一生に一度は訪れてみたい「世界で最高級のレストラン」

The Richestという富裕層向けの記事を扱ったサイト（アメリカ）で「世界で最も値段の高いレストランベスト10」の特集が載りました。

ただ値段が高いだけのボッタクリレストランではなく、味もサービスも店内のムードも最高の、紛れもない世界でもトップレベルのレストランを厳選しています。

日本人として驚いたのは、10個のうち、日本もしくは和食レストランが三軒も選ばれていたことです。

世界一美食の国ともいわれるフランスのレストランが二軒。あとはアメリカにある和食レストラン、スペイン、モルディブ、スイスの、ロンドンのレストランは一軒ずつ紹介されています。

いかに日本には料金が高いレストランがあるかということにもなりますが、繰り返しますが記事ではサービス、食事のクオリティー、そして店内の雰囲気も評価の対象に入れています。

今回はThe Richest のサイトで選ばれた「世界で最も高額なレストラン10」のレストランのうち6軒をご紹介します。

一生に最良の記念日にぜひこのうちの一店だけでも思い切って予約を入れてみてはいかがでしょうか。生涯の思い出のひとつになること、間違いありません。そして「食事は芸術なのだ」と深く感動することでしょう。

しかしやはり先立つものは「お金」。

これらのレストランでは、はたしていくらで食事ができるのでしょうか。目安となる料金もあわせて各レストランをご紹介していきます。

イビサ島にある世界で一番値段が高い上奇想天外なレストラン「Sublimotion」

食事とサービスの質の高さと、落ち着く雰囲気の高級感溢れる内装の店であるー

これが従来の、いわゆる最高級レストランのルールでした。ところがスペインのイビサ島に、その概みをガツンと砕くような奇想天外の高級レストランが登場。

食事代も世界で一番高くつくといわれるSublimotion。

様々な賞を受賞するパコ・ランセロ氏がオーナーを務めていますが、このレストランの中に入ってみると、彼は経営者や料理人というだけでなく、立派なアーティストだと感嘆せずにはいられません。

パーティー・アイランド

そもそもイビサ島には世界中のセレブがヴァカンスに訪れます。

セレブといっても、ベンチャー企業の社長やクラブ経営者、ショービジネスやファッション業界の面々が多い派手な顔ぶれ。よってこの島の別名は「パーティー・アイランド」。

彼らはうなるほどのお金を持ち（そもそもイビサ島の滞在自体、リッチじゃないとなかなか実現できません）でかつ常に何か新しく面白いものを求め、世界中の高級レストランを行き尽くし、人と違う経験をしたいと思う人種です。

「こういう富裕層の派手な連中が何を喜ぶのか」

ランセロ氏は熟考しそして見事に「連中」のニーズに応えてみせました。

有名なリゾートホテルのハードロックホテルの中に構えるレストランSublimotionを、パーティー会場とテクノ的ディスコと映画館と遊園地をごったまぜにしたような、奇妙で斬新な空間にしました。ニューセレブたちは大喜びし、このレストランに殺到。

席が少なく容易に予約が取れない、とレア感も、彼らの「ツボ」を刺激するのに成功。プレミアム限定高級車、腕時計、宝石を収集する彼らにとって、Sublimotionの席を予約成功してみせるのは戦利品のひとつであるのです。

ショーを体感するようなレストラン

料金はひとり2000USD(約20万円)。20コースほど出てきます。

なかなかのヘビーな量なので、十分に空腹にしておいたほうが良いでしょう。レストランに足を運ぶ前には、思いっきり海水浴を楽しんでおくといいかもしれません。

レストランというのはインテリアや照明、テーブルクロスや食器にこだわるものです。しかしSublimotionでは「テーブル上の画像」にこだわってみせました。

テーブル上を映画館ごとき、スクリーン画面にしてみせたのです。次々にサービスされる食事に合わせて、テーブル上の画像が変わっていくのです。

一体こんなアイディアをいままで思いついたレストランは、果たしてあったでしょうか！？

食事でも食器でもテーブル上の飾りでもない、テーブルの表面そのものをアートにしてみせるだなんて、まさに「やられた！」（苦笑）。

よってスープを飲んだり肉をナイフで切っている時にも、下をうつむきながら様々な変わりゆく映像を楽しめるようになっています。

食事によってBGMの音楽や室内温度も変わります。

肝心な食事も、文句のつけようのない最高の素材を、最高のシェフたちが手掛けた芸術とも呼べるものばかり。

ほかにも様々な凝った仕掛けを楽しめるようになっており、まさに「クラッシクなインテリアで落ち着ける空間＝高級レストラン」という概念を覆した、遊び心とチャレンジ精神旺盛の未来型アミュージメントレストランです。

生涯に一度はこのレストランに足を運ぶべきだ、実際に行ってみないとあの感動は分からない、言葉や写真では伝わらない、あれは体感した者しか分からない凄いレストランだ、と行ったことがある人はみなさんそう言います。

しかし….遠い国にあるセレブが集まる島にある、ひとり20万円は覚悟しなければならない予算のレストラン…「ハードルが最も高い」レストランではありますね。

ニューヨークで一番高いと言われる日本食レストラン「雅MASA」

 

オーナーの高山雅氏氏について

高山 雅氏氏は、栃木県の黒磯市で魚屋を営む両親の元で生まれました。幼い時から兄弟たちと一緒によくお店の手伝いをやっていました。

朝は早起きをし、学校に行く前に魚をおろして店頭に並べ、放課後には自転車にまたがり父親がさばいた刺身を、ほうぼうの家へ届けに出かけていました。

高校を卒業した後、銀座にある「寿し幸」で八年間修業を積みます。日本の老舗のすし屋の修行としては非常に一般的なことですが、修行の大半は皿洗いや店の掃除に明け暮れました。

肝心な料理の技術より、掃除洗濯洗い物に大半の時間を割く…。口に出すことはありませんでしたが、高山氏はこの修行システムに何か疑問を抱いていたのかもしれません。

というのもロサンゼルスに観光旅行した時に、全てが合理的で実力主義で、上下関係にも厳しくない（ようにみえた）アメリカ人たちに衝撃と感動を受け、「自分は日本を捨ててアメリカでやってみたい！」とすぐさま決意したからです。1978年のことです。

二年後にロサンゼルスに自分のレストランをオープンします。

邦人向けの、まるで日本にいるかのような空間づくりを心がけた純和風のお店でした。1987年には「銀座・寿し幸」を最初のレストランからそう離れてはいない場所にオープン。

メニューを見て注文してもらうのではなく、食するのに合計二、三時間ほどかかる「おまかせ」がメインでした。

高山氏はお客さんたちが一体どのくらい時間をかけて、どのような表情をしたかなど自身で徹底的に観察しデータを集めていきました。

そのうちこのレストランのきめ細かいサービスや落ち着く雰囲気、そして何より最高の寿司を食べられるという評判が広まり、アメリカ人のセレブたちも食事にやってくるようになります。

中でも映画「ゴッドファーザー」で有名な大物俳優マーロン・ブロンドが「銀座・寿し幸」を気に入り、家族を連れて何度も足を運びました。

高山氏もマーロン・ブロンドに依頼を受けると、その時だけは自ら出前出張をしていました。

八年後、「銀座・寿し幸」はビバリー・ヒルズの一等地に移転をします。そしてロスでもっとも値段が張る高級レストランとなります。（その後このレストランは売却し手放します）

その後高山氏はニューヨークへ移り「MASA雅」をオープン。

アメリカで一番すばらしい日本食レストランといわれるMASA

2009年以降ミシュランガイドブックより高い評価をもらいます。アメリカにある無数の日本食レストランの中で最も高い評価です。

評価が高いだけでなく、実際の料金も非常に高く「ニューヨークのレストランで一番お金がかかる店」と言われるほど。

一人分の料金はおよそ450USD(約4万5千円)はかかりますが、この料金の中にはチップ代と税金は含まれていません。

そもそも予約をいれた時点でクレジットカード番号を店側に伝えなければなりません。予約日より48時間以内のキャンセルが発生した場合、200USDの罰金をカードから引き落としされてしまいます。

セットメニューはやはり存在せず、「おまかせ」コースになります。食事にかかる時間は三時間も（！）かかります。

「馬鹿馬鹿しい、二度とくるものか」と多くの客がそう思うものの、MASAの寿司を一度味わってしまうと、他の寿司はおいしくないように感じられ、「高いけど最高の寿司だから」と結局またこのレストランに再び予約の電話を入れることになります。

日本国内では最高レベルの寿司はいくつもありますが、日本に飛ぶのに10万円はかかります。そう考えると数万円で最高の寿司を味わえるMASAに行った方がむしろ安上がり、と思えてしまいます。

京都にある、お箸で召し上がれるフランス会席「禊側」（みそぐいがわ）

京焼の和食器で日本の伝統料理をとり入れたフランス料理を元茶屋で召し上がっていただく、というコンセプトの京都の料亭です。外国人のお客様の接待に、とよく日本の企業が予約を入れてきます。

実際、あまりにも外国からのお客様が多いため、料亭側も慣れており彼らの嗜好によく合う食事を用意してくれます。

会席コースは1万3000円から3万円まで。税・サービス料は別ですが、鴨川が見えるカウンターや上の階の個室（鴨川が見える個室と見えない個室）などによってサービス料は変わってきます。

常連にもなると、そのお客様の嗜好….苦手な食材、好みのものなどをよく考えて調理してくれます。

予約は当日の5日前までに入れなければなりません。究極ともいえる「おもてなし」の料理と待遇を思えば、確かに日にちの余裕をもっての予約受付対応とならざるをえないのかもしれません。

そして日本では割と数日前までに要予約、という店が多いですが、外国にはあまりそういうのはないのか「満席や混雑に関係なく5日前まで！？」と彼らは驚きます。

しかしそのシステムさえも神秘的、日本的で魅力に映るのか、欧米人にも非常に愛されている粋な料亭です。

モルディブにある海の中のパノラマビューレストランIthaa Undersea Restaurant

モルディブのRangali（ランガリ）島にあるコンラッド・モルディブ・ランガリ・アイランド・ホテルの中にあります。

ホテルの中というものの、レストランは実際には水面から5メートル下に位置しています。なんと、サンゴ礁に囲まれ、180度全てガラス張りの海の中のパノラマビューを堪能しながら食事をとれる、という世界で他にはないであろうユニークなレストランです。

舞台ステージのパフォーマンスやダンスを鑑賞しながら食事をとる、というスタイルのエストランは多くありますが、海の魚たちの生き生きした泳ぐさまをうっとり眺めながら、最高の食事をいただくというのは、最高の贅沢なのではないでしょうか。

2014年度の「New York Daily News」では「世界で最も美しいレストラン」に選ばれています。

ヨーロピアンスタイルのディナーは6コースのセットになっており、チップやドリンク代を除き、ひとり320USD（約3万2千円）ほど。

子どもはランチタイムには来店を許されていますが、夜は大人のみ、と規制されています。海の中の魚たちに敬意を示して（？）ドレスコードはむろん「スマート」。

シャネルとコラボしたベージュ アラン・デュカス 東京

シャネル銀座ビルの10Fは、世界中のシャネルのインテリアを担当しているピーター・マリノ氏によりデザインされた、シンプルかつエレガントな空間が広がっています。

屋上テラスや東京タワーを眺めながら食事を楽しめるラウンジやセミ・プライベートルームも備えています。

日本の新鮮な食材にこだわったフランス料理を堪能できます。記念日などには、事前に依頼をしておくとお花の手配もしてくれます。

ディナーのコースは1万4千円から2万4千円。（税・サービスは含まれていません）グラスワインは1500円から。

有名なのはシャネルのロゴマークの入ったボタンの形をしたチョコレート。多くの女性客がカシャッと思わずスマホ撮影をしています。

シャネルショッピングを楽しんだ後はそのまま10Fに上り、最高の料理を召し上がれ、ということなのでしょう…。

世界一の神戸牛を味わえる麤皮（あらがわ）

世界一の神戸牛を堪能できる、と評判の麤皮は西新橋にあります。

スウェーデン製のシャンデリアや西陣織の壁布といったクラシカルなインテリアが上品であることもあり、銀座で買い物をする優雅なお客たちや商談目的のビジネスマンたちに非常に愛されているレストランです。

多くの高級店同様、麤皮でも席は全部で12席しかありません。

2006年の「フォーブス」誌にて「世界で最も値段が高いレストラン」に選ばれています。

ディナーのコース料金は一人5万円から8万円。数万円支払う価値があるレストランだ、と大勢の人々が頷いています。

まとめ

いかがでしたでしょうか？おおまかな雰囲気と食事をするのにかかるおよその料金の目安は分かったと思います。

値段が張る本当に高いレストランとは、単に本物の食事を提供するだけではなく、至福の時間も授けてくれるものなのだ、というのがなんとなく感じられます。

これらの値段の高いレストランに、海外の人々は以下のコメントを寄せています。

【参考URL】http://www.therichest.com/luxury/most-expensive/the-10-most-expensive-restaurants-in-the-world/
http://www.masanyc.com/#masa-takayama
http://en.wikipedia.org/wiki/Masa_Takayama
http://www.misogui.jp/
http://www.beige-tokyo.com/en/menu/
http://www.aragawa.jp/english.html
http://www.sublimotionibiza.com/es/
http://conradhotels.hilton.co.jp/HiWayWeb/appmanager/portals/hotel?_nfpb=true&_pageLabel=hotel_dining_detail&diningId=50881&ctyhocn=MLEHICI
http://www.dailymail.co.uk/travel/article-2609619/New-Hard-Rock-Hotel-Ibiza-open-Sublimotion-expensive-restaurant-world.html
http://www.yelp.com/biz/masa-japanese-cuisine-york
http://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review

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