「お金が、あなたを嫌な人間に変えてしまう。」
これってかなりインパクトのあるタイトルだと思います。皆さんの周りを見渡してみてください。いかがでしょう。自分が経済的に裕福だからという理由で、威張っている人もいるかもしれません。
お金持ちになると、人間はどう変わるのか?検証した実験
今回は、このテーマについてカリフォルニア大学のポール・ピフ助教授が、いくつかの実験を行っています。その実験の内容と、結果についてご紹介させていただきます。
お金によって人間の心理と行動がどのように変化していくのか、興味深い結果が出ています。
不平等なモノポリーゲームをやって見えてきたこと
100組の被験者に、モノポリーゲームをしてもらいます。彼らはお互いに初対面同士です。1対1の対戦を始める前に、コイントスして、片方はお金持ちの人、もう一方は貧乏な人になってもらいます。
この実験では、『自分が優位な立場になったら、人間の心理はどのように変化するか?』ということについて、調べることが目的です。ですから、あえて、不平等な状況を被験者に設定してあります。
お金持ちの人は、最初から相手よりお金を2倍多くもらい、途中で所得する金額も相手の2倍です。しかも、相手より多くサイコロを振ることができるという、極めて不平等なルール設定です。
自分が対戦相手よりより優位な状況の中でゲームを進めていくと、どんな変化が起きるのでしょうか?お金持ちの被験者はコマを進める時、大きく音を立ててコマを進めるようになります。
また、机に置いてあるお菓子を、相手よりたくさん食べます。そして、「そっちは、もうすぐ一文無しだな。こっちは金があり過ぎてさ。」「俺は、もう無敵だ。」・・・等とかなり横着な言動が見受けられます。
さらに、ゲームの後に感想を勝った方に聞いてみると、得意げに自分の勝因について語るのです。最初にコイントスして、有利な状況になったことには全く触れません。勝って当たり前のシチュエーションなのに、自慢するなんて滑稽ですよね。
10ドルをお金持ちと、貧乏な人に与えたら・・
次の実験の結果も興味深い物でした。この実験のテーマは、『裕福な人と、貧しい人では、どちらが他人を積極的に助けようとするか?』というものです。この着眼点がすごいと思います。
10ドルのお金を、裕福な人々(年収15万ドル~20万ドル)と貧しい人々(年収2万5千ドル程度)に与えます。自分の物にしてもいいし、寄付してもいい。ただし、寄付するのは赤の他人に限ります。
その結果、約44パーセントも多く、貧しい人たちが裕福な人たちよりも寄付をしました。なんだかすごい結果ですね。お金持ちの方が心に余裕がないなんて、意外です。
横断歩道を渡ろうとしている人がいたら、停車するのは高級車、それとも、安い車?
カルフォルニア州では、歩行者が横断歩道を渡ろうとしている時、車は停止しなくてはならないと法律で制定されています。ポール助教授は、横断歩道を渡ろうとしている人をサクラとして立たせて、停止する車種を、数日間、何百台もの車を対象に調べました。
その結果、高い車に乗っている人ほど停止しなかったという結果が得られています。驚いたことに、最も安いタイプの車に乗っている人たちは、停止しなかった数は0でした。
うーん、ここまで顕著に結果が出るとは、驚きですね。
これらの実験から言える事
ポール助教授は、こうした実験を約7年間行っています。様々なデータからお金持ちになると、思いやりの気持ちが低下し、自己中心的な人間になると述べています。もちろん、裕福な人全てが、そうだとは限らないと断りもしています。
アメリカにおける経済格差
アメリカにおける経済格差は、年々拡大しています。しばしば深刻な社会問題として取り沙汰されています。上位20%の富裕層が国家の富全体の90%を手にしているのです。凄まじい格差ですよね。
経済格差が広がると、どこの国でも、社会的に問題が増えてきます。例として、肥満、暴力、受刑率などの増加があげられます。
経済格差の問題は、最底辺の貧しい人だけの問題ではなく、全員に関わる問題だとポール助教授は述べています。
これらの問題を解決するために
こうした現象を食い止めるために、一つの提案をポール教授はしています。
富裕層の人たちに、海外の貧しい子供たちのビデオを見せたのです。そうすると、お金持ちの人たちの行動が変わり、赤の他人に対して思いやりのある行動をするようになったそうです。
世の中に困っている人がいるということを再認識させるだけで、お金持ちの行動を変えることができたわけです。このことは、ちょっとした気づき、意識を変わるだけで、世界は変えられるという可能性を示唆しています。
また、ビル・ゲイツが『世の中の最大の不幸は不平等である』、『大事な事は、新しい発見を、不平等を緩和するために使うことだ。』と述べた発言や、アメリカの大富豪100人が自分の資産の半分を寄付することを誓約した事・・等を紹介しています。
研究室の中だけでなく、社会の中にも経済格差の問題について真剣に捉えて、その改善の為に行動する動きが起こっています。
「We are the One Percent」「Resource Generation」「Wealth for Common Good」といった富裕層の組織が格差是正の為の活動をしています。
海外の反応
ポール・ピフ助教授の実験や、訴えていることに対して海外の方たちは、どのような意見を持っているのでしょうか?
【参考URL】http://www.ted.com/talks/paul_piff_does_money_make_you_mean
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とっても重要な話だったね。心の中に、キープしよう。
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僕は自分を見ていて、ポケットの中は貧しいけれど、心は豊かだと思うんだ。
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私は、このモノポリーゲームの結果は、それほど驚くようなことじゃないと思います。
私は、IT企業に勤めている数少ない女性ですが、こんな現象は日頃からよく見ています。
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お金が全てではないけれど、何をするにもお金は必要だ。
あなたにお金をもたらしてくれる裕福な人たちは、あなたにとってとても重要だよ。今後あなたが生活していく上で、あなたを助けてくれるツールとなってくれるだろう。
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なんて、魅力的な話なのでしょう。この話は、私が日頃目撃している人々の行動を明確にしてくれています。興味深くて、とても楽しい話をありがとうございます。
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本当に、見る価値がある話です。シェアしてくれて、ありがとうございます。ポール。
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こんにちは、私は、韓国の学生です。
私は、あなたのプレゼンテーションを聞いて、たくさんのことを思ったよ。あなたの意見は正しい。どうして我々は、金持ちになりたがるのだろうね。そして、お金持ちになったら、何をするべきなのだろうね。
お金持ちになった人たちは、多分社会とのつながりを忘れてしまうのだろう。最近、僕は人を助けて、幸せになっている人から学んだよ。それは、人と社会とのつながりさ。
もし、我々がこの先お金持ちになっても、社会の中で生きているということを肝に銘じて生きていかなくちゃいけないね。(韓国籍)
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この男性はすごいプレゼンテーションを発表しているね。
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とても、興味深くこの話を見せてもらったよ。お金持ちになること、それで終わりじゃないってことか・・と私は悟ったよ。
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ニューヨーク向けのプレゼンテーションだな。
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車を使った実験、そう、カルフォルニア州で歩行者が横断歩道を渡ろうとしている時に、高級車と安い車とどちらが停止するかを調べた実験について疑問があるんだ。
このドライバーの、個人的な情報はわかってないのでしょう?
もしかしたら、安物の車に乗っている人がお金持ちという可能性もある。高級車に乗っている人が貧乏人だという可能性もある。
この調査結果は、完全じゃないと私は思うよ。
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この内容は、とっても興味深いですね。裕福になるとこんな振る舞いをするのなら、お金持ちになる必要はありません。しかし、心は豊かでなくてはいけません。
私は、これまで銀行に行く必要のない裕福な家庭で育った人たち、この話に出てくる人たちと同じように、他人を見下して差別しているような人たちに会ってきました。
反対に、無条件に誠実で慈悲の心を持っている裕福な人々をたくさん知っています。お金によって性格が変わるのではなく、個々人がどのように育てられたかによるのだと思います。
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もし、このモノポリーゲームで、世代が違う人同士で対戦させたら、また結果が違ってくると思うね。
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お金はあなたを嫌な人間にはしない。個人的な本性が出ているだけだ。
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社会や豊かさに対する興味深いコメントだね。
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私は、この不平等に仕組まれたモノポリーゲームだけで、人々がお金持ちになったら、嫌な人間になる事を証明できるとは思わないね。
その理論が通るなら、わがままな人間こそがこの世の中でより金持ちになると言ってもいいことになるからね。
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とってもいい話だったよ。いろいろ考えさせられたね。
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私はこのプレゼンテーションに対して、イエスと言いたいね。
お金は、人間を嫌な人にする。
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やあ、僕は、あなたのコメントに反論しているわけじゃないよ。
『お金が人間を嫌な人にする。』、これってメディアが作り上げた人気のある考え方だと思うよ。しかし、現実に我々が生きていくのをお金は助けてくれているよね。
もし、あなたが本来、意地悪な人だったら、お金によってさらに意地悪になるだろう。反対にあなたが思いやりのある人だったら、慈悲の行動をするだろう。
私達は、無意識のうちにお金の犠牲者になっているのさ。それも自分自身の欠点が原因だ。
お金は単なる道具に過ぎない。医者は患者を助けるためにナイフを使う。犯罪者は、これを使って人を殺す。お金を手にした人の心がけ一つで、どうにでもなるということだよ。
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お金が人を意地悪にしているとは思わないね。
お金を持つことによって、人間の本性がむき出しになっているだけさ。残念だけど、我々人間は、隠しておいた方がいい本性を内側に持っているからね。
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これだけは言わせて。
ブラボー、なんて核心をついた素晴らしいコメントだろう。
まとめ
「お金が人間を嫌な人にする」確かに思い当たる人、私の周りにもけっこういます。しかし、そうした方たちでも、ほんの少し貧しい国のビデオを見ただけで行動を変えることができるなんて素晴らしいことじゃないですか。
世の中まだまだ、捨てた物じゃないなと思います。自分の財力を格差を是正するために世界中のお金持ちが行動したら、それに貧しい人が正しい努力をしていけば、未来は明るいでしょうね。
今回のポール助教授の提言は、かなり考えさせられるテーマでした。何はともあれ、心の貧乏人にだけは、なりたくないものです。
どちらかと言えば「貧すれば鈍す」という人の方が多いというか、
めったに大金持ちに会う環境にいないからちょっとわからんな、大金持ちの事は。
まあ、高潔な精神は忘れずにいたいね、持ってても持っていなくても。
高級車の例は車貧乏な奴だっているし、ホントの金持ちは喧嘩せずってね
貧乏の対義が金持ちかって言えばそうとも言えないし
突き詰めりゃどう貧しいのか、なにが幸せなのかって話になる
弓弦イズルは金を得たことでクズになったのか、もともとクズだったのが金を得たことで顕在化したのか。
後者だろう、自信過剰になるから自制が効かなくなるんだな
金さえ有れば大抵のこと出来ちゃうから
大金と言う魔法のツール手に入れちゃった貧乏人が沢山魔法使って訳判らなくなって
はしゃいで頭可笑しくなったりするのは理解できるよ滑稽で笑えるけどね
後、お金の借りにだらしない奴は嫌いだな嫌と言うほど人の醜さ見せ付けられるから
近所に電気屋があったんだが、店主も普通のオッサンだったんだよ挨拶もよくしてた
そこの電気屋が再開発で立ち退きになった、立ち退き料が入って電気屋も辞めてしまったんだが
それから、電気屋のオッサンは道端で会っても挨拶もしないヒトになってしまったw
金さえあれば、てめぇらなんかに愛想良くする必要ねぇだろ
って感じなのかね?w
うちの兄貴
前に勤めていた会社の社長が傲慢、と愚痴ってた
その後独立して成功、そこそこの金を持つようになったが今度は兄貴が従業員から傲慢と言われるようになった
兄貴にはその事は言ってないが
妹が、資産家に嫁ぎ目の上のタンコブだった姑が亡くなり棚ぼた状態に。まるで天下でもとったかのような横柄な言動を取るようになった。
それは、身内である私や母親にでも同じで。亡くなったばかりの父親のお墓はもちろん仏壇にさえ手は合わせない。
こんなのと血が繋がってると思いたくない。言えないけど…