1983年に千葉の舞浜に東京ディズニーランドがオープンしました。現在40代のAさんはこう言います。
招待客でもランクがあって、僕の父親の勤め先は本当の大手企業だったからか、すべてのアトラクションを並ばないで裏から入れてもらったんだ。シンデレラ城も然りで、招待客の長い列ができているのに、こっそり裏から入ってスッと見学ができた。
筑波万博(1985年)でも同様だったけどね。
こういった場所で、子ども時代の自分が列に並んだ記憶は一切ない。子どもながらに学んだよ。どんな夢とおとぎの国でも、大人の世界の上に成り立っているんだって」。
Aさんは続けます。
そんなAさんも今や二児の父親。小学生の息子たちが、「USJ(関西では「ユニバ」と呼ぶそう!)に行きたい」「ミッキーマウスに会いに千葉に行きたい」とおねだりしてくるたびに、
そもそも、なんだか知らないけどさ、チケット代が高いよね。あれだけ行楽客がいるのに、どうしてディズニーもユニバも入場料が高いんだ?
テレビはその理由を言ってくれない。自分としてはなぜか?ということを知りたい」。
ではどうして誰もが知る超有名遊園地・テーマパークはばか高いのでしょう?Aさんの疑問に答えてその理由を述べてみたい思います。
富裕層はテーマパークなんぞには行かなかった!
アメリカの遊園地・テーマパークは近年、入場料・アトラクション代など値上がりする一方です。国の経済事情、電気代・石油代の高騰といった背景があるのは分かるものの、この事実は多くの客の怒りを買っています。
それまで多数の人々は遊園地・テーマパークは子どもがいる一般家庭やお金のない学生たちをメインにターゲットにしているのであろう、と考えていました。
しかしどんどん値上がりしていく、とりわけ有名なディズニーワールド、ユニバーサル・オーランド、ディズニーランドを見ていると、
「ああ、もしかして『夢と愛に満ち溢れた』これらの複合施設はお金持ちしか相手にしていないんじゃないか」
という気にさせられてしまいます。
ディズニー・ユニバーサルは中産階級向けの行楽地
ふた昔前ほどは、アメリカ人の裕福な家族はディズニーワールドのような「いかにも」といった甘ったるい綿菓子のような遊園地で休暇を過ごすことはありませんでした。
当時は、高級ホテルだったヒルトン・ヘッドやゴルフ&プライベートビーチリゾートで過ごすことなどできない、あまり予算に余裕のない中産階級の家族がディズニーのような賑やかなで騒々しい遊園地へ遊びに行くものでした。
彼らは車で遠くからやってきて、低予算で泊まれるホテルやモーテルに滞在し、ミッキーマウスに会いに鼻歌を歌いながらディズニーに繰り出していました。
1970年代には、2日間入場パスポートは20米ドル未満でした。カウンター・サービスフードの食事を入れて、中産階級の4人家族が合計100米ドルでマジック・キングダムでの2日間を満喫できたものでした。
ディズニーを車で去った後は、一家はそのまま近郊にある、無料で利用できるパブリック・ビーチで日光浴やスイミングを楽しみました。
富裕層のみをターゲットに
ユニバーサルスタジオ・フロリダ
ところが過去30年の間に、アメリカの経済は大きく変わってしまいました。
労働者たちの生産性が大幅に向上したにも関わらず、一般階級の実質賃金(言い換えるならば、インフレ調整後の時給)は1970年代以降、ほとんど値上がりしていません。
90年代後半に少し上がりはしたものの、裕福層と労働階級の差が大きく開きすぎてしまいました。これは大恐慌以前の、もっとも差が開いた時以来のことです。
ディズニーやユニバーサルの経営者たちは無論、世の情勢に敏感で非常に頭が良いといえます。
彼らはそれまで自分たちが対象にしてきた中流階級が減り、率直に言って貧乏人かお金持ちか両極端に国民の生活レベルが分かれてしまったのを見て、素早く後者―お金持ちたちを自分たちの金儲けの対象にすることを選びました。
そして米ドルが弱くなってからは、外国人観光客を取り込むことに積極的な姿勢を示すようになりました。
今日、もしあなたがお金を持っているならば、ディズニーやユニバーサルが所有する4つ星ホテルの数千もの客室のどの部屋に泊まるか、選択することができます。
そして3歳から11歳の娘がおとぎの国の「王女様」と一緒にアフタヌーンティーを楽しめる、「マイ・ディズニー・ガールズ・パーフェクトリー・プリンセス・ティーパーティー」に申し込むこともできます。
(一人数百ドルの出費は覚悟した方がいいかもしれません。パーティー代ではなく、「一人あたり」です!)
そして世界で受賞した一流の食事をレストランで味わうこともできて、お金を支払って事前に手配をすれば人気のアトラクションに乗る(入場する)時は長蛇の列に並ばず、スキップして優先して乗車(入場)することもできます。
良く言うならば、裕福層の観光客からこういった追加料金をいただき、それを新しいアトラクション設置にまわし、遊園地・テーマパークそのものをさらに魅力あふれた面白いところに改善・向上していっているという利点があります。
だから庶民が手を出せないような料金設定をした様々なサービスを用意していることは、決して間違っていることとは言えません。
かつフォローもしましょう。
中産階級の人々も楽しめるように、ディズニーとユニバーサル側も様々な割引チケットを用意し、格安料金でお腹を満たすことができるフードコートやカフェテリア、園内で楽しめる無料イベントなど用意をしています。
ディズニーやユニバだけが娯楽場ではない!
しかしそれでも「まだお金がかかる」と嘆く子連れの両親や恋人たち、学生は地元にある緑が美しく大きな湖があるような公園にピクニックや散歩に出かけます。
「理想」としては、そういった公立の公園の中に、ディズニーとユニバーサルのようなわくわくするようなアトラクションができることです。
もしかしたらディズニーやユニバーサルに足を運ぶ多くの人たちをも、地域の公園に目を向けさせることができたら、公園の改良に予算がもっと回され、アメリカ中に本物の自然と融合された新しい形の公共遊園地公園が実現するかもしれません。
巨大遊園地テーマパークの値上げの理由
さて、なぜ大手の遊園地・テーマパークは料金を上げることができるのでしょうか。
答えは簡単です。「最適販売価格」にしているだけなのです。
裕福なアメリカ人と外国人行楽客を狙うことにした結果、その層に見合った「適切な」値段にしているのです。
大手遊園地・テーマパークのチケット代金は「計算されたビジネスによって決められた価格」なのです。これを納得して支払うかどうかはあなたが決めることです。
ひとつだけ確実に知って欲しいのは、あなたの予算を台無しにすることもなく、かつ休暇を楽しめるオプションは他にもいくらでもあるのです。
テレビコマーシャルで頻繁に流れている「休暇場所はここしかない!」と謳う大手遊園地・テーマパークの宣伝文句には洗脳されないようにしてください。
以下、アメリカで一番高い遊園地・テーマパークの入場料ランキングです。
ディズニーワールドのシンデレラ城(左)とユニバーサル・スタジオ・オーランドのホグワーツ城(右)。ディズニーとユニバーサルはチケット代の値段の高さでも競っている!?
テーマパーク・遊園地―高い入場料ベスト5
5位シーワールド・オーランド(SeaWorld, Orlando) — $75.00 per day
入場料(3歳以上)75米ドル/日はかかると見ておいたほうがよいでしょう。
ポイントは普通のテーマパーク・遊園地では3歳から9歳までは子ども料金が設定されているのですが、このテーマパークでは3歳以上はほとんど大人と変わらない(もしくは同じ)金額であることです。
子だくさんの両親は、かなりの出費を覚悟しておいたほうがいいでしょう。
4位 ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド( Universal Studios, Hollywood )— $92.00 per day
入場料―大人(10歳以上!) 92米ドル/日、小人(3歳から9歳)84米ドル/日。
アメリカの遊園地・テーマパークでは、子ども料金といえば通常は3歳から9歳を指します。おとぎの世界では10歳はもう大人なのです。
ディズニー映画の「ピーターパン」でも、ピーターパンは大人になりたがりませんでした。その理由がなるほど・・・
3位 ディズニーランド・カルフォルニア(Disneyland, California) — $96.00 per day
入場料―大人(10歳以上!) 96米ドル/日、小人(3歳から9歳)90米ドル/日。
2位 ディズニーワールド・フロリダ( Walt Disney World, Orlando, Florida) — $99.00 per day
(マジック・キングダムの)入場料―大人(10歳以上!) 99米ドル/日、小人(3歳から9歳)93米ドル/日。
1位 ユニバーサルスタジオ・フロリダ(Universal Studios, Florida )— $136.00 per day
(Park to Park Admission 共通)入場料―大人(10歳以上!) 136米ドル/日、小人(3歳から9歳)130米ドル/日。
上記のランキングをみると百ドル前後の入場料ばかり・・・しかも大人料金と子ども料金の金額に大差がありません。
お金を支払う大人(保護者)を子どもたちが連れて来てくれる上、子ども自身は収入がありません。だからこそどこの国の遊園地などでは、子ども料金は格安に設定されているものなのですが、どうもランキングに入っている遊園地等では考え方が違うのでしょうか。
そして百ドルという金額は、恐らく一般的日本人が一万円に感じる価値よりずっと大きいものではないでしょうか。
ということは、それらの遊園地・テーマパークの経営側がいかに裕福層と外国人行楽客をターゲットにしているのか、よく分かってしまう気がします。
(*ただしあくまでも公平な材料に基づく判断によって下した意見ではありません。偏見と僻みを持つ人間が個人的意見を交えた感想を書いているのだと、どうぞご理解してください。)
さてこういうことを知った上で、冒頭に出てきた、ごく普通のサラリーマンのAさんが子どもたちをどこに連れ出すのか・・・。
有名遊園地テーマパークなのか、山なのか公園なのか分かりませんが、お金をかけずとも家族が仲良ければ、どこでも楽しい思い出は作れるということをAさんの子どもたちも分かっているといいな、と思います。
テーマパークのチケット代はどうして値上がりをし続けているの?という疑問について、アメリカの人々はネット上で以下のコメントを寄せています。
【参考URL】http://www.themeparkinsider.com/flume/201206/3077/
http://www.themeparkvoice.com/the-most-expensive-theme-park-attractions-ever-built-numbers-5-to-1.html
http://seaworldparks.com/en/seaworld-orlando/book-online/tickets/
allticketstourists/?from=Top_Callout
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僕も70年代に子ども時代を過ごした世代だ。この記事の言っている通りだった。
僕のママはシングルマザーで、一家は生活に余裕のなかった。だから休みになるとディズニーランドやオーランドのシーワールドにしか行くことができなかったんだ。
安いモーテルに泊まってね。
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数年おきにシーワールドに行っているんだけど、確かに行くたびにかかるお金も増えていくのよね・・・。
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ようはディズニーやユニバーサルを「スキップ」して、その予算をもっと賢く使えばいいってことよね!
そもそも、もっと安くて面白い遊園地とテーマパークはアメリカにはほかにもいくらでもあるしね。
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ホリデーにかかるお金を節約するために、バカの一つ覚えみたいに右に倣ってディズニーかユニバーサルかの二者選択で行こう、とするべきじゃないってことだな。
そうだよ、他にも安くて楽しめる場所はいくらでもある。
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自然が豊かな所に住んでいれば、いかにも商業的で人でごみごみしたテーマパークなど行きたいと思わなくなるかも。
でも、ディズニーランドは高いお金を払っても楽しめる価値があるところだとは思うわ。
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そうだ、ディズニーで過ごす休暇はお金がかかる。だから僕たち夫婦は絶対そこにはわざわざ行かない。
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私はディズニーランドが「ぼったくり」料金だとはまったく思わない。妥当な公平な料金だよ。
ヨーロッパの遊園地やテーマパークだって高いよ。
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もっと僕がお金持ちなら、もっとゆったりとディズニーランドを楽しめるんだろうな。
今はぎりぎりの生活だから、ディズニーに行っても財布と相談しながら遊ばなきゃいけないんだ。
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ウォルト・ディズニーのヴィジョンは「全て(ALL)の子どもたちが楽しめる遊園地」だった。今や創始者の信念から離れてしまっていやしないか?
だって最近のディズニーは「ビバリーヒルズに住む金持ちの子どもが楽しめる遊園地」になってしまっているからね。
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料金が高くても、喜んで支払って入場する行楽客がこれだけ十分にいるんだ。仕方ないんじゃないか?
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ディズニーランドは家族を幸せにする最高の場所だと思うよ。なのに、料金がどうのこうのぶつぶつ言うのはどうかと思う。
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ディズニーランドの入場券だけ見ると確かに高い。
でも様々な割引券や特典カード、お得なパスもあるんだ。それらをうまく見つけて使えばそんなに割高な遊園地だとは思わないな。
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確かに物価も比較して、70年代のディズニーワールドの料金と現代の料金を見てみたら、入場料などすごい高額になっていると思う。
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80年代の時に比べたら、ディズニーに限らず多くの遊園地・テーマパークは色々な工夫をして、延々と長い列に並ぶ時間をどうにかしたり、園内の食事もおいしく改善したりしている。
遊園地とテーマパークも随分努力をしていると思うけどな。
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ディズニーパスは値上がりする一方だから、スーパーなので売り出したら無期限のパスを「少しでも安いうちに」と買い占めておく人々がいるわね。
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値上がりは遊園地とテーマパークのせいじゃないと思う。国の経済事情の問題だよ。
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ディズニーはこれだけリピーター客が多いんだよ。それはやはり最高の遊園地だからだ。
悪口ばかりいうのは公平じゃないよ。
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大きな遊園地などに行くと、不愉快な人々が大勢いるから私たち家族はもっと落ち着いた人々がいる公園にしか行かないわね。
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どんなに入場料が高くても、喜んでそれを支払う行楽客が大勢いる限りどうしようもないんじゃないかしら?
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大きな遊園地やテーマパークには様々なサービス特典があるから、それらを前もってよく勉強してうまく活用すれば、案外安く楽しめるんだけどな。
カッブルで行くと、交通費別にしても
園内で、何だかんだで3万は使うことになるね
飲食・売店が高すぎる
金出す男にとっては痛い出費
それに加えてディズニー・USJはアトラクションの待ちがキツイ
でもね、逆に安いし待たないで乗れるさびれた遊園地行くと虚しいぞ
結論として、高いけどディズニー・USJは、他の遊園地に比べて格段にテンションあがるから行って損は無い
思い出としても、料金分の思い出は出来るよ
アメリカのチケット高っ!!!!!
まだ、日本のディズニーは良心的なんだね。
そりゃ富裕層、外国人旅行者ターゲットにしてたらそんな値段になるよね…
ディズニーランドって園内のライドのテーマに意外なほど自社映画を使ってない。
特に人気のあるライドは自社映画と無関係か、むしろライドをテーマにした映画を作ったりする。
お金が無くて実際にその場所まで旅行へ行くことの出来ない人達の為に、色んな観光地の環境を再現したライドが作られた訳だけど、そう言った物が今度は実際に行くお金を持っているような人達にも人気なのは皮肉ですね。(現実には無いような物もありますが)
実際に自然環境が素晴らしい場所は肉体的な負荷を甘受する必要があったり、トイレなど色んな点で極端に不便だったりするので、その楽しみのエッセンスだけを手軽に楽しみたいという理由で、本物よりフェイクを選ぶ裕福層が増えているということ何でしょうか。
遊園地のチケット代だけじゃなく、映画観のチケット、dvdレンタル料、ケーブル代とか全部が高くなってるよ。
アメリカ=全てが安いではなくなってきてる。
70年代は、米国人の平均年収は100万$以下だろ。
インフレで今は500万$だし値段が上がるのは仕方ない気がするが。
日本も70年代は大卒初任給は5万くらいだった
99年からデフレに入ったから20万程度で止まってるけど。
日本は比較的安いのはじめて知ったわ
ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド今そんなにするんだ!
2005年に行った時は50数ドル位だったのに
遊園地もだけど、映画の高料金はなんとかならないのか…
子供に社会とは何かを教えなきゃいけないんだよ。コマーシャルに洗脳されるがままだ。子供が毒物を口にしたら必死に止めるだろう。親からして表装しか見れないバカだから子供に何も教えてやれない。
日本はオリエンタルランドがやってるから、価格設定が違うんだろうね。
せやな