冬がやってきて、クリスマスがやってきて、年が明ける。大人になってもなんだか秋から冬にかける季節の変わり目はどうもそわそわしてしまう。
まあ仕事納めがあったり、休暇があったりと楽しみにしている事もあれば、クリスマスの準備や正月どうしよう・・とかプライベートでやらなければ行けない事もあるから、必然的にそわそわしちゃうもんだろう。
私はまだ未婚だが、すでに親になっておられる方は、忘年会にクリスマスプレゼントからお年玉の用意もしなければいけないし、財布が寒くなってしまいそうな人もいるんじゃないかな?
寒いといえば、この季節北側に住んでいる人にとってはなかなか辛い季節だ。
私は東北出身で寒さにも慣れている筈が、今住んでいるドイツの寒さに全く慣れていない。緯度的には札幌と同じくらいに位置している国で、まあ寒い。でも北欧に比べたら我慢出来る寒さであるけど。
そういえば丁度今年、世界を騒がせたロシアとウクライナも寒い国である。まだ両国間に様々問題はあるが、ロシアガスの供給ストップ問題が解消されたのは非常に大きい。
しかしこのガス問題もまだ完全に解決された訳ではなく、厳しい状態である。それにロシアからウクライナへガスが供給されないとなると、他のEU国へのガス供給も行われず、EU全体が決して小さく無い打撃を受ける事になる。
ではロシアとウクライナ、EU、そしてこれからの季節に大事になるガスではいまどうなっているのか?ドイツのメディアが報じたニュースをもとに、外国人のコメントと共に紹介したいと思う。
ロシアガスが与えた影響
ウクライナではロシアガスの供給停止以降、街で変化が起きていた。というのもガスの代わりになる燃料として、市民が石炭や木を燃やして暖房として使っているのである。だから供給開始以前まで、首都ではそれらが燃えている匂いがしたという。
冬を目前として、ガスの供給が再開されたのは非常に良かった。もし長引いたらと思うと厳しい環境下での市民生活が余儀なくされる恐れがあった。
まだ残るお金の問題
10月末のウクライナとロシアの調印式の際、いままでウクライナがロシアに対して未払いだったガス代金を支払う事を合意し、担当したウクライナの大臣は州のエネルギーコンツェルンに対して、モスクワに14,5億ドル支払うよう命じた。
さらに2014年の12月末にはさらにのこりの未払いの金額である16.5億ドル支払わなければいけない。
今後はガスは前払い制でやり取りを行うようになり、1000立方メートルあたり378ドルになるそうだ。
過去もあったウクライナ-ロシア間のガス供給停止
過去にもなんども両国間でガスの供給問題は起こっていた。
ソ連崩壊後から未払い等のトラブルは起きており、2000年代半ば辺りから問題が大きく表面化した。とくに今回、政治家は2009年の1月にもガス問題の二の舞にはしたく無いと語っていた。
当時はウクライナとロシア間でガスの計上を理由に争いが起きて、配給がストップした。当時80%以上のEUで消費されていたガスはウクライナ経由のパイプラインを使っていたため、大きく損害を受けた。とくにセルビアとオーストリアは寒さで堪える結果になった。
その後両国の当時の大統領は和解するのだが、同時に今日でも異論の余地がある、ガス1000立方メートルあたり480$の契約を結ぶ事にもなっていた。
そういった過去の溜まりに溜まった未払いのガス代に加えて、ウクライナの大統領への抗議デモによる争乱がきっかけで、ロシアはウクライナが支払い能力なしと見なした結果今回のガス供給停止に繋がったようだ。
今回は冬を目前にして問題が解決したから良かったものの、前回は実際EU全体で大きくダメージを受けていた事を知るとぞっとする。こういう形で政治での摩擦が市民生活に影響を与えていくのである。
そしてガス会社同士でのやり取りではあるのに、どうして大きく国の代表が絡んで来るのか?と思った方もいるとは思うが、ロシア、ウクライナのガス会社両方とも国営企業であるため、企業間ではなく国と国の問題となっている。
実際このガス供給問題については海外の人達はどのような反応を持ったのだろうか?インターネットで見つけたコメントを一部抜粋して紹介したいと思う。
【参考URL】http://www.tagesspiegel.de/wirtschaft/nach-ende-von-gasstreit-mit-russland-ukraine-hofft-auf-westliche-finanzhilfen/10918242.html
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ウクライナは西ヨーロッパの経済を期待している
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ウクライナは未払い多いよね。ソ連崩壊からずっと
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この交渉結果は残念ながら成功とは言う事はできないな
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ウクライナのリーダーは、もうEUに物乞いをするしかなくなってきているな
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最終的には私たちも支払う事が明確だよね。西の私たちが
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ウクライナが支払い能力がないのは本当にあきらか
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人々EUの概念と、地政学的なEUの概念の違いを見れない人がいる限り、こういったことは続いていく
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破産・・・。
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スイスの立ち位置は素晴らしい
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ウクライナがEUに加入したら一人当たり100ユーロくらい払ってもらうべきである。私たちの助成金の為に。
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さあ彼らはあなた方のガスの供給網を売らなければいけないぞ!
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ウクライナは西からの助成を求めているね
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生きづらい世の中である
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はやくヨーロッパは新しいガスの供給網を確立させなければいけないな。ロシアからの依存を脱却すべしだ
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オレンジ革命の繰り返しでない事を祈る
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悪魔は社会の細部にいるんだよ
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ウクライナは観光産業を拡大し、農業も拡大、パートナーシップにおける金属産業の発達が望ましい
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EUは新しい教育機関を送出して、バイオマスの施設の建設や代替エネルギーなどに支援していくべきだと思うよ
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またドイツが他国に支払う事になるのかな?
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ポロシェンコ大統領の西側への要請が露骨である
世界に繋がるロシアガス
ウクライナへの厳しい声が多い様に見受けられた。知らない立場で尚かつ日本のメディアの情報を中心に見ている人にとっては、ウクライナが被害者の様に見えるが、そうとは言い切れない部分があるんだなと調べて知った。
国境付近の小競り合いは今でも続いているし、ウクライナには不安定な地域が存在する。難しい事は言えないが、抱えている問題が解決される事を願うばかりである。
それにしてもガスが供給されない事により、石炭や薪を用いなければいけない事態になっていたという事実に少し驚いた。それだけヨーロッパ全体でロシアからのパイプラインが生活に大きく直結していることを知った。