近年、続々と押し寄せる移民の波の中で、イタリアの日常生活にも様々な変化が見うけられます。

彼らの多くは仕事探しを目的にやってくるわけですが、きちんと真面目に仕事をする人もいれば、不法でも構わずにさまざまな方法でお金を手に入れようとする人もいます。

その中のひとつとして、交差点に赤信号で止まった車のフロントガラスを掃除するというのがあり、よく見かける光景です。

イタリアの比較的大きい街に行くと、水入りペットボトルとガラススクイジーを持って信号のある交差点の周囲に立つ外国人の姿をよく目にします。

彼らは赤信号で車が止まったと思うと、すかさず道に出て、車のそばに寄って行き、一台一台の車の運転手に「窓を拭いてもいいか」と尋ねるのです。

そして「OK」の返事をもらった場合、ペットボトルの水を少し窓ガラスにかけて、スクイジーでさっと一拭き。そして運転手から小銭をもらいます。

中には「NO」と言う運転手も多くいます。最近はどこの街角にもこのように小銭を要求する人たちが多いため、市民の中には「またか…」と、うんざりしている人も少なくないようです。

パドヴァの交差点での乱闘騒ぎ

ある日のこと。パドヴァの街でいつもと同じようにとある交差点へ、ある外国人一家がガラス拭きに出かけて行きました。すると、その交差点で既に同郷の別の一家が、彼らがするのと同じように車の窓拭きをしているのを発見したのです。

「自分たちのテリトリーを侵された」と頭にきた彼らは直ちに抗議を始めました。

最初のうちは口論だけだったものの、やがて激しい殴り合いの乱闘に発展。中には妊娠中の女性もいたらしく、身の危険を感じて近くのタバコ屋に逃げ込み、そこへ警察が到着してようやく騒ぎは一段落。双方の外国人たちは警察へ連行されていきました。

そんな日常の展開する交差点の近所に住むあるイタリア人は、諦めの表情でこう言います。

「何も失うものがない人たちの、小銭稼ぎのテリトリー争いだよ。ここに住む私たちにはもう見慣れた光景だ。警察は時々罰金を課したりするけれど、パトロールが行ってしまえば彼らはまたやってきて、同じことが繰り返されるだけ。」

その他にも、イタリアの様々な街の交差点では、窓拭きと運転手の間の口論などもしばしば起こっています。

ガラス拭きに「NO」と言ったにもかかわらず、ガラスに水を無理やりかけて拭き、お金を要求してくることもあります。しかも、その水があまりきれいではないことも多く、ガラスはかえって汚れてしまうことも…

フィレンツェでは、運転手が窓拭きを拒否したにもかかわらず、ガラス拭きの外国人はしつこく強要し続け、挙句の末、腹いせに車のフロントガラスを割ってしまうという事件も起こりました。運転手はすぐに警察へ通報し、外国人はすぐに逮捕されました。

一向に解決の糸口の見えないこの種の社会問題に対し、様々な意見が交わされています。

【参考URL】http://mattinopadova.gelocal.it/cronaca/2013/09/15/news/guerra-dei-lavavetri-scoppia-la-rissa-all-incrocio-della-stanga-1.7747618
http://www.lanazione.it/firenze/2007/08/28/32876-stop_lavavetri_semafori.shtml
http://archiviostorico.corriere.it/1999/settembre/23/Lavavetri_rompe_parabrezza_dopo_litigio_co_7_9909236711.shtml

まとめ

このような窓拭きの行為は、市民に対する迷惑行為であるとみなし、市民の生活環境の向上のための対策として、イタリアの各市ではこのような窓拭き行為を禁止し罰金を課す条例を出したりしていますが、根本的な解決には容易に至らないのが現状です。

PR【お金の学校】では、アフィリエイトプログラムを利用し、アコム社から委託を受け広告収益を得て運営しています。