多いかも。まぁ恩恵を受ける人にとってはいいことだね。
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チップが最低賃金に含まれずに絶対15ドル/時間になるってことは、オレたちが買うものも高くなるよね?
それでもし、いいサービスを受けてたらどうする?チップを渡す?少なくする?全く渡さない?この一件がどうなってくのか楽しみだ。
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オーストラリアではどんな職場でも最低賃金は絶対もらえるよ。でもエチケットは、逆に誰にもチップをあげないってこと。ものすごいサービスを受けて寛大な気持ちになってたらちょっとくらいあげてもいいけどね。
私はウェイトレスとして働いてたことがあるけど、たまには数百円くらいチップもらったわ。でもそれは賃金とは別の話で、ただ気分が良くなるだけよ。
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最低賃金を上げるかどうかって話聞くといっつもばからしいなって思うんだよね。最低賃金で働いてる人たちはインフレとは関係ないとでもみんな思ってんのかな?
もっと頻繁に少しずつ上げればこんな話10年ごとにいっつもしなくたってよくなるのに!
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これは僕たちみんなの利益になるさ。今までは金持ちたちが雇用を生み出してるってうそつかれてきたけど、本当の雇用創出者は低中所得者で、こういう人たちが得た金を経済に戻し入れるんだよ。
モノとサービスに対する彼らの莫大な需要が雇用を創出するのさ。より多くのお金はより多くの支出を呼び出すんだ。
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↑これってすごい明白だけど見逃される事実だよね。いろんな家族がお金がもっともらえれば、もっと使い始めるのさ。
車の窓もテープで直されてたのがしっかり修理されるし、床も新しくなる。新しい服も買えれば外食ももっと頻繁にできるようになる。最終的には冷蔵庫とかストーブとか電子レンジまでもね。
こういう人たちの財布にお金を入れてあげることが経済を動かすんだよ。そんでこういう人たちに支えられてるビジネスっていうのが大きく成長するビジネスなんだよね。
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金持ちってお金を使わないんだよ。もし金持ちが平均的なアメリカ人が年収から使うお金の同じパーセンテージのお金を彼らの年収から使ってたらこんな経済状況にはならないはず。
あとちなみに雇用創出者って消費者のことだね。もし誰かが何かを欲しがったとしたらその人はそれを得ようとして持ってる大金を使ってビジネスを始めるか、銀行で金借りてビジネスを始めるからね。
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ファストフードのマネージャーは時給14ドルで、普通の社員はそれ以下の最低賃金なんだけど、15ドルになったらみんな15ドルになっちゃうのかな?
マネージャーはかわいそうだね。もっと重い責任ともっと多い仕事。
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んーじゃぁ例えば時給15〜17ドルの人の給料はどうなるんだろう。賃上げされるのかな。
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↑シアトルの労働市場がどれだけ競争率が高いかによるさ。
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オレは小さいビジネスやってるけど、15ドルに上がったらオレだったら時間と従業員数を減らしちゃうよ。こう言わない人たちは小さいビジネスを持ったことがない人たちに過ぎないよ。
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いい勉強の機会だと思って質問したいんだけど、小さい企業には現実的に何が起こるの?ウォルマートとかマクドナルドとかは払えると思うんだけど、小さい企業のオーナーはどうなるの?
払えるように人を解雇するしかないのかな?こういう仕事についてる人はいいけど、こんなに高い賃金で大丈夫なのかな?
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↑オレは高校生を雇って小さいアイスクリーム店やってるけど、同じ数の従業員で15ドルに賃金上げたら、全体で50%くらい賃金あげなきゃいけなくなるね。別の言い方すれば、店の一年の歳入の12%くらいかな。
そんで、従業員たちの待遇はよくなるでしょ。でももっとたくさんの人がアイスを買える(みんな金をたくさんもらうことになるからね)からコストの上昇はカバーされるんじゃないかな。
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本当にローカルなお店とかがどうなるか見所だね。
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↑たくさんじゃないかもしれないけど、閉店する店も出てくるだろうね。
なんだろ、とりあえず最低賃金上がってきつくなるなら緩い仕事がいいなと思ってしまう。