ウクライナ人女性と結婚したあるイタリア人は、妻の実家に車で行った際ウクライナナンバーを取得。その理由は「外国ナンバーだとイタリア国内で罰金を受けても、無視すれば追跡されないから」だとか。
地続きの国々に住む人ならではの知恵(?)も、もうすぐ通用しなくなるでしょう。
実際、今までは警察も外国ナンバーに出した罰金の回収ができないケースが大量にあったようです。ようやく欧州各国が協力して、この問題を解決するべく具体的な動きを見せ始めました。
イタリア国内ではどうなるの?
今までは外国ナンバー車が自動速度検知器にひっかかった場合、大抵は通達が外国の自宅に届かなかったため、知らん振りしていれば罰金を払わずに済んでいたことも多々ありました。
しかしこれからは、イタリアと協定のある欧州の国に住民票を置いている人は気をつけなければなりません。イタリア警察は、これら外国車の所有者氏名やナンバーなどのデータバンク情報を得ることができるようになります。
今のところ対象となる違反は、速度超過、シートベルト不着用、赤信号での不停止、飲酒運転、薬物使用運転、ヘルメット不着用(バイクの場合)、走行禁止レーンの走行、運転中の携帯電話およびその他通信機器の使用、となります。
ただしデンマーク、イギリス、アイルランドは除外されます。
今後バカンスや商用などでイタリアに自家用車でやってくる多くのヨーロッパ人は、イタリアだから多少羽目を外しても大丈夫などと思わずに、自国で運転するときと同様に十分気をつける必要があります。
イタリア人が欧州他国で交通違反したら?
もちろん協定を結んである国で違反をした場合には、車の所有者氏名は他国警察にも明らかにされます。
よって現行で違反を告げられたら、その場ですぐ現金で支払をするのが賢明です。下手に嘘の住所などを告げてその場では逃げられたと思っても、後で追跡された場合、他の罪もおまけについてきたり利子が加算されたりして代償は更に高くなってしまいます。
フランスでは今のところ、自動速度検知器に引っかかった違反のみが対象で、普通郵便で通達が来ます。一方、ドイツでは70ユーロ以上の罰金の場合にやはり普通郵便で通達が来ます。
スイスはEU加盟国ではないにもかかわらず、イタリアとの罰金刑に関する協定に積極的な国。なんとスイス警察はイタリアのデータバンクに直接アクセスできるほか、通達の発送、そして未払いの違反に対しては禁錮刑にする権限もあるということです。
国の四方が他国に囲まれているだけに、必然的に自国を守るのに積極的になるということでしょう。
レンタカーの場合は?
警察の通報はレンタカー会社へなされ、登録されている利用者のクレジットカードに直接罰金請求が来るというしくみです。
違反時から長期間経った場合でもカードへの罰金請求が来ることもあるそうで、その期間中の諸経費などもいろいろ上乗せして請求されることになります。
そんなニュースとともに多くのコメントもネット掲示板に寄せられました。
【参考URL】http://motori.corriere.it/motori/attualita/14_marzo_27/i-guidatori-stranieri-pagheranno-multe-prese-italia-de99ef70-b596-11e3-88c9-f5f1afba752a.shtml
http://autonoleggio-blog.it/documentazione/europa-unita-anche-nelle-multe
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ブダペストで有料道路料金を払わなかったときの罰金請求書が、証拠写真とともにローマに送られてきました。払うべきかな?
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↑写真という証拠があるから、払ったほうがいいでしょう。無視すると次回請求はもっと高額になってしまいますよ。
それに次にハンガリーに行ったとき警察に偶然でも止められたりしたら、未払いの件が発覚して厄介なことになってしまいます。
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私の元同僚たちは、昔、パリやロンドンで受けた罰金の数々をコレクションのように披露していた…もちろん自分たちのイタリアナンバー車で行ったときの。
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↑それももうできなくなるね。
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ローマではルーマニアとかの東欧ナンバーがうじゃうじゃいる。イタリアナンバーにすると保険料とか通行税とか罰金とか、いろいろデメリットがあるからね。
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デンマークやイギリス、アイルランドが協力しないんだったら、彼らがヨーロッパ内を通行するのを禁止すべきだ!
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コモ警察署では、スイスナンバーによる罰金刑がものすごく多いらしい。スイス人はきちんとしていると言うけれど。
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よかった。
やっとこれでイタリアを走る外国人も、自国を走るときと同じように気をつけてくれるんじゃないかな。
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たくさんの外国ナンバー車が駐車場や路駐禁止区なんかで違法駐車したり、スピードオーバーしたりしているから、これからはイタリアの法に従って罰金を払ってもらわなくちゃ。
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私は北イタリアの国境近くのヴァレーゼに住んでいるけど、この前ヴァレーゼ警察署の人が、私が以前チューリッヒに行ったときに赤信号で発進しちゃった時の罰金請求書を家まで手渡しで持ってきた。
その時のことはあまり良く覚えてないんだけど、びっくりした。ここスイス国境近くではそういう話は珍しくないらしい。
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↑笑ってる場合じゃないよ。スイス人はイタリア人みたいに適当じゃないんだから、罰金未払いのままスイスに再入国したらどうなると思ってるの?
あっちの情報網はしっかりしてるんだよ。
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↑でも普通、請求書は手渡しじゃなくて書留郵便で来るはずだよね。
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僕は6ヶ月前フランスに行ったときにレンタカーを借りたことがあり、そのときに違反したようで、最近になってイタリアの自宅にフランス警察からの罰金請求書が届いた。
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僕は、ドイツ警察からこの前手紙が来た。ドイツで借りたレンタカーで走ってたときに制限速度をオーバーしたらしい。自動速度検知器で写真も取られていた。ドイツの法律に従って罰金の他に2ヶ月の免許停止と書いてあった。
この場合、イタリア国内でも2ヶ月運転できないの?
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↑ドイツとイタリア両国間の協定による。
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この前、クロアチアの代理としてイタリア国内の弁護士事務所から手紙が来た。クロアチアで4年前に駐車料金8ユーロを払わなかったとして、罰金54ユーロを払えというもの。
でもそういう時はふつう違反してすぐに通達が手紙で来るはず。どうしたらいい?
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↑外国で交通違反したら、ふつうはまず手紙で通達が来る。それが来ていなくて、何年も後に初めて警察以外から支払い請求が来たのだから、まずは事の真偽を確認してから払うかどうか考えたほうがいい。詐欺の場合もあるからね。
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今日、モナコ王国をバイクで走っていて警察に止められた。遅いトラックがいて、追い越し禁止車線だったけど十分に右に寄っていてスペースがあったから、車線から出ないように注意したにもかかわらず止められてしまった。
罰金は150ユーロ。取消し請求をするなら8日間の猶予期間内にしないといけない。どうしよう。言語の問題もあるし。
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↑取消し請求するなら、モナコの公用語であるフランス語で、きちんとモナコの交通法を理解した上で取消し理由を正当に主張しないといけないよ。
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ベルリン在住のイタリア人です。
知り合いのドイツナンバー車を運転していたときに、丁度赤信号になってしまったがそのまま通行したため、案の定罰金が届きました。その信号機には監視カメラがばっちり仕掛けてあり、写真も撮られていました。
警察からの用紙を記入する際に、ベルリンの住所を書くべきか、イタリアの実家のを書くべきか、車は他人のだし…複雑!
まとめ
今後欧州の国同士で、細かな協定がどんどん結ばれていく方向にあります。ヨーロッパに在住している多くの日本人の方々なども、気をつけるに越したことはないでしょう。